なぜ彼らは、起こすときには容赦無いのでしょうか。
野生の動物にとって、食糧を得る手段は狩りであります。飼い猫にとってのそれは、寝ぼすけの飼い主をいち早く起こすことにほかなりません。腹ぺこ猫の本気が迸る、猫アラームをご覧あれ。
毎朝8時ごろ。職人の仕事はベッドに飛び乗るところから始まります。一日の充足度をうらなう貴重な朝ご飯も出さずに眠りこける飼い主たちを、平和裡にそして安全確実な方法で起こさなければなりません。
まずは腰あたりから体に乗りかかり、胸を目がけて一直線。体重を掛けて夢から覚めるよう促します。体から降りるときは、ちゃーんと後脚に体重を乗せる丁寧な仕事っぷりであります。それくらいではまったく起きてこないことは百も承知。
顔や手に頭をすりつけ緩急をつけたアプローチで攻めつつ、布団を剥いで喉が露わになりましたら、喉元を前足・後足で踏みつけ、ちゃんと急所を心得ている様子がうかがえます。ふだんは適当に歩いているように見えるのに、飼い主を起こすときだけ、前足と後足とでしっかり同じ場所を踏むのはなぜなんでしょうか。
最後は、枕に振動が伝わる距離でわざとらしく毛づくろいを繰り返し、「さっきの苦しいのは夢だよきっと」とうそぶくのでありました。
[Cat Alarm Clock | Squash/YouTube]