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「スーツケースに詰まった愛猫の人生」 捨てられた猫と飼えない家族の「悲しみ」を物語る カナダ


路上に置き去りにされた猫を保護

うつむく茶トラ猫

画像はイメージです

動物保護のボランティア活動をしているSarah Martinezさんは、これまで不幸な状況にある犬猫をたくさん見てきました。

ボール箱に詰め込まれた猫たちや保護施設の入り口に繋がれ放置された犬、ドッグフードの入った皿だけを置かれて駐車場に捨てられたペットたち…こうした悲しい経験には慣れていたはずでした。しかし、ある朝オンタリオのアパートの裏に車を停めたとき、これまでとは違った「悲しみ」を感じたのです。

「猫がバッグと一緒に置き去りにされている」との連絡を受け、Sarahさんはその現場に急行しました。雨除けの軒が設置された歩道に、猫用キャリーと色あせた青いスーツケースが置かれています。

キャリーの上にはちょっと太目の茶トラの猫が座り、まるで大切な人を待っているかのようにじっとたたずんでいたのです。この子は「飼い主に捨てられたかわいそうな猫」なのでしょうか?

彼女が近づくと、猫はすぐに寄ってきて足に体を擦りつけ、ゴロゴロと喉を鳴らしました。毛並みは清潔で健康的、そしてとても穏やかな性格のようでした。

動物保護団体と協力して活動しているJennifer Walsh獣医師は、次のように話しています。

「捨てられた猫のほとんどは、つらい思いをしたためひどく怯えています。隠れたり、シャーと威嚇したりして、ストレスが高い兆候を見せるのです。でもこの猫はまるで、新しい飼い主に出会うのを期待しているかのようでした」

これまでの猫の「物語」が入ったスーツケース

人の指に鼻を近づける猫

画像はイメージです

そばに置かれたスーツケースには、だれも予想していなかった「物語」が詰まっていました。

使い古されたネズミのぬいぐるみ、銀箔製のボール、爪とぎマット、キャットニップの入ったバナナ型のおもちゃ、そしてまだ自宅の臭いが残る小さな毛布。おもちゃの下には、この猫のこれまでの歴史が詰まっていました。

時系列順に整理された獣医の診察記録とワクチン接種証明書。マイクロチップ登録用紙。さらには貴重な書類のようにプラスチックケースに保管された、養子縁組のときの書類の原本まで。詳細な餌の指示がノートにまとめられ、猫のお気に入りの隠れ場所や日々の習慣のリストも書き込んでありました。

スーツケースの底には、手書きのメモが入っています。
「僕の名前はElvisです。飼い主だったママが亡くなりました。家族は事情があって、僕を飼うことができません。いい子にしますので、どうか僕を愛してください」

このメモを書いた人は大切な家族を失い、そしてその人との最後の繋がりである愛猫を手放すという、つらい選択に直面していたのです。

「猫のためにこれほど丁寧に書類やおもちゃを詰める人は、その猫の世界全体を守ろうとしているのです。これは通常のペット遺棄ではありません。Elvisがどれほど大切な存在であったかを理解してくれる人に引き取ってもらいたい、と願っていたのでしょう」と話すのは、里親探しを担当しているMaria Santosさんです。

新しい家族を得て、幸せになる

茶トラ猫をなでるシニアの手

画像はイメージです

実はペットを手放すことになる最大の理由は「飼い主の死亡」(全体の23%)です。これに「住宅事情」「経済的な困難」「家族の病気」が続きます。

「成人した子供たちが親のペットを受け継いでも、ペット禁止の住宅で暮らしていると飼い続けられません。高齢になった飼い主が認知症を発症し、ペットの世話ができなくなる場合もあります。職を失って獣医の費用を払うことができなくなるケースもあるのです」とJenniferさん。

幸いなことに、Elvisには1週間以内に新しい家を見つけることができました。引退生活を送るJohnsonさん夫婦です。2人はElvisの事情に心を動かされ、その社会性の高い性格にも感銘を受けました。最初に愛してくれた人の思い出を大切にするため、元の毛布とおもちゃをそのまま保管しているそうです。

「Elvisは新しい環境に見事に順応しました。忍耐とやさしさをもって育てられたことがわかります。最初の飼い主が誰であれ、すばらしい仕事をしたのです」とJohnson夫人は半年後に語っています。

今回のような「捨て猫のスーツケース」現象を受けて、多くの保護団体は「飼い主支援」プログラムを立ち上げています。単にペットの譲渡を受け入れるだけでなく、育てるのが困難な状況にある人々を支援する活動を続けているのです。

出典:Abandoned cat with suitcase of toys reveals heartbreaking note that changed everything rescuers thought


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