猫の「眉毛」って?

猫の眉毛は、正確には「触毛(しょくもう)」といい、いわゆる“ヒゲ”です。
一般的にヒゲというと、口元に生えている毛をイメージする方が多いかもしれません。しかし、猫の触毛が生える場所は、口元以外に頬やあごの下など、5種類あるといわれています。
このうち眉に生える毛は「眉上毛(びじょうもう)」「眼窩上毛(がんかじょうもう)」などと呼ばれています。
この眉毛は、目の上に5~6本ほど生えているのが一般的で、他の毛と同じように生え変わるといわれています。
眉毛が果たす重要な3つの役割

ここからは、猫の眉毛が持つ3つの役割について見ていきましょう。
1.障害物を避けるセンサー
眉毛の根元には、神経や血管が集中しています。そのため、わずかな空気の動きや物体との距離感を敏感にとらえることができます。
クモの巣や枝などが顔に当たりそうなときに回避したり、薄暗い中でも他の動物や障害物をすばやく察知したりと、まるでセンサーのような働きをしています。
2.バランス感覚を保つ
猫は、高い棚からジャンプしたり、細い手すりの上をスルスルと歩いたり、驚くほどのバランス感覚を持っています。
視覚や聴覚に加え、触毛でとらえた周囲との距離感や、微妙な振動といった情報を総合的に処理することで、こうした猫特有の動きができると考えられています。
3.外的な刺激から目を守る
人間の眉毛が、汗やほこりなどから目を守る“ひさし”のようなものであるのと同様に、猫の眉毛にも目を保護するという役目もあります。
ごみや虫などが眉毛にあたると、反射的に目を細めたり閉じたりして眼球を保護します。猫は人間よりも近くのものが見えにくいと言われていますので、障害物や危険なものから目を守るための大事な役割の一つといえるでしょう。
眉毛が抜ける原因は?抜けたらどうなる?

さまざまな場面で重要な仕事をしてくれている猫の眉毛ですが、以下のように抜けたりなくなったりすることがあります。
- 他の毛と同じように自然に生え変わる
- けんかをしたり家具などに引っかかったりして抜ける、折れる
- ストレスや内臓・皮膚の病気で抜け落ちる
- 加齢によって毛の成長が鈍くなって生えにくくなる
では、眉毛がなくなってしまった場合はどうなってしまうのでしょうか。
まず考えられるのが、空間把握能力の低下です。眉毛は、いわば猫の“センサー”。なくなると、障害物との距離感やジャンプする高さなどを正確に把握しにくくなり、衝突や落下の危険性が高まります。
次に、ストレスや不安を感じやすくなる恐れもあります。猫は眉毛を含む触毛をフルに活用しながら、あらゆる情報を集めて行動しています。
もし触毛がなくなってしまうと、物にぶつかったり、他の動物とのけんかに発展してしまったりして、ストレスや不安を増長させてしまうリスクがあります。
まとめ

猫の目の上にピョコンと生えているかわいい眉毛。その小さな毛が、猫にとってなくてはならない大切な感覚器官であることがご理解いただけたでしょうか。
故意に抜いたり切ったりはもちろんご法度ですが、あまりにも頻繁に抜けたりするようであれば、病気や異変のサインかもしれません。注意深くチェックして、必要があればためらわずに動物病院を受診しましょう。
猫ならではの特徴を持つ「眉毛」。ぜひ一度じっくりと観察してみてくださいね!
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