猫の「性格を変える」6つの原因

1.年齢による変化
猫の性格は、ライフステージによって変化していくことがあります。
子猫期は、見るもの聞くものすべてが新鮮で、非常に活発で好奇心旺盛、そして遊びが大好きです。この時期は母猫や兄弟猫、そして飼い主との関わりの中で社会性を学び、甘えん坊な一面を強く見せます。
成猫期に入ると、体力も精神も成熟し、落ち着きが出てくる一方で、それぞれの猫固有の「性格」がはっきりと確立されます。遊び好きは継続しつつも、自分なりのペースや好みが明確になり、縄張り意識や独立心も芽生えてくるのです。
そして老猫期(シニア期)を迎えると、活動量は徐々に減少し、寝ている時間が増える傾向にあります。若い頃よりも一層甘えん坊になったり、逆に少し頑固になったり、あるいは環境の変化を嫌うようになることも。
視力や聴力といった感覚器の衰えや関節の痛みなどから、以前よりも臆病になったり、些細なことでイライラしやすくなったりする変化が見られることもあるようです。
2.環境の変化とストレス
猫は非常に繊細で、環境の変化に敏感な動物です。引っ越しや大規模な模様替え、新しい家具の導入、さらには子供や多頭飼いなど家族構成の変化は、猫にとって大きなストレス要因となり得ます。
また、近隣の工事による騒音、いつもと違うフードや普段と違う猫砂に替えるといった些細な変化も、猫の心に影響を与えることがあります。
これらのストレスは、猫を不安にさせたり、恐怖を感じさせたりし、その結果として性格が変わったように見える行動を引き起こすことがあるようです。
例えば、以前は社交的だった猫が隠れてばかりいたり、臆病になったり、逆に些細なことで威嚇するようになったり、あるいは食欲不振や粗相といった問題行動としてあらわれることも。
こうした変化は、猫が新しい環境や状況に適応しようと葛藤しているサインなので、家の中に安心できる場所をつくってあげるようにしましょう。
3.健康状態の変化
猫の性格が急に変わったように感じられる場合、体に何か不調を抱えている可能性があります。
例えば、関節炎や歯周病、あるいは内臓疾患などによる慢性的な痛みは、猫をイライラさせ、普段は温厚な猫でも触られるのを極端に嫌がったり、攻撃的な素振りを見せたりする原因となるのです。
また、甲状腺機能亢進症という病気にかかると、猫は異常に活動的になったり、食欲が増す一方で痩せてきたり、攻撃性が増したり、大きな声で鳴き続けたりといった行動の変化が見られます。
逆に高齢の猫では、認知機能障害によって、夜鳴きや徘徊、トイレの失敗、そして飼い主を認識できないなどの症状と共に、以前とは全く違う性格になったように見えることもあります。
その他、脳腫瘍やてんかんなどの神経系の病気も性格変化を引き起こすため、急な変化には注意が必要です。
4.不妊手術の影響
去勢・避妊手術は、猫の性ホルモンの分泌を大きく変化させ、結果として行動や性格に影響を与えることがあると言われています。特にオス猫の場合、テストステロンの減少により、発情期に見られる特有の攻撃性、スプレー行動(マーキング)、そしてメスを求めての脱走癖などが大幅に軽減されるようです。
これにより、全体的に性格が穏やかになり、飼い主に対してより甘えん坊になったり、遊び好きな面が強調されたりすることが多く報告されています。
メス猫の場合も同様に、エストロゲンの影響が少なくなることで、発情期の大きな鳴き声や落ち着きのなさ、特有の甘え方などがなくなり、精神的に安定して穏やかな性格になる傾向があります。
ただし、これらの変化は手術の時期や個体差も大きく、手術が直接的に猫の「個性」そのものを変えるというよりは、性ホルモンに起因する行動が変化することで、飼い主が「性格が変わった」と感じる側面が大きいと言えます。
5.トラウマや過去の経験
猫が過去に経験した出来事、特にネガティブな体験は、その後の性格に深い影響を与えることがあります。
例えば、人による虐待や育児放棄、交通事故、あるいは他の動物からの激しい攻撃といったトラウマ体験は、猫の心に大きな傷を残します。
その結果、特定の人、物(棒状のものなど)、あるいは状況(大きな音、狭い場所など)に対して過剰な恐怖心や警戒心を抱くようになり、それが性格の一部として定着してしまうことがあります。
保護猫の場合、以前の飼育環境や野良生活での経験が不明なことも多く、新しい家庭に迎えてもすぐには心を開かず、臆病で引っ込み思案に見えることがあります。
しかし、安全な環境で愛情深く時間をかけて接することで、徐々に本来の穏やかさや好奇心旺盛な一面を見せてくれるようになることも少なくありません。このような猫には、特に忍耐強いケアと理解が必要です。
6.飼い主との関係性やコミュニケーションの変化
猫の性格や行動は、日々接している飼い主との関係性やコミュニケーションで大きく左右されます。
例えば、飼い主が新しい仕事で忙しくなり、以前のように猫と遊ぶ時間やスキンシップの時間が減ってしまうと、猫は愛情不足を感じて不安になり、気を引くために問題行動を起こしたり、逆に元気がなくなり引きこもりがちになったりすることがあります。
また、家族に赤ちゃんが生まれたり、新しいペットを迎えたりした場合、飼い主の関心がそちらに移りがちになることも、猫にとっては大きなストレスとなり、嫉妬心から攻撃的になったり、わざと粗相をしたりといった行動変化が見られることもあります。
飼い主自身の精神状態、例えばイライラやストレスも猫に伝染し、猫を神経質にさせてしまうことがあります。
猫は飼い主の愛情や関心を敏感に感じ取るため、安定した関係性と適切なコミュニケーションを維持することが、猫の精神的な安定と穏やかさを育む上で非常に大切なのです。
猫の「性格が変わった」と感じた時にできることとは

まずは様子をじっくり観察
愛猫の行動や態度の変化に気づいたら、まずは慌てずに「いつから」「どんな状況で」「どのように変わったのか」を注意深く観察し、記録しましょう。
食事量、睡眠時間、遊び方、鳴き声、他の人や動物への接し方など、具体的な変化を把握することが、原因を探るための最初のステップとなります。
健康チェック優先
猫の性格や行動の急な変化は、何らかの病気や体調不良が原因である可能性も考えられます。特に元気消失や食欲不振などを伴う場合は、自己判断せずに、まずは動物病院を受診し獣医師に相談しましょう。
普段の様子を詳しく伝えることで、より的確な診断につながります。
環境の見直し
猫が安心して過ごせる環境が整っているか、改めて確認してみましょう。引っ越しや模様替え、新しい家族やペットの加入、騒音、トイレが不衛生など、猫にとってストレスとなる要因がないかチェックし、必要であれば改善します。
安心できる隠れ家や休息場所の提供も大切です。
猫のペースの尊重
性格が変わったと感じる猫に対して、過度に干渉したり、無理に以前のような行動を求めたりするのは避けましょう。
猫が新しい状況や自身の変化に慣れるまで、焦らずに猫自身のペースを尊重し、優しく見守ることが大切です。安心感を与え、猫から歩み寄ってくるのを待ちましょう。
ポジティブな変化も受け入れる
性格の変化は、必ずしもネガティブなものだけではありません。例えば、年齢を重ねて落ち着きが出たり、以前よりも甘えん坊になったりすることもあります。
そうした変化も愛猫の個性の一部として温かく受け止め、新たな一面として愛しみながら、その時々の関係性を大切に育んでいきましょう。
まとめ

愛猫の「性格が変わった」と感じた時、まずは体に不調がないかの確認をするようにしましょう。急に態度が変わるようであれば、異変を抱えている可能性が高いです。
年齢による変化は避けられないので、少しでも快適に過ごしてもらえるように、環境の見直しをするようにしてください。
どのように性格が変化したとしても、大切な愛猫であることに変わりはありません。愛猫が安心して日々を過ごせるように、毎日のコミュニケーションを大事にしていきましょうね。
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