猫が「猫パンチ」をしてくるときの5つのホンネ

1.遊び・誘い
飼い主がリラックスしている時や何か他のことをしている時に、猫が前足で軽く「ちょいちょい」と触れてくるのは、典型的な「遊んでほしい」のサインです。
この時の猫は「ねえ、こっちを見て!」「一緒に楽しいことしようよ!」という期待感でいっぱいです。パンチはソフトで、爪は出さずに肉球で優しく触れる程度。時には、お気に入りのおもちゃを目の前に持ってきて、パンチでアピールすることもあります。
目はキラキラと輝き、楽しそうな表情をしていることが多いでしょう。これは、飼い主への親愛の情と、コミュニケーションを取りたいという積極的な気持ちの表れです。
2.拒絶・警告
猫が「もうやめてほしい」と感じた時、軽い猫パンチでその意思を伝えることがあります。例えば、しつこく撫ですぎたり、猫が嫌がる場所を触られたりした時に、「パシッ」と制止するようなパンチを繰り出します。
この時の猫の気持ちは「これ以上は不快だ」「そっとしておいて」という警告です。爪は出していないことが多いですが、パンチはやや速く、イカ耳になったり、しっぽを素早く振ったりするなど、不快感を示す他のサインも同時に見られることがあります。
エスカレートする前に気づいてほしいという、比較的穏やかな意思表示です。
3.興味・確認
見慣れない物や動くものに対して、猫は「これは何?安全かな?」という好奇心と少しの警戒心から、おそるおそる猫パンチをすることがあります。
床に落ちている小さなゴミや虫、新しいおもちゃなどに対して、前足をそっと伸ばし、「ちょんちょん」と軽く触れて対象物の正体を探ろうとします。このパンチは非常にソフトで、爪は出さず、対象物との距離を測りながら慎重に行われます。
パンチの後、すぐに身を引いて様子をうかがったり、ニオイを嗅いだりする行動が続くことも多く、猫の探究心の一端と言えるでしょう。
4.威嚇・防御
猫が強い恐怖や縄張り意識を感じた時、相手を追い払うために本気の猫パンチを繰り出すことがあります。
例えば、知らない猫や犬が近づいてきた時、あるいは動物病院などで追い詰められたと感じた時などです。この時の猫は「あっちへ行け!」「近づいたら容赦しないぞ!」という強い敵意や自己防衛の気持ちでいっぱいです。
パンチは非常に速く、鋭く、明確に爪を立てて攻撃しようとします。「シャー」や「フーッ」という威嚇音を伴い、全身の毛を逆立て、耳を伏せるなど、全身で怒りや恐怖を表現しているのが特徴です。
5.狩猟本能
猫じゃらしやレーザーポインターの光、部屋に入ってきた虫など、動くものに対して猫が見せるパンチは、狩猟本能によるものです。
「絶対に捕まえたい」という狩りの衝動に駆られ、獲物に見立てた対象に素早く正確なパンチを繰り出します。
この時のパンチは、爪を立てて獲物を引っ掛けたり、押さえつけたりする意図があり、時にはパンチだけでなく、噛みつきや後ろ足でキックをすることもあります。
遊びの中であっても、猫は真剣に狩りのシミュレーションを楽しんでおり、その集中力と俊敏さには目を見張るものがありますね。
「猫パンチ」された時の正しい対応は?

猫パンチは、猫からの何らかのコミュニケーションのサインです。まずは慌てず、猫の様子を観察し、その意図を汲み取るようにしましょう。
猫のサインを読み取る
パンチの強さ、爪の有無、表情(目、耳、ヒゲ)、しっぽの動き、鳴き声などを観察し、猫が何を伝えたいのか(遊びたい、やめてほしい、怖いなど)を理解しようと努めましょう。
冷静に対応する
大声を出したり、叩いたりして叱るのは避けましょう。猫を余計に興奮させたり、怖がらせたりして、関係が悪化する可能性があります。
遊びの誘いと判断した場合
爪が出ていない軽いパンチで、楽しそうな様子であれば、おもちゃを使って安全に遊んであげましょう。手や足で直接遊ぶと、噛み癖や引っ掻き癖がつくことがあるため注意が必要です。
「やめてほしい」という意思表示の場合
撫でている最中や、猫が嫌がることをしている時にパンチされたら、それは拒絶のサインです。すぐにその行動を中止し、そっとしておきましょう。猫の気持ちを尊重することが信頼関係につながります。
恐怖や威嚇による本気のパンチの場合
「シャー」という声と共に爪を立てて攻撃してきたら、無理に近づいたり押さえつけたりせず、まずは静かに距離を取り、猫が落ち着くのを待ちましょう。
身の安全を確保することが最優先です。原因がわからず攻撃性が続く場合は、獣医師に相談することも検討してください。
怪我の予防も大切
日頃から猫の爪を適切に切っておくことで、万が一パンチされた時の怪我のリスクを減らすことができます。
猫パンチの意味を理解し、それぞれの状況に応じた適切な対応を心がけることで、猫とのより良い関係を築いていきましょう。
まとめ

猫と暮らしていると、さまざまな場面で「猫パンチ」を繰り出している姿を見るのではないでしょうか。
猫パンチにはさまざまな理由があるので、私たちはまずどのような理由で愛猫が猫パンチをしているのかを見極めるようにしましょう。
誤って怪我をしてしまわないように、日頃から爪切りなどのケアを怠らないようにしてくださいね。
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