増え続ける猫の飼育数

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このたび2025年版「世界の猫レポート」第1弾がHill's Pet Nutrition社によって発表されました。
世界の猫の人口動態、猫用フードの進歩、新しい猫の治療法や診断検査、獣医療費の影響などに関する分析を28ページの冊子にまとめたものです。米国獣医師会(AVMA)は、猫のための獣医療のニーズが高まっている昨今、タイムリーな報告だと評価しています。
それによると、過去数10年間で世界の猫の飼育数は着実に増えてきており、米国では猫を飼っている世帯数が1996年の2700万世帯から2024年には4230万世帯へと増加しました。中国では推定5300万匹の猫が飼われていますが、人口比で見て世界でもっとも猫を飼っている国はロシアで、約2300万匹(人口の59%)です。
一方で飼育数でみるとアメリカがもっとも多く、約7400万匹に上ります。現在アメリカでは3分の1の世帯が猫を飼っていますが、飼育数が多いわりには猫のための医療は充実しておらず、犬の研究に比べて遅れをとっています。
猫の特性にあった医療の充実を

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ニューヨーク・タイムズによると、以前は獣医が猫を「犬の小型版」として扱い、犬用につくられた検査や治療法を猫にも用いるのが一般的でした。獣医養成学校の学生でさえ、犬の標準モデルに基づいた訓練だけを受けてきたのです。
しかし猫は犬とは異なる薬物へ反応し、一部の薬物は猫に毒性作用まで及ぼします。例えばアスピリンやアセトアミノフェンなどの薬剤は、犬よりも猫の方がゆっくりと体内から排出されます。一方、主に酸化によって代謝されるピロキシカムは、猫の方が早く排出されます。
「最近になって猫の医学研究は少しずつ進歩しているものの、依然としてマイナーな分野だと考えられています」と話すのは、ミシガン州立大学獣医学部のKaren Lisette Perry教授です。
ミネソタ大学獣医学部のSandra Koch教授も、猫の皮膚疾患の治療法は犬のそれに比べて限られていると話しています。
「猫のアトピー性皮膚症候群の研究は、犬に比べて非常に遅れています。この病気を十分に理解していなければ、治療はより困難になるのではないでしょうか」と彼女。
猫たちの健康な生活をめざして

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「猫の飼育数が増えるにつれ、猫に特化した獣医療のニーズも高まっています」と話すのは、Hill's社の地域営業ディレクターDavid Quinterさんです。
「今回のレポートが示すのは、増え続ける猫のための医療需要に対応して、猫に特化した情報や資源を拡充していく必要があるということです」(Davidさん)
同レポートによると、毎年飼い猫を獣医師の診察に連れて行く人はわずか40%です。一方、犬は82%が毎年獣医師のチェックを受けています。これはいやがる猫を獣医に連れて行くストレスの大きさのためではないかと考えられます。
猫に多いのは胃腸病、歯科疾患、尿路疾患、上気道疾患、肥満、腎臓病、行動上の問題です。感染症で多いのは猫免疫不全ウイルスと猫白血病ウイルスになっています。
今後こうした猫特有の病気の治療についてより研究が進み、猫たちが長く健康に暮らせるようになることを期待したいですね。
出典:New global cat report released as feline medicine continues to lag behind its canine counterpart
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