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猫によくある4つの生理現象の『普通と異常の見分け方』吐く、よく寝る…本当に大丈夫?


猫は嘔吐、睡眠、脱毛、くしゃみなどさまざまな生理現象がありますが、これらが異常を示す場合があります。例えば、月に2回以上の嘔吐や病気の可能性がある場合は動物病院の受診が必要です。猫の毛が春と秋に多く抜けることは正常ですが、皮膚が見えるほどの脱毛は病気の兆候かもしれません。また、急に睡眠時間が長くなることや頻繁なくしゃみは病気のサインです。特に高齢の猫は通常より長く眠りがちですが、異常を見逃さずに受診することが大切です。猫の健康は飼い主の観察力が鍵となりますので、違和感を感じたら動物病院を訪れるようにしましょう。

︎1.吐く

吐く猫

猫は比較的吐く頻度が高いことから、いつものことと思い放っておいてしまう飼い主さんも少なくありません。しかし、通常は嘔吐の頻度は月に一回ほどで、猫の毛の長さなどにもよりますが、グルーミングによって飲み込んでしまった毛玉を吐き出す程度です。

月に2回以上嘔吐がある場合や、吐いたものが毛玉でない場合、連日嘔吐している場合には何かしらの原因があると考えられます。

嘔吐の原因として多いものは、早食い、空腹の時間が長い、ご飯が合わない、病気などの理由があります。

早食いが原因の場合

未消化のフードが食後すぐに、そのままの形で出てくるのが特徴です。吐いた後にはいつもの元気があり、食欲も落ちません。

この場合には、早食い防止用のお皿に変えたり、ご飯の一回量を減らして回数を増やしたり、消化の良いウェットフードに変えたりすることで改善が見られることが多いです。

空腹の時間が長いことが嘔吐の原因の場合

食前に黄色い液体を吐くのが特徴です。この液体は胆汁と言い、空腹時間が長いことで、十二指腸に分泌された胆汁が胃内に逆流し、それが刺激になり嘔吐が引き起こされてしまいます。吐いた後は食欲があり、いつもの元気があります。

この場合には、吐く時間帯の前に少量のご飯を与える、食事時間を変更するなど、空腹時間を減らすと改善が見られることが多いです。

ご飯が合わないことが嘔吐の原因の場合

フード変更などのきっかけがあることが特徴です。この場合には、元のフードに戻すことで改善が見られることが多いですが、食欲低下や下痢、元気消失など、他の症状もある場合には動物病院で治療を受けましょう。

病気が原因の場合

1日に何度も吐いたり、連日吐いたりすることが特徴です。また元気消失、食欲低下、下痢、多飲など他の症状を伴うこともあります。

猫は病気のサインとして嘔吐が起こりやすい動物です。このような様子が見られた時には、すぐに動物病院を受診して治療・検査を受けましょう。

︎2.よく寝る

寝る猫

猫は1日の半分を寝て過ごすと言われるほど、とてもよく寝る動物です。しかし、人と同じで体調が悪い時にも睡眠時間が長くなることがあります。

この場合、ある日をきっかけにいつもよりも急に睡眠時間が長くなる事が特徴です。また、うずくまって寝ている、寝ている時の呼吸が早い、ぐったりしているなどの様子が見られることもあります。

ですが高齢の猫の場合には、正常な反応として年齢とともに睡眠時間が長くなることがあり、病気が原因の場合との鑑別はとても難しいです。

高齢だからと思いがちですが、急に睡眠時間が増えた場合には、念のため動物病院を受診して検査を受けることをオススメします。

︎3.毛が抜ける

ブラシされる猫

猫は春と秋に換毛期があり、その時期に毛が多く抜けます。毛が抜けること自体は正常ですが、皮膚が見えてしまうようような脱毛は注意が必要です。

脱毛の原因としては、感染症、皮膚炎、腫瘍、アレルギー、アトピー、ホルモンの病気、ストレスなどがあります。

脱毛が体の一部分だけに起こった場合、原因として皮膚炎や皮膚腫瘍が考えられます。皮膚の腫瘍の場合には、その部分に腫瘍の膨らみが見られるため、脱毛部分を触って確かめましょう。皮膚炎、腫瘍いずれの場合でも動物病院で検査が必要です。

また、脱毛が全身に見られる場合には、ホルモンの病気やアレルギー、ストレスが原因と考えられます。

猫はストレスが原因で体をしきりに舐めて脱毛してしまうこともありますが、病気との鑑別は見た目ではとても難しいです。

脱毛が見られた時には動物病院を受診し、皮膚や血液の検査をして、他の病気が除外された場合にはストレス対策を行うようにしましょう。

︎4.くしゃみ

くしゃみする猫

くしゃみは鼻に病原菌やホコリが入った時や強い匂いを嗅いだ時に、その刺激から体を守るために起こる生理現象です。しかし、人と同じで風邪やアレルギーが原因のこともあります。その場合、くしゃみを連発したり、連日くしゃみをしたりすることが特徴です。

さらに、大量の鼻水、色のついた鼻水、鼻血、鼻詰まり、涙、色のついた目ヤニ、発熱、食欲低下など他の症状が伴うこともあります。

また、稀に鼻の腫瘍が原因でくしゃみが出ることもあり、鼻血や鼻の腫れ、元気消失、食欲低下などが見られる場合には注意が必要です。

腫瘍の場合、特に早期発見、治療が大切になるため、たかがくしゃみと思わずに、動物病院を受診して必要な検査や治療を受けるようにしましょう。

︎まとめ

聴診される猫

生理現象と病気との鑑別は見た目だけでは判断が難しいことが多く、体調の変化を放置してしまいがちです。

そこで重要になってくるのがいつも猫と過ごしている飼い主さんの観察力です。

よくあることと思っても、猫をよく観察し、頻度や様子がいつもと違う場合には動物病院を受診するようにしましょう。


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