1.飼い主へのお知らせ

猫は、トイレにまつわる何かをお知らせするために鳴くことがあります。中でも多いのが、トイレへの不満です。トイレの中に前のうんちが残っている、そもそも設置場所が気に入らないなど、ウンチ出来る環境ではないと訴えているといわけです。
トイレに行くまでの道のりに問題があるケースもあります。トイレまでの扉が開いていない、道中に気になる何かがあるなど、飼い主さんに解決してほしいものがあるのかもしれません。
また、ウンチをすることそのものをお知らせしてくれる猫もいます。ウンチ前であれば「トイレ行ってくるね」、ウンチ後であれば「ちゃんとできたよ!」など…。普段から飼い主さんと密にコミュニケーションを取っている猫は、とくにその傾向があるでしょう。
2.トイレハイ

猫の不思議な習性の中に、「トイレハイ」というものがあります。これは、ウンチをしたあと急に走り回ったり激しく鳴いたりするというもの。ウンチをした爽快感があるのでしょうが、なぜこのような習性があるのかは解明されていません。
基本的には、ウンチのたびに行うというのがトイレハイの特徴です。毎回やっているなら癖のようなものなので、具合が悪いのかな…と心配する必要はないでしょう。すぐに落ち着くことがほとんどなので、温かく見守ってあげてください。
一方、ウンチの前にトイレハイのような行動をしているときには、気合いを入れているという可能性があります。「出すぞ~!」といった具合でしょう。突然このような行動を取り始めたときは、便秘気味になっているケースもあるので、ウンチの様子をしっかり観察してみるのがおすすめです。
3.子猫の頃の名残

ウンチの後に甘えたような声で鳴くのは、子猫時代の名残かもしれません。というのも、子猫の頃には母猫に向けてウンチが出たことをお知らせするからです。子猫に呼ばれた母猫は、子猫のおしりを舐めて拭いてあげるのです。
これは子猫特有の習性ではなく、成猫になってからも続くことがあります。トイレハイと同じように癖のようなものなので、過度に心配する必要はないでしょう。
4.痛みのサイン

今まではそんなことなかったのに、突然ウンチの前後に鳴くようになった…。そんなときには、何らかの病気が隠れている可能性があります。例えば、便秘。猫はもともと水分をあまり摂らないため、ウンチが硬くなって詰まってしまうことがあるのです。排泄時に痛みや苦しさを伴うため、大きな声で鳴いていると考えられます。
猫が便秘になる要因はさまざまですが、中には精神的なストレスが関係していることも。引っ越しや家族構成の変化があったり、トイレが汚くて使えなかったりすると、大きなストレスになってしまいます。ウンチを我慢してしまうこともありますので、環境に変化があったときは気を付けて見てあげてください。
また、毛づくろいによって飲み込んだ毛玉や、誤飲したものがお腹の中につまっているケースもあります。腸や肛門にダメージを与える可能性があるため、早めに動物病院へ連れて行きましょう。
便秘が長期間続くと、「巨大結腸症」を患うことがあります。腸の蠕動運動が鈍くなり、結腸が大きくなってしまうというものです。重症の場合は外科手術が必要になることもあるため、猫がウンチのときに鳴くようになったときは、ウンチの状態をこまめにチェックするようにしてみてください。
まとめ

猫がウンチ前後に鳴く理由は、習性であったり、病気であったりとさまざまです。その違いを見極めるのは簡単ではありませんが、「排泄中の異変」や「ウンチの状態」はひとつの目安になります。普段の様子をしっかり観察することで、病気のサインに気が付きやすくなるでしょう。
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