猫が『爪を噛んだり引っ張ったり』する理由
愛猫の行動を観察していると、時々爪を噛んだり引っ張ったりしていることはありませんか?
あまりに頻繁になると心配になりますよね。これはやめさせるべきなのでしょうか。ということで、ここでは気になるこの行動を引き起こす理由について詳しく解説いたします。
1.グルーミングをしている
猫は非常にきれい好きな動物です。体中を毛繕いする際に、爪も整えたくなるのは猫の本能といえるでしょう。
また、爪は狩りをするために欠かせない重要なパーツです。爪の間に挟まったゴミを取り除きたい、においを消したいといった理由もあり、グルーミングの一環として爪を噛むことがあります。こうした行動は、猫の習性のひとつと考えて問題ありません。
もし毛繕いの中で自然に爪を噛み、すぐにやめるようであれば、無理に止める必要はありません。さりげなく見守りながら、どのくらいの頻度で噛んだり引っ張ったりしているかを観察しておきましょう。
2.何となく違和感がある
毛繕いとは別に猫が爪に特に執着しているようであれば、さらに詳しく観察してみましょう。
爪が伸びすぎていたり、古い角質が剥がれかけている、いわゆる「脱皮状態」になっていたりすることがあります。この場合、通常は爪とぎをすることで古い角質がポロッと剥がれ、下から新しい爪が生えてくるため心配はいりません。
ただし、爪が極端に伸びていたり、外側の皮が上手くむけず古い爪が残っていたりする場合には肉球に刺さってしまったり、違和感を感じる場合があるため注意が必要です。
伸びすぎた爪は怪我や爪割れのリスクが高まります。飼い主さんが定期的に爪を切るのが望ましいですが、難しい場合は動物病院やペットサロンに依頼して安全に切ってもらいましょう。
また、シニア猫では爪とぎの頻度が減るため、脱皮がうまくいかず爪が重なって分厚くなることがあります。最悪の場合、爪が肉球に刺さる恐れがあるため、重なり方が不自然な場合はすぐに動物病院で診てもらいましょう。
3.ストレスを抱えている
猫にはほとんどの場合、自分を落ち着かせるためのルーティン行動がありますが、中にはひたすら爪を噛んだり引っ張ったりする子もいます。
これが一時的なストレスによるものであれば大きな問題はありませんが、同じ行動を繰り返す「常同行動」の場合だと厄介です。このような行動が続くと、爪がボロボロになってしまう可能性もあります。
しかし、無理にやめさせようとするのは避けましょう。爪を噛めないことで逆にストレスが増し、さらに噛む頻度が増えてしまう「負の連鎖」が起こる可能性があるためです。
また、やめさせようとすることで猫が怒ってしまうこともあり、良い対策とは言えません。
まずは動物病院で相談し、根本的なストレスの原因を探りながら改善策を見つけることをお勧めします。
生活環境の見直しや飼い主さんの接し方を見直す必要がある場合もあります。
もし寂しさや不安が原因であれば、安心して過ごせる環境を整え、飼い主さんも積極的に声をかけるなどして、猫が安心できるサポートをしてあげましょう。
まとめ
人間が爪を噛むクセを持つことがあるように、猫も同じような行動を取ることがあります。その理由には、いくつかのパターンが考えられます。
まず、グルーミングの一環として行っている場合は、明らかな異常がなければ見守るだけで問題ありません。
一方で、爪に違和感を覚えている場合や、ストレスが原因となっている場合には注意が必要です。爪が損傷していることも考えられるため、念のため獣医師に相談するのが安心です。
ストレスが原因と考えられる場合には、その要因についてもよく考え、取り除く努力をしてあげるましょう。
そして、猫の「爪を噛んだり引っ張ったりする行動」を無理にやめさせるべきかについてです。強制的にやめさせるのは逆効果になることが多いため、避けるべきといえます。
その行動が起こった原因を見つけ、その行動によって健康面で問題が起こらないような爪のケアをしてあげることも必要です。
もしも寂しさが原因である場合は、「ちゃんと見ているよ」「大切に思っているよ」といった気持ちが伝わるように声をかけ、猫が安心できる環境を整えることで、自然と爪をいじる行動から離れられるようサポートしてあげましょう。
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