1.被毛や口内の状態が悪くなる
猫が歳を取ると、見た目が徐々に変わってきます。最も分かりやすいのは被毛の変化でしょう。若いころに比べるとボサボサの毛並みになり、毛艶がなくなります。毛玉ができやすくなる個体もいます。
その理由は主に、加齢によって毛づくろいをする習慣がなくなってくることです。加齢により関節の変形などにより痛みや違和感を感じるケースが多いです。
そのため毛づくろいがしづらくなるのです。体内の水分量が減って、毛艶がなくなることもあります。
また、人間と同じように歯にも変化が見られます。歯周病・口内炎などが原因で歯が抜けたり、口臭が気になったりすることがあります。口内トラブルのために、食欲がなくなる・ドライフードを食べなくなるなどの変化を見せる猫もいます。
2.寝る時間が増える
猫は歳を取ると寝る時間が増えます。「お迎えをしてくれない」「ご飯とトイレ以外はずっと寝ている…」ということはないでしょうか。成猫の1日の平均睡眠時間は約14時間ですが、老化すると20時間以上寝ていることさえあります。
これは、加齢によって体力が衰えていることが原因です。余計な体力を使わないように、たくさん寝てエネルギーを節約しているというわけです。また耳が聞こえにくいため遊ぶことが減り、結果的に寝る時間が増えるという理由もあります。
中には、昼間はずっと寝ているのに夜中に大きな声で鳴くようになったというケースもあるでしょう。この場合は、認知症の症状の一つである可能性があります。
また体調不良で寝る時間が増えている場合もあるので、単なる老化と決めつけず、一度獣医師に見てもらうことをおすすめします。
3.排泄異常の増加
排泄の失敗が増えるのも、猫の老化のサインです。若いころは問題なかったのに、歳を取ってから急に失敗してしまうようになる場合があります。トイレ以外の場所での排泄が増えたら、老化を疑ってみてください。
排泄を失敗する原因は、糖尿病や腎不全、認知機能障害などさまざまです。
尿量の増加によりトイレへ行く頻度が増えることや加齢により筋肉が弱くなるだけでもトイレの段差を上がれなかったり、トイレまでたどり着けずに漏らしてしまうということもあります。
我慢ができずに失敗してしまっている場合もあるため、失敗が増えたと感じたらかかりつけの獣医師に相談してみても良いでしょう。
シニアになったらしてあげたい対策
ブラッシングや歯磨きを念入りにする
自分で毛づくろいをできない老猫には、飼い主さんがこまめにブラッシングをしてあげるといいでしょう。健やかな皮膚や被毛をキープすることは、衛生面でもメリットがあります。
また若いころから歯磨きの習慣をつけておくと、口内トラブルの予防につながります。これらのケアの中で体の異常に気付けることもあるので、健康チェックを兼ねて定期的に行うのがおすすめです。
寝る場所やトイレなどを再チェック
寝る時間が増えた老猫には、寝床を整えてあげることが大切です。老猫にとっては、居心地のいい場所に移動することも負担になります。床ずれを起こしにくいフワフワのベッドを用意したり、気温に合わせて寝床の場所を変えたり、工夫してみてください。
またトイレは複数あった方が排泄の失敗を防げます。筋力が低下した老猫でも楽に入れるよう、縁の浅いトイレにしてあげましょう。
まとめ
紹介した老化の兆候の他にも、以下のような変化が見られるケースもあります。
- 目ヤニが増える
- 爪とぎしなくなる
- 飲水量が増える
- 食べ物の好き嫌いが変わる
老化が始まる年齢は体質や生活環境などで変わるため、個体差があります。基本的に12歳頃までは外見の変化はあまり見られないため、「うちの猫は大丈夫」と安心してしまうかもしれません。
しかし体内では確実に加齢による変化が始まっており、放置すると取り返しのつかないことになる場合もあります。日頃から見た目や行動をよく観察し、なるべく早く老化に気が付けるようにしましょう。
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