16年間、職員にかわいがられた猫
白黒猫Defib(17歳)は、2008年からずっとロンドンのウォルサムストー救急車搬送センターで暮らしています。職員がボランティアで世話をし、餌代やグルーミング代を出し合ってかわいがってきました。
ところが2024年、センターを運営するロンドン救急サービス (LAS)は、この猫に里親を探して移送すると発表しました。
「この猫は年をとるにつれて反応が鈍くなり、出動する救急車にひかれそうになったことが何度かありました。加えて重度のアレルギーを持つ救急隊員がおり、休憩中に施設を利用することができません」というのが理由です。
反対の請願書には多くの署名が
これを知った人々は、ウェブ上で反対の請願書を作成し、2日間で39,837人もの署名を集めました。
「老猫を里親に出すなんて残酷で正当化できません。最近は事業所内でセラピー動物を取り入れるところが増えているのに、その流れにも反します。この猫が、慣れ親しんだ場所でゆったり余生を過ごせるようご協力ください」
地元選出のStella Creasy議員も「Defibには何も過失がないのに、立ち退きを迫られているのです。16年間ここで幸せに暮らしてきて、ストレスの多い仕事に従事する職員を精神的に助けてきたことを考えると、とても容認できません」と話し、保健大臣が介入してLASの決定を変更させるよう求めています。
人々の反発を受け、決定が撤回される
こうした強い反発を受け、2024年10月半ばにLASの最高責任者はDefibをそのままセンターにとどまらせることを決めました。
Daniel Elkeles最高責任者は次のように話しています。
「猫のDefibに関するみなさまのご意見を素直にうかがいました。経営陣は、この猫にとっても職員にとっても最善の意思決定をしようと努力していたのは確かです。でも一般の方や多くの職員の意見にもっと耳を傾けることとし、Defibが今後もセンターに残ることに同意しました。この猫はセンター職員にとても愛されているだけでなく、明らかに広く一般の人々の心もつかんでいるようですね」
Defibはこれからもセンターで過ごします。みんなに愛されて、おだやかで幸せな老後を送ることでしょう。
出典:
・Campaigners save 'much-loved' elderly cat who called ambulance station home from eviction
・Protest as Defib the cat faces eviction from London ambulance station after 16 years
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