1.くつろいで食べたいから
食べる行為は排泄行為と一緒で無防備になり、敵に襲われやすい瞬間です。野生時代の記憶がいまだに残っているため猫は特に、食事中の安心と安全の確保を最優先します。
もし愛猫が隠れてごはんを食べるなら食事環境が不十分なせいかもしれません。すぐそばで飼い主さんが派手に動いたり、テレビの音がやけにうるさかったり、見知らぬ客人が訪れていたり、不快な状況に直面すると、猫はお気に入りのスペースに避難します。
猫にとってごはんタイムは幸せのひとときです。誰にも邪魔して欲しくありません。くつろいでごはんを食べてもらうにはまず、「食事処」の位置を見直すことが先決です。
人の出入りが激しい生活導線上や猫トイレの近く、騒々しい場所などは避けてください。愛猫が落ち着けるかつ飼い主さんの目の届く範囲が理想的です。
2.飼い主さんをあまり信用していない
前項の内容とも重なりますが、飼い主さんと信頼関係を十分に築けていない場合も、猫は隠れて食事します。特に顕著なのは迎え入れたばかりの猫です。
猫は環境とワンセットの動物で、ちょっとした異変でも敏感に察知します。不安な状況下では、自分を守るのに必死で警戒心をむき出しにしがちです。特に外の生活が長かった子は、その傾向が強いかもしれません。
猫が隠れてごはんを食べるのは、まだ完全に「うちの子」になっていない証拠です。ごはんにありつけるかどうか、仮にありつけたとしても誰かに奪われないか、野外経験のある猫にはシビアな記憶が残っています。諸々のストレスを解消してあげるのが、飼い主さんの役割です。
安心できる食事スポットを用意するのはもちろん、飼い主さん自身の愛猫との関わり方も鍵を握ります。近づき過ぎず、離れ過ぎず、適度な距離感で接することを心がけましょう。ときには辛抱強く見守ることも必要です。
3.他の猫が気になってしょうがない
猫には犬のような明確な序列意識はないものの、力関係は確かに存在します。多頭飼いでよくあるケースは、力の弱い子が強い子にごはんを横取りされることです。
大人しい子の場合、食いしん坊な子に強引に割り込まれても、拒否することなく、あっさり譲ります。横取りされれば、栄養不足に陥りかねません。
それと同時に横取りした側も肥満になって病気を抱えてしまいます。ごはんの横取り問題は、双方にとって弊害です。
落ち着かない状況である以上、限られた自分のお気に入りテリトリーでこっそり食べるのは、いわば当然の選択と言えます。繰り返しになりますが猫にとって食事中は、安心と安全が大前提です。
対策としては、「ごはんの器を離す」「食事の時間帯をずらす」「仕切り板を設ける」「違う場所で食べさせる」などが効果的です。また、ごはんのときだけそれぞれのケージの中で食べてもらう作戦もあります。
ごはんの横取りは、される方もする方も問題を抱えがちです。お互いに楽しくごはんを食べてもらうために、愛猫たちに寄り添った対応を試みてください。
まとめ
猫の身体と健康は日々の食事によって支えられています。フードの質や種類だけでなく、ごはんを食べる際の快適な場所づくりも重要です。
今回の記事では、隠れて食べたがる猫の3つの背景を紹介しました。誰にも邪魔されず、落ち着いて食事に没頭できることが何よりも肝心です。
美味しそうにごはんを食べる愛猫の姿は、飼い主さんにとっても微笑ましい日常でしょう。隠れて食べがちな子のいる家庭では、もう一度ごはんまわりの環境を見直してみてください。
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