猫と他の動物の相性は大切
猫は多くの家庭で愛されているペットですが、他の動物と一緒に飼育する際には配慮が必要です。
猫は単独ハンターであり、縄張り意識が高い動物です。そのため、他の動物と共存させる場合には、それぞれの習性や性格を十分に理解し、適切な環境を整えることが重要となります。
もし何も知らずに猫と相性が悪い動物を飼育しようとすると、ストレスや事故の生じる可能性が高くなるでしょう。
これは猫や他の動物の健康や幸福に悪影響を及ぼすだけでなく、飼い主にとっても、動物同士のトラブルを管理することは大きな負担となります。
そのため猫とほかの動物の飼育を考えるなら、それぞれの動物の特徴や、猫との相性の良し悪しについて知っておかなければいけません。
猫と『相性の悪い動物』5選
1.小型げっ歯類(ハムスター、モルモットなど)
猫と小型げっ歯類の組み合わせは、トラブルが生じる可能性が高い組み合わせです。
その理由は、ハムスターやモルモットなどの小型げっ歯類は、猫にとって本能的な捕食対象となるからです。
猫は狩猟本能をもち、イエネコになってもその本能は消えません。たとえ遊びのつもりであっても、猫の爪や歯は小型げっ歯類にとって致命的な危険となります。
そのため猫が「食べる」まではしなくても、ケガをさせてしまったり、命を奪ってしまう恐れがあります。
また小型げっ歯類は臆病な性格なので、猫の存在自体がストレス要因となり、健康や寿命に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。
常に緊張状態にさらされることで、食欲不振や免疫力の低下といった問題が生じることもあるでしょう。
なかには小動物と仲良しの猫もいますが、基本的には「狩るもの」と「狩られるもの」という関係なので、一緒に飼うのはおすすめできません。
2.鳥類(インコ、文鳥など)
小動物同様、インコや文鳥などの小型の鳥は、猫にとって非常に魅力的な獲物です。
鳥の素早い動きや、羽ばたく音に強く反応し、襲いかかってしまうリスクは非常に高いといえるでしょう。
また神経質で繊細な生き物である鳥類は、常に捕食者の存在を感じることで、強いストレスを受けます。
このストレスは、鳥の健康状態を悪化させる原因にもなり、食欲不振・羽づくろいの減少・過度の鳴き声、さらには羽引きなどの自傷行為につながることも…。
そのため猫と小鳥を一緒に飼育する際は、部屋を分けたり、鳥かごが猫の目につかない場所に設置するなど対策が必要です。
3.爬虫類(トカゲ、カメなど)
猫と爬虫類の組み合わせは、一見すると問題が少ないように思えるかもしれません。しかし、実際にはいくつかの懸念ポイントがあります。
まずトカゲやカメなどの爬虫類も、残念ながら猫にとって興味深い存在であり、ときとして危険な状況を引き起こしかねません…。
猫は動く物体に強い興味を示すため、爬虫類の動きに反応して追いかけたり、パンチを繰り出したり、器用な猫なら爬虫類のケージを開けて強引にちょっかいを出します。
とくに、小型のトカゲなどは猫にとって格好の遊び相手や獲物に見えてしまうかもしれません。
さらに、爬虫類は特殊な環境を必要とする生き物です。
適切な温度、湿度、UVライトなどが不可欠ですが、猫がこれらの環境を乱す可能性があり、爬虫類の健康に深刻な影響を与える恐れもあります。
4.魚類(金魚・メダカなど)
猫と魚類の飼育には注意が必要です。猫は、水槽でヒラヒラ泳ぐ小魚にとても興味津々になります。
とくに小型の魚や、動きの早い魚は猫の興味を引きやすく、うっかり魚が水槽から飛び出してしまうことも。
もし猫が水槽に手を入れたり、魚が飛び出してしまったりすると、魚が負傷したり、最悪の場合は命を落とす危険があります。
そのため小魚と猫の組合せは避けるべきですが、どうしても飼育が必要な場合は、水槽はしっかりとしたフタを閉めるなどして、猫が魚に近づけないようにしましょう。
5.ウサギ
猫とウサギは性格が似ている動物ですが、同居させることには大きなリスクがあります。
まず猫とうさぎは「食う・食われるの関係」。ウサギは猫の獲物となりやすく、大きな事故のもとになりかねません。
さらにウサギは非常に繊細な生き物であり、猫の存在がもたらす緊張感や恐怖は、ウサギの健康状態にも影響を与えることがあります。
とくにウサギはストレスに敏感で、心拍数が上がったり、食欲が減退したりすることがあり、最悪の場合、重篤な病気につながることもあります。
猫とウサギの同居を希望する人は珍しくありませんが、ウサギを一緒に飼う場合は、猫が侵入できない安全な環境を整えることが不可欠です。
ウサギ専用のケージや部屋を用意し、猫との接触を避けるようにしましょう。
まとめ
単独ハンター動物である猫と他の動物との飼育は、迎え入れる前に慎重に考えなければいけません。
今回紹介した動物には、猫と相性が悪い、特有の習性や行動があります。
そのためそれらを理解し、相性の悪い組み合わせをなるべく避けて、飼育をするにしても猫やほかの動物のストレスを軽減できる「お互いのニーズ」が叶った飼育環境を用意してあげなければいけません。
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