1.爪とぎ問題
猫を飼っている家庭では、家具で一番気になるのが爪とぎ問題ではないでしょうか?壁や柱はもちろん、本棚やテーブルの脚まで、傷付くのを避けたい場所は家中にあります。
猫の爪とぎは、本能的な習慣のため、行為自体完全に止めることはできません。そのため、家具を守るには猫がバリバリ爪とぎしたいときに、あらかじめ用意した爪とぎを使ってもらうことが、家具への被害を最小限に抑えるポイントです。
- ひとつだけでなく部屋のあちこちに複数用意する
- 素材は段ボール製や麻ひもタイプがおすすめ
- 縦型や箱型、ソファ型などさまざまな形があるとベター
- できれば猫が立ち上がった高さにも用意する
- 爪とぎの危険がある場所は爪とぎ防止シートを
猫にとって爪とぎは、自己主張の行為にあたるため、さまざまな素材や形、場所に用意して、愛猫の爪とぎの満足度が高まるようにすると家具への被害も抑えられます。
また、すでに爪とぎされてしまったカーペットは猫のお気に入りになっているため、捨てずにそのまま爪とぎ用として使うことも、ほかの家具を傷めないコツのひとつです。
同時に、爪とぎによって猫自身がケガしないよう定期的な爪切りをしておくことも重要です。爪の先のほうを切っておくだけでも、家具への被害は軽減できます。
2.嘔吐問題
猫の吐き戻し問題は、家具の被害だけでなく、きれいに片づける必要もあり困っている飼い主さんも多いでしょう。多くの場合は、食事の内容や与え方、猫の生活習慣を管理することで、嘔吐の頻度を大幅に減らすことができます。
早食いで吐き戻してしまう猫には、食事を少量ずつ何回かに分けて与えたり、ウェットフードを併用したりするのも効果があります。毛玉の嘔吐は、毛玉対策専用のフードや定期的なブラッシングで軽減できるでしょう。
また、カーペットには、ペットシーツを用意しておき、猫がえずき始めたら、すぐに開けるように準備しておくと染み込みを防げます。
猫は体の構造上、吐きやすい動物ですが、頻繁な嘔吐は健康面でも心配があります。愛猫が頻繁に吐くときには、動物病院で相談するようにしてください。
3.マーキング行為
去勢・未避妊の猫の場合、マーキング行為がはじまってしまうと強烈なニオイで大惨事になりかねません。
マーキング行為から家具を守るには、まずは手術を検討することが重要です。去勢・避妊手術は、おおむね生後6ヵ月を過ぎたあたりから可能です。
ただし、猫によっては身体的問題で手術ができない場合もあります。その場合は、家具のほうを養生しましょう。
室内の見た目は悪くなりますが、腰の高さまでペットシーツを貼ってしまう方法が簡単です。汚れたらすぐに取り替えられるというメリットがあります。下地には、あらかじめ壁の保護シートをしておくと安心です。
また、猫用のフェロモン製品は、マーキングの軽減に有効とされています。猫は自分のニオイがする場所に再度マーキングする傾向があるため、お湯と酵素系洗剤を使って徹底的にニオイを除去する必要があります。きれいにふき取ったらフェロモン製剤を使用しておくとマーキングは軽減されるでしょう。
4.噛み癖
猫が家のなかの物をあれこれ噛んでしまうのは、子猫の歯の生えかわりや退屈などのストレスが原因です。根本的な原因が収まれば、噛むのをやめるケースもありますが、それまでに家具がボロボロになってしまう可能性も。
特に、電気コードなどを噛まれると感電する恐れがあるため、猫が噛めないようにすることが重要です。
猫の噛み癖から家具を守るには、家具の養生・隠ぺいと代わりに噛めるものがポイントです。
まず、噛まれると命にかかわる電気コードには、隠ぺい用のカバーを取り付け、壁に沿わせるか、使わないコードは外して保管するなど猫の目に触れないようにしましょう。
ソファなどの家具には、猫用の噛みつき防止スプレーなどを塗布して、自ら避けるように工夫しましょう。噛み切って飲み込んでしまうようなカバーの使用はおすすめできません。
飼い主さんが在宅のときには、十分な時間を取って遊ばせ、デンタルケア用のおもちゃなど猫が安全に噛めるものを用意することで、猫の噛み癖から家具を守りつつ、愛猫との良い関係を保つことができるでしょう。
5.不適切な排泄
猫がトイレ以外で排泄してしまうのには、病気やストレス、トイレへの不満、運動機能の低下などが考えられます。いずれにしても排泄物で部屋が汚れるのは、ちょっと抵抗があるものです。
不適切な排泄から家具を守るには、予防策と配慮が重要です。まず、トイレ環境を変更した場合には、できるだけ元の状態に戻すようにしましょう。砂は少しずつ変更していくのが基本です。
もちろん病気の気配はないか、排泄時の様子なども観察しておきましょう。異変が見られた場合は、動物病院を受診することをおすすめします。
度重なる粗相の場合、家具やその周囲には家屋用防水シートを敷いておくことで家具を汚れから守れます。防水シートは、豪雨対策などに使われているものがおすすめです。ビニールのように薄いので、家具の使用時にもめくりあげるだけでふだん通りに使えます。
特にソファやベッドなどは、介護用の防水シーツが良いでしょう。洗濯可能なものが多く実用的です。
まとめ
猫との生活では、家具への被害は避けられない問題かもしれませんが、やはり汚れたり傷ついたりするものは、すこしでも防ぎたいものです。
爪とぎや嘔吐、マーキングなど、猫にとってはそれぞれに理由があり、同時に生理的に制御できないなど猫自身もストレスに感じている部分もあります。
猫のストレスを増やさないためにも、家具を守る対策を講じることで、猫も人も快適な住環境を維持するようにしましょう。
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