1.行動範囲が狭いため
自由奔放な猫のイメージからは意外かもしれませんが、実は猫の行動範囲は広くありません。
猫は限られた範囲内で、獲物を捕らえて食べていました。そのため、遠くまで移動することを嫌うのです。行動範囲が狭い分、自分のテリトリーを大切にしています。
引っ越しなどで遠方に移動することは、猫にとって一大事。動物病院への移動さえ、大きなストレスとなってしまうのです。
2.においが変わるのを嫌うため
猫は、多くの情報を嗅覚から得ています。動体視力には優れているものの、視力は良くないので、においが頼りなのです。
室内で飼われている場合も、家の中の様々な場所に自分のにおいをつけて、テリトリーとしています。自分のにおいがついていることや、住み慣れた家のにおいがすることで安心できるのです。
新しい環境へ行くと、知らないにおいに満ちています。猫が不安になってしまうのも仕方のないことなのです。
3.脳の構造によるもの
猫が環境の変化に弱いのは、脳の構造も関係しています。
猫の前頭葉は人間や犬に比べて極端に小さく、計画の変更に対応し、臨機応変に行動することが苦手なのです。つまり、変化に対して上手に対処できません。
猫に新しい環境に慣れてもらうためには?
猫は様々な理由から環境の変化に弱いので、極力現状を維持してあげたいものです。しかし、やむを得ず、室内の模様替えをしたり、引っ越しすることもあるでしょう。
そんなときは、以前の環境にできるだけ近づけるよう工夫してみて下さい。
家具を買い替える際は、それまで使っていたものをしばらく置いておいたり、引っ越しの際は新居での家具の配置を同じようにするなどで、適応するのに時間がかからずに済むことがあります。
猫が使っていたものも処分せず、そのまま新しい環境で使わせてあげましょう。そして何より、飼い主さんが愛猫の不安に寄り添ってあげることです。
環境が変わる際は、飼い主さんも忙しくて余裕がなくなってしまいがちですが、猫を気にかけてあげて下さいね。そして、いつも以上にスキンシップをしたり、愛情を注いであげましょう。
まとめ
今回は、猫が「環境の変化に弱い」と言われる理由について解説しました。
中には順応性の高い猫もいますが、ほとんどの猫にとって環境が変わることは、大きな問題です。習性や脳の構造など、人間とは違うのだということを理解して、少しでも猫が安心して移動できるよう、しっかり準備を整えておきましょう。
ストレスから体調を崩しがちな場合は、無理せず動物病院で相談して下さいね。焦らず、猫のペースで新しい環境に慣れるまで待ってあげましょう。
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