「猫吸い」がやめられない
Zhou Shuaiboさんは、中国東部の浙江省の映画会社で働く30歳の男性です。彼は飼っている茶トラ猫と何時間も遊び、毎日数回「猫吸い」を楽しんでいます。愛猫のふわふわの体に顔をうずめて、お腹をなでながら深く息を吸い込み、抱きしめて満足感を感じるのです。
こうした「猫吸い」愛好家は、中国各地にたくさんいます。SNSでは、猫好きなあるネット民が「猫吸いができないと、ストレスがたまって最悪な気分になります。たぶん中毒症状だね」とまで投稿しているほど人気なのです。
Zhouさんの生活は「猫だらけ」です。服は猫の模様だし、携帯電話のカバーも猫のデザイン。猫グッズを見ると、思わず買ってしまうといいます。
「妻もわたしも、まだ子供を作る心の準備ができていないので、猫に愛情を注いでいます」と彼はいいます。
「この猫は、うちでは王様なのです」と話す彼は、自分を「猫トイレ処理係」と呼んでいます。愛猫だけでなく、彼はネットでほかの猫たちの写真や動画を見るのも大好きです。
Zhouさんのような人々が増えています。1日中SNSの投稿をチェックして、ネット上の猫をまるで自分の飼い猫のように愛し、「クラウド猫」に祭り上げでしまうのです。
「猫商品」の売上が好調
中国の大都市では最近、独身で一人暮らしの若者の間で、猫を飼うことが流行っています。
Alibabaの発表では、同社のオンライン販売部門であるTaobaoは、2017年に猫の餌や服、アクセサリーなどの猫関連商品の売上が100億元近く(2千億円以上)だったといいます。このサイトでは昨年、猫の毛取り用手袋が25万枚以上売れたともいいます。扱っている猫関連商品は1万7000点もあります。
上海の金融会社で働くDu Fangさんは、愛猫のアメリカンショートヘアのため毎月約1万元(20万円超)を費やしています。これは月給の約5分の1に相当するそうです。
「うちの猫は毎日サーモンを食べ、ビタミンのサプリを摂取しています。カナダから輸入したキャットフードは1袋760元(1万5千円)だし、猫トイレの砂は豆腐でできた特別製です」
若者たちの猫ブームは続く
こうした若者たちは、猫用の自動トイレやコンピュータ制御の給水器など、目新しい商品にお金を使う意欲も強いようです。
「いくらでも払います。猫に幸せになってほしいのです」とDuさん。
猫をテーマにしたコーヒーショップも人気です。
「たとえコーヒーがまずくても、多くの猫を飼っている店は若者に大人気です。友達を作るのにもよい場所ですからね」と話すのは、最近1万5000元(30万円)を投じて新しい猫を自宅に迎えたZhang Xuechenさんです。
実家を出て一人暮らしをしている中国の若者たちは、ネット上の猫と現実の飼い猫のどちらにも、すっかり夢中になっているようですね。
出典:China's youth obsessed by cat sniffing
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