死を予知したセラピー猫
猫には、人間にはないすぐれた感覚があります。そのひとつが、だれかが病気になったときに、異変を認識する能力だともいわれています。
なかでも、とりわけすばらしい感覚を持ち合わせた猫もいます。有名なのは、米国ロングアイランド州にある「Steere House看護リハビリテーション・センター」でセラピー猫として活躍した猫「Oscar」です。Oscarは生後わずか半年で、35人以上の入院患者の死を予言したのです。
Oscarは保護猫でしたが、2005年にこのセンターへ引き取られて暮らすようになりました。あまり人懐っこい猫ではなく、めったに人間に甘えません。
それでも毎日約40人の認知症患者と接して、セラピー猫としての勤務を続けていました。
病室で最期を見守って…
ブラウン大学准教授David Dosa医師は、当時のことを次のように語っています。
「外に出たがらない猫で、臆病なタイプでした。よく備品庫やベッドの下などに潜んでいましたね」
そのうち医師たちは不思議な現象に気づいたのです。ある日Oscarはある病室を訪れ、患者のかたわらでじっと見守っていました。
翌朝になってその人が亡くなったとき、この猫はやっと病室を出てきました。最初は偶然だと思われましたが、こうした現象が何度も続いたのです。
「患者が臨終に近づくと、家族が了承すればOscarは病室に入ってきます。窓辺に跳び乗り、何時間もそこに静かに座っていますね。ときどき、ベッドに乗って患者の隣で丸くなります。そうやって最期のときを見守るのです。本当に特別な猫です」というDosa医師。
臭いに反応して「死」を知る?
人々はOscarを「死の天使」とか「天使」などと呼び始めました。
Oscarがどのようにして死にゆく人を見分けたのかについては、「死の迫った人が放出する特定の化学物質ケトンを嗅ぎ取っているのではないか」とDosa医師は推測しています。
もしかしたらオスカーは、人間にとって未知の、ある種の精神的なつながりを相手と結ぶ力があったのかもしれません。あるいは未来の匂いを嗅ぐことができたのかも…?
いずれにせよOscarは、人生の終わりに直面した人々のこれまでをたたえ、できるかぎり慰めようとしたことは確かです。Oscarは、並外れた感覚とやさしい心を持った、とびきり才能豊かな猫でした。
数々の人々を看取ったOscarは、2022年2月に虹の橋を渡りました。
出典:
・You’ll Be Amazed To Find Out What Extraordinary Gift This Rhode Island Cat Has
・Meet Oscar, the Cat that Predicts Death and Provides Comfort
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