猫が『スリスリ』してくるときの3つのキモチ
猫のスリスリには、おもに3つの気持ちが表現されています。
いずれも似たようなニュアンスですが、微妙な違いを知っておくと、猫から一目置かれる存在になれるかも知れません。
1.「守りたい」という気持ち
猫の目の上や口の周り、体の側面(シッポのつけ根付近)にはフェロモンの分泌腺があり、自分のニオイを付けることができます。
猫のスリスリ行動の直接の理由は、テリトリーとして自分のニオイをマーキングする目的です。これは、自分のテリトリーを主張して、時間を超えてほかの相手にメッセージを送る手段なのです。
そのため、家の中の家具や椅子の脚など、よく通る場所などにスリスリしてニオイを付けることが多いのです。
ところが、猫は私たち飼い主の身体にもマーキングをするのです。猫にとって飼い主は、自分のテリトリーの一部と認識されています。そのため、飼い主の手や脚にスリスリと自分のニオイをつけて、大切な自分の生活圏を管理しようとしているのです。
2.「スキスキ」という気持ち
猫がおでこや頬、体の側面をすりつけてくる行動は、猫の親愛行動としてよく見られます。これは、猫が習性的に信頼できる親しい関係の個体に対して直接触れ合って愛情を示すことから、相手が人間であっても同じ行動をするのです。
この行動には「おはよう」「おかえり」などのあいさつも含まれています。
好意を示すスリスリ行動は、飼われている猫だけでなく、外で暮らす野良猫にも見られます。ただし、その意味合いにはすこし違いがあります。
飼い猫の場合は、すでに飼い主を家族と認識した上で家族としての親愛を表現しているのに対して、人慣れしている野良猫(地域猫)などの場合は、エサなどのケアを求めて親愛を示していると考えられています。
3.「やっぱりコレ!」という気持ち
猫は、自分がつけたニオイを嗅ぐことで安心して、さらに強めるためにスリスリすることがあります。この行動は、飼い主の身体に対しても同じようにしてきます。
猫にとっての飼い主は生活環境の一部なので、親しみ慣れている飼い主がそこに「ある」ことは、それだけでも安心感を与えているのです。
そのため、なにか不安や緊張を感じた際に、いつも親しんでいるニオイを確認することで、心理的に安全であることを確認しようとすることがあります。
たとえば、動物病院から帰ったあとに頻繁(ひんぱん)にスリスリすることがありますが、これは緊張や不安を和らげ、早く安心したいという気持ちからくるものでしょう。
猫が不安になる場面で、猫のニオイがついたものを与えておくとよいのは、緊張緩和のためにも役に立つのです。
よくスリスリするタイプの猫っている?
猫はそれぞれの個性が強い動物なので、基本的には個体差があることが前提となります。その上で、よくスリスリするタイプで分けると、次のような猫が多いでしょう。
- 甘えん坊な猫
- 好奇心旺盛な若い猫
- 独占欲の強い猫
- 単頭飼いと比べると多頭飼いは多い
甘えん坊な猫は、飼い主さんにベッタリしたいので何かとすり寄ってくることが多いでしょう。単純に飼い主さんが好きという証拠です。
一方、好奇心旺盛な若い猫や独占欲の強い猫のスリスリ行動は、自分のテリトリーをしっかりと守りたいという欲求があります。
また、多頭飼いの猫はどうしてもほかの同居猫のニオイが混ざってしまうため、積極的に自分のニオイを上塗りしておくためにスリスリの頻度が高くなるのです。
逆に、愛猫が全然スリスリしてこないなら、猫との関係性を反省する必要があるかもしれません。
猫のスリスリにはどう対応すればいい?
猫のスリスリは、決して悪いことではありません。肯定的に受け止めてあげるとよいでしょう。
これまで見てきたように、スリスリはマーキング行動が基本となって、親愛表現や不安解消に応用されています。
そのため、猫には思う存分スリスリさせてあげて、気持ちを受け止めてあげることが大切です。顔周りの臭腺は撫でられると猫は気持ちが良いので、声をかけながらコチョコチョしてあげてもよいでしょう。
猫が「気持ちいいな」「安心だな」と感じられるようなら、猫との信頼関係を一層深めることになるでしょう。
ただし、あまりにも長い時間、同じ場所(口の周りや耳のうしろ)をグリグリとこすり付けている場合には、歯周炎や外耳炎などになっている可能性もあります。猫のスリスリをきっかけに、猫の健康チェックも忘れずにできれば完璧です。
まとめ
今回は、猫がスリスリしてくるときの気持ちについて解説してきました。
顔をこすりつける猫の習性には、マーキングという猫同士のコミュニケーションを土台に、自分の気持ちを乗せていることがわかりました。
個体差はありますが、甘えん坊な猫や若い猫、独占欲が強い猫に多く見られます。
飼い主としては、この行動を肯定的に受け止めて、猫の気持ちに寄り添ってあげることが大切です。できれば「今日は寂しかったのかな?」「何か不安だったのかな」など、理由まで推測してあげられるといいですね。猫との信頼関係をさらに深めることができそうです。
猫の心理をより深く理解して、さらによいケアにつなげていきましょう。
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