猫がゴロゴロ音を出す5つのタイミング
猫が出すゴロゴロ音は、喜びの表現だけではありません。実は、何かを要求していたり、大きなストレスを感じたりしているときなど、猫の心理状態や身体の状況を反映していることもあります。
ここでは、愛猫がゴロゴロ音を出す代表的な5つのシーンを紹介します。
1.リラックスしているとき
猫の飼い主さんがよく経験するのは、猫がリラックスしているときのゴロゴロ音でしょう。
撫でられ気持ちがいいときや快適な場所でのんびりとくつろいでいるときに、猫はゴロゴロと喉を鳴らして満喫します。
この時の猫は完全に安心しきって、周囲に対する警戒心を解いていることが多いでしょう。
2.食事中や食後
空腹だった猫が食事を楽しんでいるときや、お腹が満たされて満足しているときにもゴロゴロ音を出すことがあります。
食事による満足感や幸福感は、生存本能を満たしたということです。
特に大好物のものを食べるときや、空腹時間が長くなり、ようやく食事にありつけたようなときに、ゴロゴロ音を聞くことができます。
3.授乳期の親子
子猫を生んだばかりの母猫は、子猫の世話をする際にゴロゴロ音を出します。
生まれたばかりの子猫は嗅覚以外の五感が未熟です。そのため、母猫の舐める行為とゴロゴロという振動で安心して過ごせるのです。
また、子猫のほうもゴロゴロと喉を鳴らすことで、自分の存在を母猫に伝えます。
4.不安や緊張を感じているとき
ゴロゴロ音はうれしいときだけではありません。猫はストレスや不安を感じているときには、低いゴロゴロ音を出すことがあります。
これは、自分自身で安心するように、ドキドキした気持ちを慰めていると考えられています。
もし、慣れない来客時や通院中のキャリーバッグでゴロゴロ音が聞こえたら、緊張しているのかもしれません。
5.痛みを感じているとき
猫がケガや病気によって痛みがあるときにも、低音で静かに喉を鳴らしていることがあります。
猫のゴロゴロ音には自然治癒を高め、鎮痛効果があるといわれ、猫自身が痛みをこらえている可能性があります。
体調不良を隠そうとする習性がある猫ですが、もし、うずくまってゴロゴロ音を出しているような場合には飼い主が注意してあげる必要がありそうです。
猫はどうやってゴロゴロ音を出しているの?
猫のゴロゴロ音がどうやって出ているのかは、長い間「よくわからない」謎とされていました。獣医学や動物行動学では、より緊急性の高い健康問題や行動が優先的に研究され、ゴロゴロ音については後回しにされてきたのです。
ところが、最近ではすこしずつ研究が進んでいるようで、昨年、新しい解剖学的発見が発表されました。
内容は次のとおりです。
猫の鳴き声は、人間の声と同じように声帯を振動させることで作られます。声帯とは、喉の中にある左右一対の細長い粘膜のひだのことです。
これまでは、猫のゴロゴロ音も発声の仕組みと同じように、声帯の筋肉を使って出していると考えられてきました。しかし、今回の研究では、声帯部分にあるやわらかいパッド状のかたまりがゴロゴロ音の発生に関わっていることがわかったのです。
実験では、このパッドがあることで、声帯の筋肉を使わなくても、肺から空気を送るだけで音を出せることがわかりました。つまり、猫は、声帯を使わずに呼吸時に空気を吸い込むだけでゴロゴロ音を発生させられるということです。
この発見は、猫のゴロゴロ音に筋肉を使わないと断言するものではありませんが、これまでの考えとは異なる見方ができることが明らかになりました。
ただし、今回の実験では、声帯という部分的な機能に限定して調べられたため、「実際に生存している猫ではどうなのかという考慮がされていない」といった指摘もされているようです。
まとめ
今回は、猫が喉を鳴らすときのゴロゴロ音について解説しました。
猫がリラックスしているときをはじめ、授乳期の親子間、不安や痛みを感じるときなどでも観察されます。
最近の研究によって、猫のゴロゴロ音が出るメカニズムに新しい発見がありました。声帯部分にあるパッド状の組織が音の発生に関係していること。そして、猫が呼吸するだけで、あのゴロゴロ音を出せるのではないかという可能性です。
猫の身体には、まだまだ未知の部分がたくさんあります。今後の研究がさらに解明してくれるでしょう。
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