1.ミミヒゼンダニ
ミミヒゼンダニは体長0.5mm程度の小さなダニです。猫の耳ダニ症のほとんどが、このミミヒゼンダニによって引き起こされます。
ミミヒゼンダニの体は極めて小さいため、人間の肉眼で発見するのは困難です。ミミヒゼンダニに寄生されている猫の耳には、コーヒーかすのような黒い耳垢が発生します。猫の耳に黒い異物があり痒がっていたら、ミミヒゼンダニの可能性を疑いましょう。
2.ネコショウセンコウヒゼンダニ
猫耳ダニ症のほとんどが、前述したミミヒゼンダニによるものですが、中には「ネコショウセンコウヒゼンダニ」という種類によって引き起こされるケースもあります。
ネコショウセンコウヒゼンダニは、猫の皮膚に寄生・繁殖するヒゼンダニの一種。
ネコショウセンコウヒゼンダニは猫の耳の皮膚に掘ったトンネルで生活します。そのため、皮膚検査を行っても発見できないケースがあります。
猫の「耳ダニ」の原因・症状・治療法
ではここからは、猫の「耳ダニ」の原因・症状・治療法について解説いたします。いざという時のために確認しておきましょう。
原因
猫が耳ダニに感染する要因として、下記が挙げられます。
- 感染している動物に猫が接触する
- 猫の放し飼い
耳ダニに感染する経路として最も多いのが、外で生息している感染動物との接触。
基本的に、外で暮らしている野良猫は耳ダニに感染している可能性が高いです。そのため、猫を完全室内飼育にすることで感染を予防できます。
症状
猫の耳ダニによる症状は、寄生するダニの種類によって異なります。
まず、ミミヒゼンダニが原因で起こるミミヒゼンダニ症では、痒みと黒い耳垢が発生します。稀に耳を搔きすぎて「耳血腫」と呼ばれる耳の腫れを伴うこともあります。
一方、ネコショウセンコウヒゼンダニによって引き起こされる疥癬症の場合、ひどい痒みが生じます。猫が必死にかきむしり、出血を伴う皮膚炎を生じることが多いです。
治療法
基本的に猫の耳ダニ症において、自然完治は期待できません。原因となる耳ダニの駆除が必要となります。
猫の耳にダニの寄生が疑われるときは、動物病院にて駆除薬を点滴してもらい経過を見守りましょう。
注意点として、飼い主さんが素手でダニを取り除こうとするのは避けたほうがいいです。猫の耳を傷つけてしまう恐れがある他、耳ダニが飼い主さんに付着するなどのリスクも想定されます。自宅で処理するときも、一度動物病院で指導を受けてからにしましょう。
まとめ
猫の「耳ダニ」は侮られやすいですが、猫にとっては強烈な痒みを伴う危険な病気です。
痒みがひどいと猫が耐えかねて、出血するほど患部をかきむしり、細菌感染を誘発させる恐れもあります。
今回の記事を参考に、愛猫の耳に耳ダニが寄生しないように、日頃から丁寧なケアを心掛け、いざという時は正しい対応ができるようにしておきましょう。
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