猫は脱水症状になりやすい
猫は人間と比べて、脱水を起こしやすいです。その理由は、猫があまり水を飲まない動物だから。
祖先のリビアヤマネコは砂漠地帯で生活していたので、水を飲むことが難しい状況で生きていました。そのため少ない水分でも有効活用できるように、体が進化したのです。
猫もその能力を引き継いだものの、食べているものといえば「ドライフード」。ドライフードにも水分は含まれますが、それだけでは不充分です。祖先のように獲物から水分を補うこともできないので、水を飲まなければたちまち脱水症状を引き起こします。
さらに水分不足は循環量を減らしたり尿量をへらすため泌尿器系などの器官をむしばみ、尿路結石などのトラブルのリスクを高めるのです。そのため猫の飼い主は、愛猫の「水分補給」にはとりわけ注意をしなければいけません。
猫が脱水症状を起こしたときの4つの対処法
1.水分補給させる
脱水症状があらわれたときは「水分補給」をまず行います。
水分補給はボウルや給水機から与えられるとベターですが、それでも難しいときはウエットフードや液体おやつから摂取を試みるのもOKです。
また動物用の経口補水液を与えてもいいでしょう。言葉で促すことは難しいため、給水器やボトルの設置場所を増やすなどの対策がおすすめです。
2.環境を整える
猫が少しでも快適に過ごせるよう、環境の管理も行います。
とくに暑い季節や乾燥した環境では、湿度を保つために加湿器を使用したり、涼しい場所を提供することがポイント。猫がストレスを感じないように、安心できる環境を整えてあげましょう。
なお、猫が快適と感じる環境は室温20~26度前後、湿度50~60%程度の環境だといわれています。
暑さや寒さ、湿度の高さで熱中症になったり、元気の消失、食欲不振などにつながる危険性があり、脱水状態に陥ることもあるため、注意が必要です。
3.安静にする
猫が脱水になったときはなるべく運動を控えさせて、体を回復させることに専念させましょう。
完全に安静を求めるのは難しいかもしれませんが、ケージで休息させたり、休んでいるところを邪魔しないようにしたり、できることはあるはずです。
水分を摂り、体を休めていれば徐々に元気も戻ってくるでしょう。
4.症状が治まらないときは獣医師に相談
脱水症状が一向に治まらず猫の状態が悪化していく、もしくは下痢や嘔吐を伴いまともに水分が摂れないときは、動物病院を受診しましょう。
動物病院では点滴で直接体に水分補給を行う治療をして、入院が必要な場合もあれば、日帰りのケースもあります。
入院が必要ない場合でも、獣医師から具体的な世話の仕方や注意点を指導してもらえるので、不安な点があれば積極的に相談するとよいでしょう。
猫の脱水を予防するには?
常に新鮮な水を用意する
猫がいつでも水が飲めるように、お部屋には常に新鮮な水を用意しましょう。
水飲み場は、猫にとって使いやすい場所に設置(落ち着いて安心できる箇所)に「頭数+1」個ほど設置しておくのが好ましいです。
また、猫は水が流れる音が好きな傾向があるため、自動給水器や噴水型の水飲み器を使用するのも良いでしょう。
とにかく猫それぞれが好む「飲み方」に合わせて、水を用意してあげてください。
ウエットフードを与える
なにをしても水を飲まないという場合は、食事からの水分補給を試してみましょう!
ウエットフードは水分量が多いため、脱水症状の予防に効果的です。ドライフードを与えている場合は、ドライフードに水分を含ませたり、ウエットフードを混ぜて与えるのもOK。
または液体おやつを与えたり、水分補給ゼリーを使ってみるのもいいですね。
健康診断を受けてみる
脱水症状は単に水分不足だけでなく、さまざまな病気や健康トラブルから引き起こされる可能性もあります。
そのため健康診断を受けて、「脱水の原因となる病」の有無を知っておくのも大切です。なお脱水の原因となる病とは、たとえば糖尿病・腎臓病・膵炎・腸疾患など。
これらの病のなかには初期症状がなかったり、わかりにくかったりするものもあるので、定期健診+毎日のセルフチェックで猫の健康を守りましょう。
まとめ
猫の脱水症状は、軽度であれば自宅でのケアで徐々に回復していくこともありますが、重症化すると命に係わる深刻な状況に発展する可能性があります。
脱水の兆候としては、皮膚の弾力の低下・口内の乾燥・粘膜の乾燥などの症状があるので、もしこれらの症状に気づいたら、なるべく早く適切な対処をしましょう。
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