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シニア猫の入口を示す『老いの兆候』8選 それぞれの対処法も解説


シニア猫に見られる「行動の変化」4選

横を向く老猫

1.ほとんど寝ている

猫は高齢になると、若いときよりもずっと長い時間を睡眠にあてるようになります。1日のうち20時間近くも眠ることも珍しくありません。

このような過剰な睡眠時間は、加齢に伴う活動量の低下や体力の温存、刺激の少なさが主な原因です。

というのも猫も加齢と共に猫の身体機能は低下し、歩行や運動が億劫になってきます。関節の痛みなどもあり、じっとしているほうが楽なのです。

さらに視力や聴力の衰えで外界からの刺激が少なくなって、退屈して眠ってしまったり、いざという時に備えて体力を温存していたり。

このように老猫が眠る意味にはさまざまな理由があるため、猫の睡眠時間が多いと思っても、そのままそっとしておいてあげましょう。無理に起こす必要はありません。

2.運動量が落ちた

猫の老いの兆候としてよくみられるのは、運動量が落ちることです。加齢に伴う筋力の低下により、体力が減退しほとんど運動をしなくなります。

若い頃は一日中動けていた猫も、年を重ねるごとに筋肉が衰え、スムーズな動作ができなくなってきます。階段の上り下りや、ジャンプ力の低下など、動作が鈍くなるのがわかりやすい兆候でしょう。

また関節の痛みや可動域の狭さも要因です。節々の関節が痛むことで、思うように体を動かせなくなることもあります。

このように猫が運動しなくなったと気づいたときは、猫がどこかひどく痛がるようなら獣医師に相談しましょう。

そうでないときは、運動不足にならないように1日10分程度遊んであげるとグッド。ただし猫の体調を優先してください。

3.粗相をする

猫が高齢になると「粗相をする」ことがよくあります。排尿や排便のコントロール能力が低下することで、トイレでない場所でも用を足してしまうのです。

粗相には大きく2つのパターンがみられます。1つ目は、思わぬ場所で排尿・排便をしてしまうケースです。

排泄をコントロールする機能が衰え「お漏らし」してしまったり、膀胱炎や腎臓病を患っていると、頻尿になるため粗相をしやすくなります。

また2つ目のパターンは、トイレ自体を忘れてしまうことです。

たとえば認知症を患うとそれに伴い、トイレへの意識が薄れてしまいます。加えて運動能力の低下で、トイレへの移動を怠り、我慢できなくなることもあるのです。

このように猫も老いるとトイレを失敗するケースが増えます。そのためトイレにスロープをつけて入りやすくしたり、ところどころペットシーツを敷いたり、おむつをつけるなどの対策をしましょう。

もし猫が粗相をしても、強く叱るのは避けてくださいね。

4.性格が変わる

猫は老化とともに、性格が変化することがあります。どう変化するかは猫それぞれですが、よく見られるのは「一匹狼タイプだったのに、まるくなって甘えん坊になった」というもの。

実はわたしの愛猫も、ヒザのうえで眠るような猫ではなかったのに、今や意地でも人間の上か横にいるようになっています。

なぜ性格が変化するのかは不明ですが、「老いて二度児になる(おいてふたたびちごになる)」という言葉があるように、猫も老いるとまた子猫時代に逆戻りしてしまうのかもしれませんね。

この変化への対処法はありません。甘えていたら、たくさん愛でてあげましょう!

シニア猫に見られる「体の状態の変化」4選

抱っこされる老猫

5.毛艶がなくなる

猫が高齢になると、毛並みが悪化し、かつてのような艶やかな毛並みを保つことが難しくなります。毛がパサついたり、「毛割れ」が生じることも珍しくありません。

毛艶が悪くなる原因のひとつは、代謝の低下です。代謝が落ちると、皮膚や毛根に十分な栄養が行き渡らず、毛質が悪化する原因となります。

また猫がグルーミングをしなくなることも、毛艶悪化の原因に。老化が進むと、若いころ懸命にやっていたグルーミングさえも億劫になって、さぼりがちになるのですが、そうすると毛艶が次第に悪くなっていきます。もちろん歯やが痛い、体調が悪いなど病気が隠れていることもあります。

毛艶を若いころのようにツヤツヤに保つのは困難です。しかしシニア猫に合わせた栄養摂取と、1日1回のブラッシングを取り入れることで、ある程度毛艶をきれいにはできるでしょう。

愛猫の毛艶に変化が見られたら、ぜひ実践してみてください!

6.臭いがきつくなる

猫も高齢化に伴い、口臭や体臭が気になり始めることがあります。とくに口臭は、老猫の飼い主さんのほとんどが気になるようです。

猫の口臭の原因は、加齢に伴う歯石やプラークの蓄積、歯肉炎や歯周病の進行により、細菌が増殖しやすくなることです。また唾液の分泌量が低下することで自浄作用が低下し、口臭が強くなることもあります。

また慢性腎臓病などでみられる「尿毒症」も口臭がきつくなるのでひどい場合はなんでも老化のせいにせず、動物病院に相談しましょう。

一方体臭の増加は、グルーミング不足が大きな原因です。グルーミングをしていればお風呂に入れなくても臭いは気になりませんが、それが不足するともちろん臭いがきつくなってきます。

口臭に関しては「仕方がない」部分はありますが、猫が痛がっていたりよく出血する場合は獣医師に相談しましょう!

また体臭がひどい場合は、猫の体調に合わせ、1か月に1度くらいの頻度でお風呂に入れてあげてもいいです。また、毎日のブラッシングも取り入れてみましょう。

7.体重が落ちた

猫もシニア期を迎えると、食欲不振や代謝の低下、病気などが原因で体重が落ちてしまうことがあります。

若い頃は活発で代謝がよく、食べた分のカロリーを効率よく消費していましたが、年を重ねるごとに代謝が鈍くなり、同量の食事でも以前ほどエネルギーを使えなくなるのです。

さらに基礎疾患を患っていれば、その症状が原因で極端な体重減少を招くこともあります。腎臓病などによる嘔吐や食欲不振、糖尿病や甲状腺疾患による代謝異常など…。

ただこういった病気による体重変化は、獣医師のサポートが必要なので早めに相談するようにしましょう。

8.目が白くなる

猫は高齢になると黒目部分が濁って白っぽくなる様子がみられるようになりますが、これは多くの場合「核硬化症」という病気が原因です。

核硬化症は白内障とは異なり、水晶体が白く濁るのではなく、経年により水晶体が硬化し光の屈折率が低下して白く見えるというもの。

10歳を過ぎた老猫ではよく見られる病気です。加齢による水晶体の変性であるため、基本的には他の病気や外傷によるものではありません。

また核硬化症は白内障と異なり、猫の視力に大きな影響を与えることもありません。

実際核硬化症を持つ多くの猫は、普段の活動や生活にほとんど影響を受けずに健康に過ごしています。我が家の愛猫(14歳)も、視覚に影響はないようです!

猫が核硬化症になった場合もとくに治療は必要ありませんが、痛みや違和感、視力に異常が感じられる場合は獣医師に相談しましょう。

まとめ

ベッドで横になる老猫

猫が高齢期を迎えると、さまざまな老いの兆候があらわれてきます。

体力や運動能力の低下、視力や聴力の衰え、食欲の変化や排泄のトラブル、毛艶の悪化など、外見上や行動面での変化が顕著になります。

しかし何よりも大切なのは、飼い主さんが高齢猫の変化を受け入れ、愛情を持って最期まで接してあげることです。

猫なりの「終の棲家」を整え、残された日々を快適に過ごせるようサポートしていきましょう。


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