1.ごはんを食べずにぐったりと寝込む
猫は身体の異変を感じると、自然に食欲が低下します。
それは、身体がイレギュラーな反応によって緊張状態になり、食欲を抑える交感神経が活発になるためです。
もちろん、身体のどこかに痛みがあれば「食事どころではない」という気持ちもあるでしょう。これは体調不良だけでなく、発情期やケンカの後などにも起こりやすい症状です。
そして、食欲不振に加えて寝込んでしまう場合は、すぐにでも病院を受診する必要があります。
気温や季節によっては傾眠することもあるため、食事をとらずにずっと寝ている場合、1日(24時間)の様子を見て、改善しなければ翌日には病院へ連れて行きましょう。睡眠時間が普段よりも長い日が続くようであれば受診をお勧めします。
2.触られるのを嫌がり隠れる
身体がツラいときには、飼い主にもすがらないのが猫の本能です。
触られるのを嫌がり、あまり動かずに、できるだけ身を隠そうとするのは、自分が弱っている自覚があるからです。
猫はもともと本能的に自己防御本能が発達しています。
特に痛みや不快感があるときには、外部からの気配や刺激に敏感になって、安全な場所へ引きこもってしまうのです。
また、体調不良時の猫に対して不適切に対応してしまうと、攻撃的な態度を取ることもあります。
猫が隠れるようになったら、何かおかしいと考えてよさそうです。
3.呼吸が浅くて速い
猫の呼吸が浅くて速いときは、緊急性が高い可能性があります。
安静時の猫の呼吸数は、1分につき20〜35回程度で、寝ているときはもうすこし回数が少なくなります。
呼吸が速くなる原因には、「呼吸器異常」「痛み」「心臓病」「熱中症」など、さまざまな理由が考えられます。もし、激しく遊んだ後なら一次的なものなので、数分でおさまるでしょう。
猫の呼吸が速いと感じたら、呼吸数を数えてください。猫の胸の動きを見ながら「吸って吐いて」を1回として、30秒間の回数を数えます。これを2倍することで1分当たりの呼吸数がわかります。
興奮などによっても呼吸数は上昇するので、睡眠時などの落ち着いているときに改めて観測を行い、判断すると良いでしょう。
呼吸数が多く、苦しそうな様子、口呼吸などが見られたら、すぐにかかりつけ病院に連絡をして指示を仰ぎましょう。
早めに対処することで、大きな被害を防ぐことができます。
4.足元がフラフラする
猫の足元がフラつく場合、脳内疾患や神経性の異常、ひどい貧血、高所からの落下などが考えられます。
いずれの場合でも、まず猫の安全確保が求められます。
できれば一段のケージ(もしくは昇り台を設置して)に、一次的に入れておく方がよいでしょう。ふらついた足元のままでジャンプしようとして転落すると、いっそう状況が悪くなるためです。
フラつきの原因は多岐に渡ります。
獣医師が診察する際には、食欲の変化や排泄異常などできるだけ多くの情報があった方が良いため、フラつき以外の異常も踏まえて病院へ向かいましょう。
5.過剰なグルーミング
猫のグルーミングが過剰になる場合、どこかに異常を感じている可能性があります。
猫は通常、身体をきれいに保つためにグルーミングします。
しかし、被毛をむしり取る、皮膚が見える舐めハゲを作るなど過剰なグルーミングは、皮膚のかゆみ・痛み、あるいは精神的ストレスという異常がある場合に見られます。
以下のような要因が考えられます。
- アレルギーなどによる皮膚炎
- 精神的ストレス
- 腹痛
- 関節の痛みや違和感
- 口腔疾患
- 神経系の問題
皮膚の異常は外観からわかりますし、痛みがあれば触られるのを拒むので、過剰グルーミングは家庭でもわかりやすいサインです。
痛みや不快感で猫の苦痛を長引かせないため、すみやかに処置してもらうようにしましょう。
まとめ
猫は、自分がしんどいときも飼い主に対して言葉では伝えられません。本能に従って、我慢するしか方法がないのです。
動物は不調のときには、できるだけ食べる行為から離れようとします。そのため、食欲不振の有無は、不調を知るときの基本となります。
また、元気そうに見えても急変することは珍しくありません。呼吸の異常やフラつきは突然あらわれることもあります。
健康的な猫はもちろんのこと、特に体力の弱い子猫や高齢猫、あるいは基礎疾患のある猫は、日頃からよく観察しておくことが大切です。
そして、不安な要素があれば、すぐに動物病院へ連れて行くようにしましょう。
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