「ビーズクッション」は猫もダメにする?
テレビや雑誌、WEBなどでよく見かけるビーズクッションのCMやSNS等の投稿は、とても気持ちよさそうに寛いでいる方の姿と「人をダメにする」という表現がとても印象的です。
各社から多彩なサイズや形の製品が出ていますが、いずれも特徴的なのは、カバー内部に詰められているたくさんの小さなビーズが、そこに腰掛けた人の体に合わせて形状を変化させ、体を包み込むようにしながら体圧を分散して支えてくれるということです。
最近は、そこに「ペットと一緒に使える」といった謳い文句が加わったものもよく目にするようになりました。ビーズクッションの上で気持ちよさそうに丸まって眠っている猫の姿はいかにも気持ちよさそうです。
しかし一方で、猫がビーズクッションを破壊して床一面にたくさんの白いビーズが飛散している映像を見かけることもあります。
さらに、猫がそのビーズを飲み込んで喉に詰まらせてしまうのではないか、と心配にもなってきます。実際、猫と一緒にビーズクッションで寛がれている愛猫家も少なくないようです。
そこで今回は、猫のいる部屋で「ビーズクッション」を使う際に気をつけるべきポイントについて解説します。これから使ってみたいと検討中の方は、この機会にぜひ確認しておきましょう。
猫も喜ぶ「ビーズクッション」の特徴
いまや大人気の「ビーズクッション」は、さまざまなメーカーから販売されています。構造としては、インナーカバーの中に各社が開発した特殊なビーズがたくさん詰め込まれていて、さらにそれを覆っている外側のカバーがあるものが多いようです。
サイズや形状はさまざまで、ソファのように全身を包み込めるほど大きいものから、小さなクッション、首や腰を支えるためのものまでさまざまです。いずれの場合も、使用者の体型によって自在に変形し、体をやさしく包み込んで心地良くフィットする安定感が売りです。
猫にとってもビーズクッションのフィット感や安定性は心地良いようで、「猫が乗ったら降りてこなくなった」というような投稿もよく見かけます。
ただし、猫には鋭い爪があり、ソファや畳、ふすまなどで爪とぎをしてボロボロにしてしまうという、かなりやっかいな習性を持っています。それを考えると、猫が遊んでいて中に詰まっているビーズを外に出してしまわないように気をつけるべき点があるはずです。
また、ビーズは消耗品で経年により目減りしていくため、定期的に購入者が中のビーズを補充する物が多いようです。つまり、メンテナンスの過程でビーズの内容量が変わり、フィット感や柔らかさなども変化するため、それに伴う注意も必要だと考えられます。
猫がいる部屋で「ビーズクッション」を使うときに気をつけるべきポイント
人気のビーズクッションについて分かったところで、ここからは猫がいる部屋で「ビーズクッション」を使う際に気を付けるべきポイントについて解説します。愛猫がいつもいる部屋の環境とあわせて、以下のポイントも考慮した上で購入を検討することをおすすめします。
1.破壊
最も気をつけたいポイントは、猫によるビーズクッションの破壊です。
最近は、「ペットと一緒に使える」と謳っている製品も出てきていますので、安全性を考えるとそういった製品を選択するのが良いでしょう。
ただし、猫の爪や犬歯はとても鋭く、いざというときの力を甘く見ない方が良いでしょう。また、ウールサッキングなどの問題行動を抱えている猫の場合は、飼い主さんが驚くほどしつこくカバーに噛み付き、引きちぎってしまう可能性もあります。
ウールサッキングを行う猫や、エネルギーが有り余っている若くて元気な猫がいるご家庭では、猫にビーズクッションを使わせる場合は、必ず飼い主さんが一緒に過ごして目を離さないことが望ましいです。
飼い主さんの留守中は、ビーズクッションは猫の手の届かない場所にしまいましょう。併せてこまめな爪切りや、お気に入りの爪とぎ器の複数個所への設置も大切です。
2.粗相
中のビーズの感触が猫砂を連想させるのか、ビーズクッションに粗相をしてしまう猫もいるようです。
また、猫は度々嘔吐をすることがあります。このような粗相や嘔吐でビーズクッションが汚れた場合、外側のカバーを洗濯できても、内側のインナーカバーやその中のビーズを洗うことは難しいようです。
もし愛猫の粗相や嘔吐が心配だという場合は、防水カバーが用意されている製品を購入されると良いでしょう。
3.ひとりで遊ばせない
猫もシニア期に入ると段々と活動量が減っていきます。そんな猫にとって、ビーズクッションはとても心地良い寝床になることでしょう。
また、愛猫の体のサイズに合った小さめのビーズクッションを窓際に置けば、寛ぎながら外の様子を見て過ごすこともできます。
その際に気をつけるべきことは、クッションに沈み込んで呼吸できなくなる可能性です。
筋力が低下してとっさの場合に動けないかもしれません。ビーズクッションの心地よさを生み出しているフィット感ですが、仇にならないよう適宜ビーズを補充しましょう。
シニア期に入り活動量が減ることで、破壊のリスクは減りますが、やはり愛猫をひとりだけでビーズクッションで遊ばせず、目を離さないようにすることをおすすめします。
まとめ
人だけではなく、猫までをもダメにしてしまうほど居心地が良いという「ビーズクッション」。その心地よさを愛猫にも味わわせてあげたいと思う飼い主さんもおられるでしょう。
しかしビーズクッションは、その心地よさや不思議な感触の楽しさ故に興奮した猫が破壊してしまう可能性も。そしてその結果、喉にビーズを詰まらせたり、心地良くて眠ってしまった猫がクッションに鼻先を埋めて息をつまらせてしまったり、というような事故も起こらないとは限りません。
ビーズクッションに限らず、何をしでかすか予想の斜め上を行く行動を見せるのが猫。大人しく遊んでいるからと安心して目を離さないよう、十分に気をつけた上で、気持ちよく遊んだり休んだりさせてあげたいものです。
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