猫にとってコーヒーがダメな理由
猫にとって、コーヒーが毒となるのは、コーヒーに含まれる「カフェイン」が原因です。
カフェインは、中枢神経を刺激して交感神経を興奮させる作用があります。一般的な食品にも含まれている成分ですが、この作用を利用してカゼ薬や鎮痛剤などにも利用されています。このように、カフェインは身体にかなりの影響を与えることがわかります。
カフェインを含む飲み物は、コーヒー以外にも次のようなものがあります。
- 紅茶
- 日本茶
- ウーロン茶
- コーラ
- ココア
- 栄養ドリンク
たとえば、ドリップコーヒー1杯(150ml)には、およそ90mgのカフェインが含まれています。
猫がカフェイン中毒になるのは、体重1kgあたり15mgのカフェインを摂取した場合です。つまり、体重3kgの猫であれば、カップ半分のコーヒーで中毒に陥る危険があるのです。
ただし、これはあくまでも目安なため、量が満たなくても危険な状態となる可能性は考えられます。
また、カフェインが入っているものは、飲み物だけではありません。注意したいのは、スイーツ類です。
クリームやバターなどの甘い香りから、猫が欲しがることがありますが、誤って与えてしまうとカフェインが含有されている可能性があります。
特にチョコレートやカカオパウダーなどが含まれているものは、食べ終わったケースなどにも注意が必要です。
猫がコーヒーを誤飲したときに出る症状
猫がカフェインを摂取してしまった場合、個体差はありますが30分〜1時間ほどで中毒症状が表れる可能性があります。
- 心拍数の増加
- 血圧の上昇
- 呼吸数の増加
- 異常興奮
- よだれ
- 嘔吐
- 痙攣
カフェインは心筋や中枢神経系に働くため、たとえ軽症の場合でも心臓のドキドキと興奮状態(通常よりも活発で落ち着きがない様子)が見られることがあります。
中~重症になると、心拍数や呼吸数が増加し、よだれ、嘔吐、痙攣(けいれん)などが見られます。摂取したカフェインの量によっては、命にかかわることもあります。
また、カフェインに対する反応や症状の現れる量は個体差があるため注意が必要です。カフェインが体内から抜けるまでには、約24〜48時間かかるといわれています。
対処方法
誤飲による最善の対処方法は、動物病院を受診することです。事前に病院に電話して状況を伝えておくと良いでしょう。
猫に中毒症状が起きるかどうかは、反応性の体質的なものもありますが、その体重や摂取したカフェインの量に関係する場合もあります。特に子猫や循環器系の疾患がある場合、少量でも深刻な状態になる可能性があります。
コーヒーの誤飲が判明したら、獣医師に正確な情報を伝えることが重要です。「いつごろ」「どのようなものを」「どのくらいの量」を誤飲したのか、わかるだけすべて伝えるようにしてください。たとえば「1時間ほど前に、ミルクを入れたドリップコーヒーをマグカップ1/3くらい」といった具合です。
もし誤飲を確認しても、自分で吐かせようとするのはやめましょう。不適切な方法で嘔吐させると、胃や腸を傷つけたり、誤嚥性肺炎を引き起こしたりする危険性があります。
また、誤飲した量が少しであっても、様子を見ているうちにみるみる悪化することもあります。ためらわずに動物病院を受診し、できるだけ早く対処するように心掛けましょう。
まとめ
コーヒーに含まれているカフェインは、私たちの医薬品などに使用されるほど、身体に影響のある成分です。猫は人間よりも身体が小さく、耐性もないため、コーヒーを誤飲してしまうと、場合によっては重篤な中毒症状を引き起こす可能性があります。
猫の舌は、もともと毒物を避けるため「苦み」に敏感に反応するようにできていますが、ミルクやクリームなどで苦みの和らいだコーヒーは、猫が誤飲してしまう可能性が考えられます。
飲み残しのカップを舐めてしまった、こぼれたコーヒーの粉がついた手を舐めてしまったといった事故は、実際に何件も報告されています。もし飼い主が注意を怠ってしまったら、猫の誤飲を防ぐことがむずかしいかもしれません。
愛猫が中毒にならないように、有毒な物質は猫が触れないように管理しましょう。
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