1.「接近する」「立ち止まる」の駆け引き上手
もともと野生で生活していた猫は、狩りをして獲物を捕まえて、自分の食料にしていました。
人間とともに生活するようになっても習性に変わりはなく、狩猟本能を持っており、ときとして猫はハンターになります。
獲物が別の方向を向いているとき、食事に集中しているときが絶好のチャンスとなり、ササっと距離を近づけていきます。
そして獲物が猫に目を向ければピタリと静止し、自身の存在を悟られないように周囲の環境と同化します。
この接近する、立ち止まるの動作の繰り返しは、まるで「だるまさんがころんだ」をしているかのようです。
猫に備わっている優れた瞬発力と反射神経が、瞬時に行動を変えるのに役立っているのでしょう。
2.足音を立てない忍び足
猫がふとそばに現れてビックリした、というような経験をお持ちの飼い主さんは多いかもしれません。
気づかれないように接近できるのはなぜでしょうか?その秘密は肉球と爪にあります。
厚みと弾力性に優れた肉球はクッションとなり、ジャンプをしたときの衝撃や歩いたり走ったりしたときの音を吸収する役割を担っています。
爪も自由に出し入れできるので、爪をしまっているときは足音はしません。
もちろん飼い猫の場合は、飼い主へ自己アピールをするとき、周囲を気にしなくても大丈夫なときなどは、足音を立てる場合もあるようです。
歩くシーン以外には、爪とぎをしたいときやねこじゃらしなどに攻撃するときに爪が出る仕組みになっています。
そのときどきのシーンに応じて、肉球と爪を上手に使いこなしているのですね。
3.視力との関係性
猫は動体視力がよく、猫じゃらしなどの動くものや急に方向転換するものに対しては、素早く反応することができます。
しかし、動いていないものをみる「静止視力」はあまり得意ではないようです。
この視力は人間の10分の1しかないと言われており「だるまさんがころんだ」のように急に振り向いて止まるような動作をすると、猫の視界はぼんやりとしてしまいます。
止まったものにピントを合わせようという目の仕組みにより、自然と立ち止まって静止するようです。
止まっているものをみるのが苦手という、意外な事実にも少しびっくりしませんか?
まとめ
猫にとって「だるまさんがころんだ」は狩りと同じ感覚であり、ただ遊んでいるだけではなく、狩猟本能を引き立たせています。
肉球と爪を自由自在に操り、足音を立てないように近寄って、猫の方に目を向ければピタリと止まります。
動くものをみることが得意な一方、止まっているものをみることは苦手な猫。
ピントを合わせようという目の仕組みは「だるまさんがころんだ」にピッタリなのですね。
しかし、実際にこの遊びをしたくなったら、ちょっとコツが必要です。
死角になる場所や、ある程度距離が離れている場所から試してみて、猫の本能を少しずつ刺激してみましょう。
慣れないうちは、おもちゃで興味を引いてみるのもよいでしょう。
猫じゃらしなどのいつもの遊びとは少し違った感覚でありながら、まるで狩りをしているようなワクワク感に浸れるため、とてもオススメですよ。
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