正常な呼吸の回数
健康な猫の正常な呼吸数は、「1分間に20回~30回程度」と言われています。リラックスしている状態だと20回に満たない場合もあるかもしれません。
もちろん、私たち人間と同じように激しい運動をした直後は、正常値より多く呼吸をする場合もありますが、数分で落ち着くのであれば問題ありません。
安静にしているときは呼吸数が少ないのですが、睡眠中の呼吸が、起きているときやそれ以上に早い場合は、何らかの病気が隠れている可能性も考えられます。
また、場合によっては短い時間口を開けて呼吸することはありますが、猫は運動などで疲れても基本的に口を開けて呼吸することはありません。ハァハァと呼吸をしているときは、重大な体の異変が起きているサインかもしれませんので注意が必要です。
ただし、呼吸数で猫の健康状態が完璧に把握できるわけではありません。元気の有無や食欲の有無、症状の有無などを観察して判断しましょう。
平均値とされる呼吸数より多少多かったり少なくても、健康であれば問題ありません。
たとえ正常な呼吸数であっても病気が隠れていることもありますので、呼吸数だけで猫の健康を判断せず違和感を感じたら動物病院で診てもらってくださいね。
異常な呼吸の原因とは
猫の呼吸が早かったり、口を開けてハァハァと息をする「異常呼吸」をするのにはさまざまな原因が考えられます。
極度の緊張状態
猫を動物病院に連れて行くときや、慣れない車での移動など、強いストレスや緊張状態のときに異常な呼吸をすることがあります。
ケガ
高い場所からジャンプした際に着地に失敗したり、ほかの猫とケンカしてケガをすると、痛みに耐えようと口を開けて呼吸することがあります。それだけでなく、肋骨が折れて呼吸器が圧迫されたことによって異常呼吸になる可能性も考えられます。
熱中症
暑い夏や暖房の効きすぎた部屋で熱中症になると、呼吸が荒くなることがあります。熱中症が疑われる場合は、異常呼吸のほかに「耳や顔がいつもより熱い、ぐったりしている、よだれが出ている、いつもより目や鼻が赤い」などの症状がないか確認しましょう。熱中症の場合、死に至る危険性もあるため、速やかな対応が必要となります。
それ以外にも、さまざまな病気が原因で異常呼吸の症状が表れる可能性があります。猫がハァハァと呼吸をする場合、以下のような病気が隠れているかもしれません。
- 猫風邪
- 気管支炎
- 肺炎
- 心筋症
- 血栓塞栓症
- 貧血
ほかにも異常呼吸が表れる病気は多数存在しますが、猫がハァハァと口で呼吸をする場合は、かかりつけの動物病院に相談すると安心です。
正しい呼吸数の測り方
愛猫の普段の呼吸数を把握しておくと、健康管理につながるだけでなく、素早く異変を察知するきっかけになります。
ここからは、猫の正しい呼吸数の測り方についてお話いたします。
呼吸数を測るときは、猫がリラックスしているときに、1分間で胸が上下する回数をカウントします。胸が上下する回数を1呼吸と数えて、1分間の呼吸数を測ってみてください。
眠っているときなどの安静時であれば呼吸もゆっくりであるため、観察もしやすい可能性が高いです。
猫が1分間じっとしているのが難しい場合は、10秒間測定した数を6倍にしたり、15秒間測定した数を4倍にすると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、猫の正常な呼吸や、ハァハァと口で呼吸する際に考えられる理由についてお話しいたしました。
猫の呼吸が早くなったり、ハァハァと口を開けて呼吸をする理由はさまざまですが、一刻を争う重大な病気が隠れている可能性もあるため、異変を感じたらすぐに動物病院に相談してくださいね。
呼吸が早かったり、苦しそうにハァハァと息をする愛猫を見ると、飼い主さんも思わず慌ててしまうと思います。
しかし、慌てる飼い主さんを見て、愛猫はますます不安を感じてしまうかもしれませんので、まずは飼い主さんが落ちくことが何より重要です。
すぐに異変に気付いてあげられるように普段の呼吸数を把握し、愛猫の健康を守ってあげてくださいね。
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