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猫が『咳』をするときに考えられる6つの病気と対処法 そもそも猫の咳ってどんな感じ?


咳が出る猫の病気6つ

むせる黒猫

私たち人間は自分の意志でも咳払いができますが、猫は基本的に咳をしない動物です。それでも咳が出てしまうときは、気道や呼吸器系の問題が考えられます。

どのような病気が考えられるか紹介します。

1.咽頭炎

「咽頭(いんとう)」とは、鼻やのどから食道までの吸い込んだ空気と食べ物が通るところです。肺に通じる空気だけのルートは「喉頭(こうとう)」といいます。

咽頭炎はウイルス感染、細菌感染、化学物質、異物などが原因となり、これらが引き金となってのど、鼻、気管など周囲の粘膜が炎症を起こします。口内炎から派生することもあります。

症状には咳や声のかすれ、発熱、食欲不振、息を吸ったときの呼吸困難などが見られます。

2.気管支炎

気管支炎の原因には、ウイルスや細菌・真菌、寄生虫による感染症やガス・煙などの物理的な刺激などがありますが、気道の病気が拡大することで発症する場合もあります。

急性の場合、発熱や呼吸困難があり、初期は痛みをともない体力を消耗します。2ヵ月以上続いて慢性化すると突発的に激しい咳を繰り返します。

3.喘息

猫にも喘息があります。喘息の場合は気道が炎症を起こし、空気の通り道が狭くなるのが特徴です。アレルギー性気管支炎を「猫喘息」と呼ぶこともあります。

喘息は、呼吸時にゼーゼーという音がするのが特徴です。激しい咳と呼吸困難をともないますが、体温は正常であることも少なくありません。

悪化すると、冷たい空気を吸い込むことでも発作が出るようになるため、気管支拡張剤やステロイドの使用、状態により酸素吸入が必要になります。

4.肺炎

肺炎を起こすと湿った音の咳がみられることもあり、高熱が出て、食欲低下をともないます。子猫の場合、ほんの数時間で急激に悪化することもあるため特に注意が必要です。

猫の肺炎は、細菌感染や寄生虫(猫回虫など)の感染、アレルギーなど、さまざまな原因によって発生します。猫の場合は、幼猫や老猫の誤嚥による肺炎も少なくありません。

ワクチン接種や寄生虫駆除で、感染症による肺炎の発症リスクは抑えられます。アレルギーの原因となるハウスダストやカビなどは常に家中にあるため、生活環境の定期的な清掃は肺炎発症の予防にもなります。

5.気道内異物

気道の中に異物が入ってしまうと、侵入物を出そうと反射的に強い咳が出ます。侵入物の大きさによっては、よだれ、呼吸困難、窒息が起こる危険な状態です。

異物が小さい場合でも粘膜へ刺激を与えるため、咳の原因となり、気管支までに入り込んでしまうと、部分的な肺炎を起こすこともあります。

咳き込んでいる間に自力で排出できる場合もありますが、呼吸がおかしい場合は早急な処置が必要です。

6.腫瘍・がん

のどから肺にかけて腫瘍やがんができると、咳が出ることがあります。

腫瘍には、その場所に直接発生する原発性とほかの臓器のがんが転移してできる転移性腫瘍があります。

肺がんは、初期にはあまり症状がみられませんが、以下の症状があると、かなり進行している可能性があります。

  • 呼吸困難
  • 食欲低下
  • 発熱
  • 痩せる

猫が咳をするときの対処法

猫を抑える獣医師

猫が咳をするときは、頭を下げて、肺・気道・口を水平にして、喉の奥から勢いよく空気を吐き出します。音はあまり大きくなく、「ケッケッ」「ヒュッヒュッ」「ゼーゼー」と聞こえることがあります。

猫はホコリや粉末状のものを吸ってしまったり、お水を飲むタイミングを誤ったりで、一時的に咳き込むこともあります。すぐに治り、再発しないようであれば様子を見ていても大丈夫です。

しかし、咳が長く続き、元気や食欲がない場合は注意が必要です。状態によっては呼吸困難を引き起こす可能性があるため、早めの処置が必要となります。

病院を受診する時のポイントとしては、

  • 咳のきっかけ
  • 頻度
  • 呼吸の様子
  • 咳以外のほかの症状の有無

などを伝えることが大切です。

正しい情報を獣医師に伝えるために、咳や呼吸の様子を動画に撮っておくのも良いでしょう。

病気の予防と日常のケア

涙目のチャトラ

猫の咳をともなう病気の原因には、

  • 感染症
  • 化学物質の吸引
  • 誤嚥

などがあります。

感染症に関しては、ワクチン接種や寄生虫駆除が有効です。

多頭飼いで感染症持ちの個体がいる場合や新規に野良猫を保護したときなどは、隔離して接触させないなどの対策が必要です。生活環境は清潔にして、適宜消毒なども行うとよいでしょう。栄養バランスの取れた食事やストレスの少ない毎日は体力を保つための基本となります。

もし、猫が連続で咳をするようなときは、すぐに病院を受診することが必要です。早期の治療が病気の進行を防ぐことが可能になります。定期的な健康診断も病気の早期発見につながります。

猫の元気な姿を維持するために、日頃のちいさなケアを心掛けましょう。

まとめ

聴診器を当てられる猫

めったに咳をしない猫ですが、異物でむせたときなどに咳をすることがあります。また、継続的に咳をする場合は、病気の可能性も考えられます。

咳をする可能性のある病気には、

  • 呼吸器の炎症
  • 腫瘍

などが考えられます。

感染症が原因となることもあるため、予防のためにもワクチン接種も検討しましょう。寄生虫の駆除やすでに感染している個体の隔離飼育は必須です。

猫の咳には重症化するものがありますので、軽視せず、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。


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