1.不適切な食べものを与えてしまう
元気に暮らすための基本のひとつが食べものです。気を付けているつもりでも、愛猫を大切な家族だと思い、つい人間と同じような価値観で考えてしまうことがあります。
猫に禁忌であるネギやにんにくは、自分で調理するときは注意していても、加工した商品になってしまうとわからなくなってしまうことがあります。うまみを出すためにオニオンパウダーやガーリックパウダーの入っている製品は意外にあります。食卓にある食べ物を、猫が舐めたりしていませんか?
また、犬用のおやつには、猫にとって危険なプロピレングリコールが添加されているものもあります。犬と猫の両方を飼っている家庭では、仲良く与えるつもりで誤食させてしまう危険があります。
猫の健康を考えた場合、与える食べ物は総合栄養食のキャットフードを基本として、猫用以外の食べ物は誤食も含めて口にさせないように注意するほうがよいでしょう。
2.肥満防止対策を怠ってしまう
実は現在の猫の多くが肥満気味であるという研究結果があります。完全室内飼いの猫にとって、肥満対策は気にしておきたいことのひとつです。
総合栄養食のドライフードはウエットフードに比べて、少量でも十分な栄養が摂取できるようにできています。一方で、食欲旺盛な猫がドライフードをお腹いっぱい食べてしまうと、カロリーを摂りすぎる原因にもなってしまいます。
猫に必要な炭水化物は食事中35%以下。炭水化物は、糖質と食物繊維です。摂取しすぎた糖質は、体の中で脂肪となり蓄積されてしまいます。
肉食動物である猫の体の仕組みから見れば、タンパク質を十分摂っていればアミノ酸から糖を作れるため、糖質をたくさん摂取する必要がないのです。
市販のキャットフードは製品の安定性から糖質0のものはないため、できるだけ炭水化物の少ないフードを選び、定期的に遊んで十分に運動させることが大切です。
※フードの炭水化物の割合を計算してみよう
炭水化物=100ー(タンパク質+脂質+灰分+繊維+水分)
3.小さなストレスを放置してしまう
完全室内飼いの猫にとって、おうちの中は猫の人生そのものです。雨風をしのげ、季節の寒暖も緩和される快適な空間ですが、ストレスの原因となるものがあった場合、そこから逃れられないのも事実です。
音、ニオイ、明るい照明、同居のペット、あるいは家族の不規則な帰宅時間など、飼い主にとっては当たり前の要素でも、猫にとってはストレスの原因となってしまうこともあります。
猫の聴覚は、最高音域が75,000Hzくらいまで聞こえます。人間は20,000Hzくらいまでしか聞こえないのでかなり高い音が聞こえていることになります。ます。また、嗅覚に至っては人間の数万〜数十万倍も嗅ぎ分けられるといわれています。
お部屋の音やニオイ、愛猫にとっては快適でしょうか?
もし、猫に過剰な毛づくろいや攻撃的な行動など、ふだんの態度に変化が見られた場合、ストレスサインかもしれません。
4.猫のとってのトイレの重要さを理解していない
猫はニオイに敏感な動物なので、特にトイレは快適にしておきたい場所のひとつです。
砂のほうは毎日掃除していても、トイレ本体も定期的に洗わないと細かい傷からニオイが染みつくことがあります。人間にはあまりにおわなくても、多頭飼いの家庭であれば、ほかの猫のニオイが原因で排泄をギリギリまでガマンする原因になってしまうなど、ストレスや健康問題を引き起こす要因となってしまいます。
そうならないためにも、トイレ本体は月に1回程度は丸洗いしましょう。頻繁に洗えない場合でも、定期的に砂をすべて取り出し、ペットのトイレ用除菌スプレーを使って、中をよくふき取るだけでもだいぶキレイになります。
猫の排泄物には、人にも感染する菌や寄生虫(サルモネラやトキソプラズマなど)もありますから、できれば使用後はできるだけ早く片付けるなど、猫のトイレはいつも清潔を保つようにしましょう。
5.適切とはいえないケアをしてしまう
愛猫の健康管理においては、飼い主の小さなこだわりや思い込みが思わぬ影響を及ぼすことがあります。
たとえば猫の体調不良です。猫は体に不調があっても上手に隠す傾向があるため、早期発見が鍵となります。
もし、愛猫がずっと寝ていて食事もしようとしない場合、しばらく寝かせたままで様子を見ることもあるでしょう。健康な猫がただ眠たいだけなのであれば問題ありません。
しかし、ワクチン後のアナフィラキシーによる昏睡や幼猫の発熱など、観察しているだけでは、ほんの数時間で命にかかわるケースもあります。
体調不良の猫の様子を見るときには「どうなったら治療が必要か」「万が一の時の対処法」など、健康管理の知識を持っておく必要があります。そうでない場合は、すぐに動物病院へ行く方が安心です。
また、自宅で猫のヘルスケアに取り組む場合、インターネットの口コミなどから、自己判断でサプリメントや個人輸入の動物用医薬品を使用する場合も慎重に行いましょう。できればちゃんと獣医師に相談してからをお勧めします。
「ネットにイイって書いてあったから」という口コミが商品の宣伝なのか、ほかの猫にとって良かったかはあまり問題ではありません。大切なのは、愛猫に必要なのものか、使用しても問題のないものかどうかです。
愛情が先走った行動は、逆に害をもたらしてしまうこともあります。使用する前に獣医師に相談するなど、冷静な判断が不可欠です。正しい情報に基づいたケアをしましょう。
まとめ
猫の健康を害してしまうNG行動、うっかりしていたことはありませんでしたか?
愛猫の健康のためには、食事は炭水化物がほどよく調整されている総合栄養食のキャットフードを中心に与えましょう。おやつはほどほどに、人間の食べ物(特に加工食品)は与えないようにご注意を。
そして、猫のストレス要因にもなる部屋の明るさや音、トイレをはじめとしたニオイのストレスも見逃さないようにしてください。
猫のヘルスケアに関しての自己判断はとても危険です。サプリメントや動物用医薬品は、ネット情報や口コミだけに流されず、かかりつけの獣医師に相談しながら適切に使用しましょう。
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