1.ラベンダー
ラベンダーは人に対してリラックス効果や鎮静作用があることからアロマオイルやハンドクリームなど、さまざまなものに利用されていますが、猫にとっては中毒を引き起こす原因となるハーブの1つです。
ラベンダーに含まれる「リナロール」「酢酸リナリル」などの成分が、猫の肝臓・腎臓に悪い影響を及ぼします。
猫が興味を持って花や葉を口に入れたり匂いを嗅いだりすると、約2〜8時間ほどで下痢・嘔吐・けいれん・異常行動といった症状が表れ、症状が重くなると死亡してしまう可能性もあるのです。
植物そのものも注意が必要ですが、ハーブの成分を凝縮して作られるエッセンシャルオイル(精油)は特に危険で、舐める・嗅ぐといった接触に加えて、猫の皮膚から吸収されて中毒症状を引き起こすケースもあります。
2.ティーツリー
抗菌作用がありスキンケア製品などによく使われているティーツリーも、猫にとっては毒になるハーブです。
「テルピネン-4-オール」というピネン類の成分が猫の肝臓や神経にダメージを与えます。
ティーツリーの成分が付いた手で撫でた部分を猫が舐めてしまったり、匂いを嗅いだ時に成分を吸い込むと、数時間程度で嘔吐・めまい・脱水・低体温・運動失調などの中毒症状が出ます。
ラベンダー同様に、中毒が重くなると昏睡状態に陥ったり死亡する例もあるので十分な注意が必要です。
ティーツリーはエッセンシャルオイルや化粧品、消臭スプレーなど身近な商品に含まれていることが多い分、猫に触れてしまう可能性が高いものです。
成分表示を見てティーツリーが含まれていないか確認するなど徹底した対策を行いましょう。
3.セージ
肉料理の臭み消しなどに使用されることがあるセージ。
消化の促進や精神安定など、さまざまな効能がありますが、猫に与えてしまうと中毒により苦しめてしまう可能性があるハーブです。
セージには「タンニン」というポリフェノールの一種が含まれていて、猫が大量に摂取すると胃腸や腎臓障害を引き起こし、下痢や嘔吐といった症状が表れます。
また、成分の1つである「ツヨン」が高濃度で含まれるエッセンシャルオイルは、猫が舐めたり吸い込むとよだれを垂らす・ふらつきなどの神経症状を引き起こします。
人間にとっては良い作用が期待できるだけについアロマを焚きたくなってしまうかもしれませんが、猫のことを考慮して別の方法に切り替えましょう。
ハーブを摂取してしまった時の対処法
愛猫が危険なハーブを摂取してしまったかもしれない時は、何よりもまず動物病院を受診しましょう。
摂取後に数時間経ってから症状が出てくることもあるので、発覚した時点で速やかに獣医師に相談することで回復の可能性が高まります。
もし現在猫を飼っている・これから飼う予定のある方で、今回紹介したハーブを使った商品やエッセンシャルオイルを使っているならば、使用をすぐに中止してください。
場合によっては、頂き物の品物にハーブの成分が入っていることもあるかもしれません。その場合は、猫が触れられない場所に置くなどの対処をしましょう。
まとめ
人間にはたくさんの効能や作用をもたらしてくれるハーブでも、猫の命を脅かしてしまうものかもしれません。
「好きな香りだから」「落ち着くから」と安易に使うのではなく、猫にどんな影響があるのかを調べてから選ぶようにしてくださいね。
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