心の準備もなく、突然訪れる『突然死』。
『昨日まで元気だったのに…』『さっきまで普通だったのに…』急に倒れ、帰ってこない、一番『死』を受け入れることが難しい死に方ではないでしょうか。
人間にも『突然死』がありますが、猫にも『突然死』はあるのです。
猫が突然死する主な原因となる病気はどのようなものなのでしょうか。
予防法も知っておけば、悲しすぎる猫との『突然』の別れがなくなる可能性もあるかもしれません。
飼い主として知っておきたい猫の突然死の原因と、予防法をご紹介します。
◆フィラリア
『フィラリア』と聞くとどうしても『犬の病気』だと思われがちです。
実際に猫がフィラリアになって初めて『猫もフィラリアになる』と知る人がいるほど、フィラリアは猫の病気としての知名度は高くありません。
『フィラリア症』とは『犬糸状虫』いわゆる『フィラリア』という寄生虫が、心臓の動脈、主に肺動脈に寄生して起こる病気のことです。
フィラリア症になるとアレルギー反応を起こし、アナフィラキシーショックを起こしてしまい、ペットか死亡してしまうことがあると言われています。
寄生虫の名前にも『犬』がついている通り、フィラリア症自体は犬のかかりやすい病気です。
しかし、フィラリア症に猫がかからないわけでも、猫がフィラリアに寄生されないわけでもありません。
猫にフィラリアが寄生することはあまりないようですがフィラリアは猫にも寄生し、犬の場合と同じように猫の肺動脈に寄生をします。
フィラリアが猫に寄生したときに、アナフィラキシーショックを起こさない場合も多いのだそう。
アナフィラキシーショックを起こさないのであればなぜ猫の突然死にフィラリアが関係するの?
と思うかもしれません。
猫がフィラリアに寄生されるとアナフィラキシーショックで死亡するのではなく、肺動脈にフィラリアが詰まってしまい、猫が呼吸困難に陥り突然死に至ってしまうのだそう。
フィラリア自体はやがて猫の体内で死んでしまい、死んだフィラリアの体が血管につまることで突然死を引き起こすのだと言われています。
犬もそうですが、猫も『フィラリア予防』をしておけばフィラリア症は防ぐことができます。
冬以外はきちんとフィラリア予防をしてあげましょう。
◆心筋症
猫の心筋症には3つのパターンがあり、肥大型・拡張型・拘束型があります。
そのなかでも猫に多いのは『肥大型心筋症』です。
肥大型心筋症とは何の原因もないのに猫の心筋が分厚く肥大してしまうことを指します。
心筋が肥大することで心臓が圧迫され心不全などの突然死を招くようです。
また詳しいことはまだわかっていませんが、メスよりもオス猫に発症しやすく、遺伝子的にメイクーンやラグドールは肥大型心筋症になりやすいのだそう。
またブリティッシュショートヘアやアメリカンショートヘア、ノルウェージャンフォレストキャットなどの猫種は血縁のなかに心筋症の猫がいると発症することもあるようです。
心筋症になりやすいと言われている猫種はあるものの、心筋症は日本猫のような雑種猫も、仔猫も発症することのある病気です。
そして悲しいことに心筋症には『予防法』というものもないと言われています。
心筋症に猫がなっていても猫によって病気の進行は様々です。
本当に無症状のまま猫が突然死することもあれば、徐々に異変が起こり病気を発見できる場合もあります。
猫が息苦しそうだったり、猫の足が麻痺をしているなどなにか異常があれば心筋症の可能性もあります。
心筋症は早期発見でも猫の予後が変わらない場合もあるためなんとも言えませんが、早めに病気を見つければ後悔することは少なくなります。
観察して異常があれば病院で相談しましょう。
◆脳梗塞
脳梗塞というと人間の病気しかイメージがないかもしれません。
しかし猫も脳梗塞になりうるのです。
脳梗塞と脳の血管が細くなったり、詰まってしまうことで脳に必要な酸素や栄養が送られず脳細胞が壊死してしまう病気です。
猫の脳梗塞も人間の脳梗塞と同じく、脳に酸素や栄養が送られなくなったことで発症します。
猫が嘔吐を繰り返したり、意識がなくなったり、麻痺があったり…なにかしら症状が出ることもありますが、突然血管が詰まり、倒れ、猫の突然死に繋がることも少なくありません。
肥満猫や老猫、ストレス過多の猫が脳梗塞になりやすいと言われているので、『太らせない』『ストレスのない』生活を猫にさせてあげることが猫の脳梗塞予防に繋がります。
なるべく健康的な生活を猫には送ってもらいましょう!
予防法がないものも…
突然死に繋がる病気で予防法がないものもあります。
しっかり健康的な生活を猫に送らせながら、悔いがないように猫との生活を送りましょう。