「すべての猫が自信を持って、幸せに暮らせるように」
をモットーに活動しているのは、猫の行動専門家であるジャクソン・ギャラクシー。彼は25年にわたって猫の行動について調べている専門家です。
ジャクソン・ギャラクシーは、動物保護施設や家庭訪問などにより、猫の行動やしつけ方について様々な研究と考察を重ね、ついに、
「もしかしたら、人間は猫を誤解しているのかもしれない」
ということに気づきました。例えば猫の行動ですが、飼い主さんに、
「おたくの猫ちゃんは、毎日どんなことをしていますか?」
と聞いたところ、ほぼ全ての飼い主さんが、
「うちの子は1日のうちほとんどを寝て過ごしているわ。」
と答えたとか。なるほど、確かにそうかも知れませんよね。
しかしジャクソン・ギャラクシーは、この猫の行動に驚きの事実を突き止めました。実は猫は、あなたが思っているよりもずっと行動的でワイルドな性格かも?
それでは、彼が考察した、飼い主が誤解しているかも知れない、猫の習性についてご紹介しましょう。
■猫は寝るよりも「観察」が好き
2009年に、「留守中の猫は何をしているか」を調べるために、猫の首輪にカメラを取り付けて観察する実験が行われました。この実験によって発表された研究結果によると、
「猫は1匹だけで家にいるとき、猫が眠る時間は全体の6%に過ぎない」
ということがわかりました。これとは対照的に、猫は20%以上の時間を窓の外を眺めて過ごしていたそうです。
「猫にとって、窓は人間のテレビのようなものだ」
とジャクソン・ギャラクシーは語っています。猫は動体視力が良いので、動くものに興味を持つ習性がありますが、猫が窓の外を見るという行為は、自分の縄張りを守るための「観察」と「好奇心」を同時に満たせる重要な行為なのだそうです。
飼い主さんは、猫に留守番をさせるときは、窓のカーテンを少し開けてあげることを忘れないようにしてください。
■猫は夜行性ではない
夜中の運動会で悩まされた経験のある飼い主さんは、
「仕方ない。猫は夜行性なんだから。」
と諦めて布団をかぶって寝て経験があるかも知れません。しかし最近の猫は、どうやら夜行性ではなくなって来ているようです。
もともと猫が夜行性だった理由は、主な獲物であるネズミが明け方と夕方に活動的になるため。自分の食事タイムに合わせていたら夜行性になってしまった、というのが理由です。
しかし最近の家猫で、ネズミを主食にしている猫はほぼいないでしょう。猫の食事タイムは、飼い主さんが起きている時間。すなわち猫は、飼い主さんの行動パターンに合わせて眠るように変化しているそうです。
猫が夜行性、というのは、過去の話かも。そういえば、我が家の猫も、睡眠も起床もほぼ私と同じです。。。
■猫は睡眠よりも毛づくろいが大事
そうは言っても、うちの猫は寝てばかりいるけど。。。と思ったあなた。実はその猫の姿は、寝ているようで寝ていないのです。
猫は1日に15、16時間は寝ている、とよく言われますが、睡眠には、ぐっすり眠る深い眠りと、意識は覚醒したままの浅い眠りがあります。
猫の睡眠のほとんどが浅い眠り。実際に猫が熟睡する時間は1日にたったの4時間程度だそうです。
そんな猫にとって、睡眠よりも大切なのが毛づくろいです。なんと猫は起きている時間の30~50%は毛づくろいをしているのだとか。
この猫の習性は家猫も野良猫も変わらないそうです。なぜ猫はそれほど毛づくろいが好きなのでしょう?
それは、猫は自分の体を舐めることで清潔を保ち、よけいな匂いを付けないのはもちろんですが、自分の気持ちをリラックスさせたいときにも毛づくろいをするからです。
母猫はペロペロと子猫を始終なめて育てます。そのときの安心感、気持ち良さを、猫は自分で毛づくろいすることで思い出しているのかも知れません。猫にとってはリラクゼーションの一環でもあるようです。
■最後に
猫の習性。寝てばかりと思っていた猫ですが、意外に行動的でした。そして猫は等しくマザコンのようですね。
ちなみに飼い猫の1日の行動は、
・毛づくろい:50%
・窓から外を眺める:21.6%
・寝る:6.1%
・シンクの中にいる:1.7%
・他の動物と戯れる:11.8%
・食べる、飲む:4%
・おもちゃで遊ぶ:5%
・パソコンを見る:6.1%
という結果だったそうです。ただしこの数値はあくまでもおよそのデータです。猫は1匹1匹個性がありますから、平均的な数値として頭に入れておいてくださいね。