『猫は水が嫌いらしい』ということは猫好きではなくても知っているような猫の『特徴』です。
まれに水が好きな猫もいますが、基本的に猫は濡れるのをいやで、水が苦手だと言われています。
我が家で預かっていたスフィンクスも猫らしく、水が大の苦手!
特にお風呂は本当に苦労しました。
スフィンクスは品種的にお肌のケアがとても大変な猫。
預かっていた間も毎日蒸しタオルで体を拭いてあげて保湿剤を塗って…などのケアも必要だったのですが、お風呂でのケアはスフィンクスにはマスト。
水が苦手なのでなるべく回数は減らしていましたがお風呂には絶対にいれなくてはならず、そのたびに引っ掛かれ、鳴き叫ばれ、噛まれ…猫をお風呂にいれるだけでぐったりとしてしまうほどでした。
そんなスフィンクスとは反対に、普通の日本猫の我が家の飼い猫は水が平気な猫。
お風呂にいれるのもかなり楽でシャワーで濡らすのも、湯船に一緒に入るのもまったく嫌がらずどちらかといえば気持ち良さそうにしている、猫のなかではちょっと変わった猫です。
なぜそれほどまでな猫のなかには『水』を嫌う子と『水が平気』な猫がいるのでしょうか?
猫が水を嫌う理由と『水好きな猫』が生まれる原因を探ってみました!
◆猫が水を嫌う理由
猫が水を嫌う理由は、体が濡れることが『死』を連想させるからだと言われています。
猫の祖先であるアフリカヤマネコが暮らしていたのは、昼と夜の寒暖差の激しい砂漠。
激しい気温の変化から身を守るために猫の毛皮は暑いときには断熱ができ、寒いときには保温ができる、かなり優れた機能的な毛皮になりました。
上下2層に分かれた毛は2層ともふわふわで機能的、しかも肌触りも抜群!なのですが、そのぶん体からでる脂分は体に行き渡りにくく、毛で水を弾くことはできません。
一度猫が濡れると、乾くまでに時間がかかるのは脂分が少なくフワフワの毛のせいなのです。
日本で飼われている猫のように気温差があまりなければ、体が乾くまでに時間がかかったとしても『死』につながることはないかもしれません。
しかし猫の祖先達が暮らしていた砂漠では夜に体が濡れていては、寒暖差のせいで体温が奪われてしまい、命を失う可能性があったのです。
いまだに『体が濡れることは怖いこと』という記憶がまだ猫に残っているため、猫は水が苦手なのでしょう。
猫の水嫌いは本能に近いものなのかもしれませんね。
また猫は他の動物ほど毛皮が水をはじかないため、体濡れると毛がベッタリと体に張り付き単純に『不快感』を感じ、嫌っている面もあるのだとか。
どちらにしても、猫の魅力でもあるモフモフが猫の『水嫌い』にしている主な原因だったようです。
◆なぜ水が平気な猫がいるの?
品種的に水が平気!という猫も少なからずいるようです。
同じ猫科でも虎は割りと水好きなので、猫のなかにも水が好きな品種がいてもおかしくはありませんよね♪
また、イリオモテヤマネコやスナドリネコなど、ヤマネコでも水が好きだったり、泳げる猫もいるので、猫科が全体的に『水が嫌い』というわけではないようです。
しかし我が家の飼い猫は水が好きな品種でもヤマネコでもなく、普通のキジトラです。
けして『水好き』に分類される品種や柄ではありませんが、なぜ『死』を連想する水が平気なのでしょうか?
猫が水を平気になる秘密は猫の『幼少期』にあるのだそう。
猫は生後2週~9週までにあったことを覚え、その期間の『社会』に順応していきます。
その期間に母猫と一緒に猫の社会や常識を学ぶのです。
しかし我が家の飼い猫は生後2週前の生後10日で屋根から落ち、我が家に保護されました。
そのため我が家の猫は猫の社会をまったく知らず、私との生活から社会を学び、私の生活に順応していったのでしょう。
保護したばかりの頃は違いましたが、生後2ヶ月前にもなると私を追ってお風呂場まで猫がやって来るので、自然と猫とも一緒にお風呂にも入るようになっていました。
無理やりお風呂に入れたわけでも、お風呂や水で怖い思いをしたわけでもない我が家の猫は『社会になれる大切な期間』の最中に『水やお風呂は怖くない』と学習したため、『水が平気な猫』へと成長したのでしょう。
他の水が平気な猫も、やはり『子猫期に水慣れしていた』という猫が多く、小さい頃に水に慣れ『水は怖くない』『水は危険じゃない』という認識が出来ると水を怖がりにくくなるようです。
本能よりも猫の幼少期の記憶の方が勝ってしまう、ということなのかもしれませんね。