考えたくない愛猫の死。この柔らかいモフモフした身体が、いつか動かなくなるなんて、考えただけで気分が落ち込みます。
2018年の6月25日、朝日新聞に掲載された「ペットロスを考える」という記事。ペットを失う悲しみはいまも昔も変わりませんが、ペットロスについての環境には新しく変化が起こっている模様。
今回は、ペットロスについての最新事情を調べてみました。
■ペットロスが深刻になりがちな飼い主には特徴がある
どんな飼い主さんでもペットロスになる可能性はありますが、その中でも深刻になりがちな飼い主さんにはある5つの特徴があることがわかりました。
その飼い主さんとは、
・一人暮らしである
・ペットは猫
・ペットの数は1匹
・一緒に過ごす時間が長い
・ペットとの情報を共有する人がいない
どうですか?もしかしてあなたはこの特徴に当てはまっているでしょうか。一般的に、この5つの特徴を備えているのは、猫を飼う高齢者でしょう。
犬と暮らしていれば、大抵「散歩仲間」がいて、日常の愛犬のあれこれを語り合うことができますが、猫の場合はそれはほとんど皆無。犬よりも飼育がラクと言われる猫ですが、他者との交流は少ないので、ペットロスになりやすいと言われています。
「猫の学校2 老猫専科」(ポプラ社)の著者、南里英子さんは、本の中で、
「猫と暮らす飼い主さんは悲しみを抱え込んで、自分の内面にこもる傾向がある。猫のことを話せる仲間を作って欲しい。」と語っています。
■最近のペットの葬儀事情
2017年10月。アニコム損保のペット保険契約者に対するアンケート結果2439名の回答数から
わかった最近のペットの葬儀事情をご紹介しましょう。
*葬儀、供養にかけた金額
・10,000以下:27.6%
・10,001~30,000円:28.3%
・30,001~50,000円:26.5%
・50,001~70,000円:9.2%
・70,001~100,000円:2.4%
・100,000円以上:2.1%
・無回答:2.1%
*葬儀の後どのように供養しているか
・写真を飾る:73.3%
・自宅で遺骨を保管する:55.7%
・お花を供える:50.1%
・霊園へ納骨:31.4%
・メモリアルグッズを作成する:24.8%
・供養祭へ参加する:11.4%
・遺骨を自宅の庭に埋葬する:10.7%
・散骨:4.1%
・その他:7.0%
■ペットの供養の方法は人それぞれ
ペットは大切な家族。でもペットの供養の方法は人それぞれです。私が知っている中で、一番人間のお葬式に近い葬儀をしてくれるのは、東京都府中市の「多摩犬猫霊園」です。
1921年に宗教法人慈恵院の付属施設として開院したペット霊園ですが、ここでは人間同様の立会葬をやってもらえます。
法式は臨済宗ですが、お坊さんが読経をあげてくれる中で告別式を行い、火葬が終わった後は家族でお骨拾いまでできます。全く人間と同じ仕様です。この場合、金額は三回忌まで合わせると4万から7万円程度です。
ここまでしない、合同葬の場合は小鳥などの場合は7千円、猫で1万4千円、小型犬で1万8千円です。
供養をしない方法もあります。東京都など、多くの自治体ではペットの死体を清掃事務所が引き取って火葬してくれます。骨を戻ってきませんが、手数料は3千円程度です。
■最新のペットロス事情
「ネコちゃんのイヌネコ終活塾」(WAVE出版)の著者、卵山玉子さんは、ペットロスから立ち直る方法として、
①悲しみを言葉に表す:共感してくれる人に話をする、ペットに手紙を書くなど
②無理をしないでゆっくりと過ごす
③ペットとの思い出に浸る:思い出話をしたり、動画や写真を見返す
という方法を紹介しています。
それ以外の新しい試みとして、最近は「デスカフェ」という方法も脚光を浴びています。
この「デスカフェ」とは、スイスの社会学者、バーナード・クレッタズが自分の妻の死を契機に始めた、死を語り合う場所です。
ペット版のデスカフェもあります。猫友が定期的に集まって開く場合もありますし、動物病院などが主催することもあります。ペットロスに悲しむ人が集まり、ペットへの思いを手紙にして読み上げたり、献灯してお互いの悲しみを共有する場所です。
■最後に
いかがですか。ペットとの辛い別れ。私も最近老ネコをガンで失いました。出会ってから1ヶ月との短い付き合いでしたが、亡くなった後、残った病院の薬や使っていたシリンジなどを見ると胸が痛みます。
たかがペット、とは言えないのが日本のペット事情。3世帯に1世帯が何らかのペットと暮らしていると言います。ペットロスは誰にでも起こるもの。ゆっくりと自分を癒す時間を作ってくださいね。