自分の猫を愛さない飼い主さんはいないはず。しかし自分のなにげない行動が、大事な愛猫の心を傷つけ、緊張させ、その結果ストレスになっていることに気づかない場合があります。
私は緊張してストレスを感じると、汗がダラダラ出てきます。ちなみに汗をカラダ中から大量にかくのは人間と馬ぐらいだとか。(カバは赤い汗をかくことがありますが)
そもそも猫は普段からポーカーフェイス。緊張しても汗をかくのは肉球だけなので、ストレスサインが見つけにくい動物。
「怒ってるよ!」と「ご機嫌だニャ」なときはわかりますが、「ストレスを感じてます」という気持ちはなかなか分かりませんよね。
今回は猫がストレスを感じているかどうか見分けるポイントと、飼い主さんがうっかりやりがちな、猫がストレスを感じる5つの行動をご紹介します。
■猫がストレスを感じるとき
なかなか分かりにくい猫の気持ち。しかし猫がこんな様子なら、そのときはストレスを感じている可能性があります。
・逃げたり隠れたりする
・全くグルーミングをしない
・お腹や後ろ足など、部分的なところだけしつこくグルーミングする
・耳を寝かせて、頭の後ろにピッタリと付けている
・瞳孔が拡大している
・ヒゲが後ろ向きになっている
・すぐに動けるような体勢になっている
・そろそろと体を低くしてゆっくりと歩く
猫は個体差が大きく、どんなことにストレスを感じるかは一概には言えません。しかしこのような態度を取る場合、その猫がなにかしらのストレスを感じていると思われます。
猫も人間も、ストレスを感じると免疫力が下がり、病気になりやすくなります。ストレスが病気の直接の原因とは言えませんが、それでもストレスを感じない生活の方が健康的ですよね。
■気をつけよう!飼い主のこの行動は猫のストレスの元になるかも?

①引越しや移動
猫は犬と比べると縄張り意識が強く、自分の匂いがない場所に行くのを嫌います。環境の変化は猫に強いストレスを与えるはず。
中でも猫が苦手なのが引越しや移動でしょう。環境の変化はもちろん、知らない音にビクビクしたり、移動の際に乗り物酔いをすることもあります。
猫が大声で鳴いたり、暴れて逃げようとするのはそれだけ強いストレスを感じてると言えるでしょう。
②爪切りやシャンプー
仕方ないことですが、このような飼い主のお手入れを嫌う猫は多いようです。猫は基本的に体を拘束されて触られるのを嫌う動物。自由に動けないことに恐怖を感じます。
爪切りはご褒美とセットにしたり、シャンプーはなるべく短時間にすませるなど、猫のストレスを最小限にする工夫をしてあげるといいですね。
③トイレの掃除を怠る
猫は清潔なトイレを好みます。トイレが汚れていると用をたすのを我慢することもあるとか。「トイレシートの交換を怠っていたら、猫が結石になってしまった。」という話も聞いたことがあります。
トイレを我慢するのは強いストレスを感じるはず。毎日のことですから、猫のトイレは常に清潔に掃除をする習慣をつけると安心です。
④大声で怒鳴る
猫を直接怒鳴ったわけではなくても、飼い主さんの「怒鳴り声」は猫に緊張とストレスを感じさせます。
「夫婦喧嘩をしてお互い大声で怒鳴っていたら、愛猫が怯えて寝室から出なくなってしまいました。それ以来、猫の態度が変わって甘えてこなくなりました。」
ということも。これはかなり猫のメンタルを傷つけてしまったようですね。
⑤相性が悪い動物との同居
仲が良くない2匹の猫を飼っている人が、1匹の猫だけ可愛がっていたら、その猫と仲が良くないもう1匹の猫が姿を隠すようになってしまった、という話があります。
これは飼い主の愛情の取り合いというよりも、ご飯をくれる飼い主が他の猫に目を向けすぎるため、自分の縄張りに危機感を感じてストレスを感じたせいだ、という見方をするのが正解かもしれません。
猫は嫉妬しない、と言いますが、相性の良し悪しは非常に気になるようです。この場合、飼い主さんがそれぞれの猫に、満足に食事ができて安心できる、落ち着ける場所を用意してあげたところ解決したそうです。
■最後に
いかがですか。猫がストレスを感じる5つの行動。この中で爪切りなどのお世話や、動物病院へ連れて行くときなどの移動は、猫がストレスを感じてもやらなければ仕方ありません。
爪は全部を一度に切らずに、数日に分けて切ったり、病院は混まない時間帯に予約を取るなど、なるべく短時間にすませるように、ちょっと工夫してあげると良いかも知れませんね。