地震大国日本。気象庁のデータによると、世界で起こっている地震のほぼ1/10にあたる数の地震が、日本及びその周辺で発生しているとか。
日本の地震の年間平均回数は、2001年~2010年の気象庁の震源データによるとM3,0~3,9クラスの地震は3,800回以上、M8以上の地震は10年に2度の割合で起こっています。
日本は地震の予知ができる方法を、国家をあげて研究した方が良いのでは?と私は常々思っています。そしてそれは、案外身近な生き物が協力してくれるのではないでしょうか?
そう、今あなたの膝に乗っている愛猫が、もしかして地震を予知できるかも知れません。大阪市立大学名誉教授である弘原海清さんが書いた『地震予知読本動物は警告する!』(隅田文庫・2004年)には、動物の予知能力の証言がたくさん集められています。
残念ながら、まだ本当に動物に地震予知能力があるかどうかに関する「決定的証拠」はありませんが、それを調べる方法はあります。今回は、あなたの愛猫の地震予知力を調べる方法をご紹介しましょう。
■なぜ動物は地震を予知できるの?
動物には人間が感じられないものを感じ取る能力があります。猫にも犬にもあるすごい能力、それは超音波を聞き取る能力でしょう。人間の可聴域は2万ヘルツ程度ですが、猫は6万ヘルツ、犬は5万ヘルツまで聞こえると言われています。
そしてとりわけ猫は優れた嗅覚で空気中の人間が感じられない微力な電流にも反応できるかも知れません。
地震の前には帯電エアゾルという電気を帯びた粒子が放出されるので、それを感じ取っているのかも、という意見もあります。
また地震が発生するとき、直前に地中で大量の岩が砕けるはずです。岩の中には石英などのように圧力が加わると電気を発生する物質を含んだ岩もあります。その電気を感じ取って地震前に動物は異常行動を起こしているのでは?という説もあるようです。
それ以外にも地震の前には低周波が発生して動物を不安にさせるのでは、といった考えも検証されています。
■あなたの愛猫の地震予知力を調べる方法
2007年の3月27日の夕刊、関西版の産經新聞に、
「愛犬が能登半島地震を予知?自宅倒壊、危機一髪」
という見出しの記事が掲載されました。57歳の三宅さんという女性が飼っていたシーズー犬のオス、ジェリーが、その日に限って異常な行動を起こしてくれたので助かった、と書かれていましたが、これだけでは本当に動物が予知できるとは言えません。
あなたの愛猫が、本当に地震予知力あるかどうかを調べるには、まず「異常行動とは何か?」を定義する必要があります。
猫は習慣を大事にする動物なので、「いつもやっている縄張りチェックをしなかった」とか、「猫が散歩から帰ってこない」「激しく鳴いて外に出ようとする」など、異常行動の定義を決めてください。
そしてそこから4つのデータを集めます。
①愛猫が異常行動を起こし、直後に地震が起きた
②愛猫が異常行動を起こし、直後に地震が起きなかった
③愛猫が異常行動を起こさないのに、直後に地震が起きた
④愛猫が異常行動を起こさないのに、直後に地震が起きなかった
この直後、という時間もどれくらいの時間か決めておきます。何時間以内でも1週間でも良いでしょう。そしてそれを1年間は続けてデータを取ってみてください。日本は平均M3,0~3,9クラスの地震は3,800回以上年間ありますから、かなりデータが取れるはずです。
そしてそのデータをもとに、
⑤地震が起きた時に愛猫が異常行動を起こした割合=①÷(①+③)
⑥地震が起きなかった時に愛猫が異常行動を起こした割合=②÷(②+④)
の数値を出してみます。もし⑤と⑥がほとんど同じであれば、地震があってもなくても愛猫が異常行動を起こす率は変わらない、ということになり、⑤の数値が⑥よりもずっと多ければ愛猫には予知能力があるという証明になるはずです。
■最後に
いかがですか。あなたの愛猫の地震予知力を調べる方法は根気はいりますが、意外に簡単に調べられます。日本には3世帯に1世帯は何らかのペットを飼っているそうですから、ペットを飼っている世帯の人が全てこの調査をすれば、動物は本当に地震を予知できるかどうか、科学的な検証ができますよね。
うーん、調べてみたい。都道府県別にデータを取っても、面白い結果が出るかも?皆さんもぜひやってみてはいかがでしょうか。