猫と一緒にくつろげる部屋といえば猫カフェ。最初に台湾に発祥した「猫カフェ」は日本でも大ブームを巻き起こして日本中に広がりました。
ここ25年ほどの間に、猫カフェはヨーロッパにも進出し、北アメリカに上陸してカリフォルニアの猫好きを喜ばせた後、ゆっくりと東へ進み、今ではアメリカの西海岸から東海岸までほとんどの主要都市に定着しています。
しかし猫に詳しい猫好きに言わせると、この猫カフェは猫が喜ぶ生活環境とは言えない、という意見もアリ。猫は予測できない騒音や絶え間なく訪れる知らない来客、強要されるアイコンタクトなどにはうんざりしているのだとか。
「猫が喜ぶ室内環境、インテリアを整えることは人間としての成熟を現します。」
という意見を提唱するのは、動物行動専門家であるジャクソン・ギャラクシー。彼は猫の飼い主に猫を中心としたライフスタイルやインテリアを追求した「キャッティフィケーション」を呼びかけています。
「猫の言葉を学ぶこと、猫のためにリビングのスペースを犠牲にすることは私たちの進化のシンボル。おまけに猫の性格も良くなるしね。」
なるほど。猫との共同生活を快適に過ごすには、それなりの住環境を整えることは飼い主の務めでもありますよね。
ある獣医師は、家庭で飼っている1匹の猫に、1つの部屋全体を専用に使わせることを推奨していますが、日本の狭い住環境を考えるとそんな贅沢、なかなか難しいでしょう。
猫が喜ぶインテリアとは?今回は専門家に聞いた愛猫がご機嫌に暮らせる「7つの対策」についてご紹介します。
■愛猫がご機嫌に暮らせる「7つの対策」
アメリカの著名な獣医師、トニー・バフィントンが上梓した『あなたの家、彼らの縄張り』によると、猫が快適に暮らすためには7つのアドバイスが必要だそうです。
①家全体の照明を暗くする
猫は薄暗い環境を好みます。押し入れや部屋の隅で猫がリラックスしているのをよく見かけますよね。しかし日本の家屋で家全体の照明を暗くするのは難しいかも。その場合は猫が好むリラックススペースのみ、照明を暗くするようにして下さい。
②室内の温度を自動調整温度に設定する
猫は寒いのが苦手です。四季のある日本では気温の変化がありますが、できれば室内飼いの猫のために、室温を一定に保つことは確かに良いかも知れません。
『あなたの家、彼らの縄張り』の本によると、「ほとんどの猫は暖かい29.5度以上の室温を好む」と書いてありましたが、日本ではこの室温はやや高すぎるかも。27~28度程度が適温なのではないでしょうか。
③騒音計を使って室内の人の声が大きくないか注意する
すごい!アメリカ人はここまでやるのでしょうか。騒音計を使う、という発想は日本人にはないかも知れません。
しかし猫が「大きな音をストレスに感じる」のは本当のようです。人間とは比べ物にならない鋭い聴覚を持つ猫は、人の大声や隣家の物音には敏感です。
騒音計を使うまではしなくても、できるだけ静かな声で話すように心がけると良いでしょう。
④不愉快、と思われる匂いを消す
最近日本でもブームになっている香り高い柔軟剤やトイレの芳香剤、室内の除菌スプレーなど、日本人は本当に「匂い」に敏感です。
しかし人にとって良い香りでも、猫にしてみると「悪臭」でしかないのかも。アロマの良い香りも猫にはいけないことは有名ですよね。
他の動物と違って、声や態度で自分を主張をしない猫は、自分の匂い、つまりフェロモンによって自分を主張すると言います。
室内は無臭に近い方が猫にとっては自分の匂いが満たされて満足するのかも知れません。
⑤部屋の家具は動かさない
猫にとってストレスとなるのは「模様替え」です。飼い主さんにとってはちょっとストレスになるかも知れませんが、猫の気持ちを考え、なるべく新しい家具を増やさないようにしましょう。
また、大事な家具を猫の爪とぎにされないよう、家具は猫に引っ掻かれても傷つきにくい、耐えられる素材にした方が安心です。
⑥家族が増える場合は事前準備を
猫にとって新しい家族の存在は「混乱と恐怖」でしかありません。もし人間の赤ちゃんが家族に加わるなら、あらかじめ飼い主の体にベビーオイルやローションなど、赤ちゃんと同じ匂いになるような製品を塗って、事前に猫にクンクンさせておきましょう。
⑦猫の好みにあったおもちゃを与える
猫の性格によって、鳥か昆虫かネズミが好きか好みが分かれます。自分の愛猫がどのような遊びが好きかを把握し、その遊びにあったおもちゃを与えることは大切です。
いかがですか。愛猫がご機嫌に暮らせる7つの対策。猫も人間同様ストレスから病気になると言われています。猫の健康のためにも、愛猫に快適な環境を作ってあげてはいかがでしょうか。