ハチワレ猫のふてぶてしい顔が表紙になっている「ネコ学入門」。これはイギリスのリーズ大学で動物生理学を専攻し、獣医の先生の猫治療の専門意識を高めるための経済的支援団体、インターナショナル・キャットケアの最高責任者、クレア・ベサントの本。
2014年に発行されてから6刷も重版されている猫に関するベストセラー本です。私はこの本を時々目を通すようにしているのですが、いつも面白いなあ、と思うのが、この本の「猫の性格」の部分。
ここまで言い切っていいのかしら、と思うほど、猫の性格についてバシバシ断言しているクレア・ベサント。
例えば同じ猫の本でも、「猫の行動学」の著者、パウル・ライヒハウゼンは長期的に綿密な猫の行動を調査を研究し、写真とともに結果を公表しています。(彼は猫に目隠しして、猫はヒゲが獲物を捕まえる時に役立つことを発見しました。)
しかし「ネコ学入門」の場合は「実際に猫と暮らしてみてわかったこと」を書いている感じ。悪くいえば個人的見解の意味合いが強い本です。
そんなクレア・ベサントが語っている猫の性格、「一番性格が良い猫はペルシャ猫」が果たして学術的に本当かどうかはわかりませんが、彼女の説はとても興味深いのでご紹介しましょう。
■一番性格が良い猫はペルシャ猫
クレア・ベサントは猫の種類によって特有の行動や性格の共通点があることに対して、科学的な研究はほとんどされていない、と断った上で、
「ペルシャ猫は美しいだけでなく、優しくて行儀がよく、リラックスしたのんびりやでおっとりしていて気立てが良い。」と絶賛しています。
そのほか、
「バーミーズは非常に頭が良く、飼い主に忠実で大胆、また要求が強く、無視されたり仲間に入れてもらうことを嫌う」
「アビシニアンは恥ずかしがり屋で人見知り、ソマリは恥ずかしがり屋、ターキッシュバンは活発、ラグドールは我慢強く、アンゴラは人懐こい、ロシアンブルーは物静かでレックスはやんちゃ。」
と猫種の特徴を言い表しています。彼女の説によると、短毛の猫よりも、長毛の猫の方が性格は穏やかで暮らしやすいとか。当たっているでしょうか?
■猫の性格を伸ばすコツとは
そんな彼女が教える猫の性格を伸ばすコツとは?いくつか述べていますが、なるほど、と思った部分を紹介すると、
・人間、犬、他の猫と接触があり、終始人間が猫をかまっている家の子猫をもらおう
・純血種が欲しいなら、見た目ではなくその猫種の性格を考慮して選ぼう
・人との交流に積極的でない猫には、真心と食べ物で励まそう
ということ。これから猫と暮らしたい方はぜひ参考にされてみてはいかがでしょうか。
最後に、これは、と思った一言が、
『猫を追いかけて注目を押し付けてはいけない。猫はもっとあなたから遠ざかるだけだ。』
さすがインターナショナル・キャットケアの最高責任者、猫の気持ちを、よくわかっていますよね。