最近、初めて猫を飼い始めた友人から、こんな相談を受けました。
「猫って幽霊が見えるって本当かなあ?」
う~ん、そもそも幽霊が本当にいるのかどうかもアヤシイと思いますが、友人は猫と暮らし始めてから奇妙なことに気付いたそうです。
「明け方、多分、4時か5時くらいになると、今まで寝ていた猫が、突然部屋の隅に走って言って、ニャーニャー鳴くんだよね。」
まあ、夜明けは猫の行動が活発になる時間ですから、そういうこともあるかも知れません。
「その部屋の隅に、ちょうど仏壇が置いてあるんだけど、その仏壇に向かって、しきりに鳴くんだよ。まるで誰かがそこにいるみたいに。怖くない?」
…確かに怖いです。私だったら、そもそも仏壇が置いてある部屋で一人で寝るのも怖いかも。
しかし!それだけでは猫が幽霊を見えるという証拠にはなりません。彼女の「猫には幽霊が見える」発言の根拠は、
・猫が夜明けに突然鳴き始める(何もない空間に向かって)
・仏壇に向かって鳴く
の2つ。この2つの事例の理由を、猫の習性を考えて冷静に考えてみました。
■猫が夜明けに突然鳴き始めるのはなぜか?
猫はもともと夜行性の動物です。夜目も効く猫は、自分で獲物を探す単独のハンター。夜こっそりと歩き回って獲物を探すことができる能力が備わっています。
そして、猫の獲物といえばネズミです。ネズミは夜中から明け方に活動が活発になる習性があるため、猫もその時間に行動を起こすことがあるといいます。
猫が夜中に突然鳴くのは、人間には聞こえないネズミが歩き回る音や、外で動き回る虫や鳥などの音が聞こえるからかも。猫の聴力は人の8倍あると言われています。アリの足音も聞こえるともいいますから、その音に触発されて鳴いているのではないでしょうか。
■猫が仏壇に向かって鳴くのはなぜか
猫が仏壇に向かって鳴く、これはかなり怖いと思いますが、これも猫の習性を考えると理由がわかるかも知れません。
猫は嗅覚がとても発達した動物です。フードを食べるときは、味よりも匂いを重要視します。クンクンと匂いを嗅いでから食べ始める様子をみたことがある人は多いでしょう。
深夜の部屋、誰もいない空間では、仏壇のお線香の匂いや飾ってあるお花の匂いがするはずです。猫の嗅覚は人の6倍あるといいますから、仏壇の匂いに猫が興味を持って鳴いたりすることは考えられます。
また、猫は仏壇に供えられた水を飲んでしまう、という話も聞いたことがあります。猫にとって、仏壇は幽霊よりも匂いがしたり水が置いてある場所、という認識があるのかも知れません。
いかがですか。猫には幽霊が見えるかどうかはわかりませんが、最近イギリスの生物学者のロン・ダグラス氏の研究で「犬にはUV(紫外線)が見えている」という発見が報告されました。
幽霊は姿は見えなくても紫外線や電磁場としてなら存在している可能性はあるかも?という説もあります。もしかしたら、犬や猫には、幽霊が見えるというより、そういう「感じ取る」能力はあるのかも知れませんね。