『猫に鰹節』という諺がある日本。猫に大好きなものが鰹節という、好物を表す時の例えですよね。
しかしこれは日本だけの特徴かも知れません。猫はもともと砂漠で暮らしていた動物。肉食動物とはいえ、生涯魚を食べたことはなかったはずです。
そんな猫が、日本では好物が魚、というのが常識になっているなんて、ちょっとおかしいと思いませんか?
魚は本当に猫の好物なのでしょうか?もしかして……。
実は猫に危険をもたらす魚介類は結構多いのです。今回は、飼い主さんにぜひ知っておいてほしい、「猫にあげてはいけない魚介類」をまとめてみました。
■アワビはとても危険です!
日本における猫の諺として『猫にアワビを食べさせると耳が落ちる』というものがありますが、これは正解です。
猫はアワビを食べると耳がうるしにかぶれたように赤く腫れ上がります。これはアワビの肝臓が原因。アワビの肝臓には日光に当たると化学反応を起こして毒を作る成分があるのです。
猫の耳はとても薄いので、日光を浴びると反応が出やすい部分です。アワビを食べた猫を放置しておくと耳に皮膚炎を起こし、黒く変色して欠け落ちることがあります。
■煮干し、鰹節、しらす
猫の大好物だと言われている煮干し、鰹節、しらすといった魚介類。ごくたまに少量あげる分には問題はありませんが、おしっこの病気がある猫に与えるのはNGです。
これらはミネラルやカルシウムが豊富で栄養価も高いのですが、塩分も多め。おしっこの病気がある猫に与えると腎臓に負担がかかります。
■イカやタコ
我が家の愛猫はスルメが大好き。しかし猫の健康を考えるとオススメはできません。
イカやタコにはビタミンB1を分解する酵素、チアミターゼという成分が含まれています。これはほんの少し猫に与えただけで、猫の体内のビタミンB1が分解されて神経系に異常が出る場合があります。
『イカやタコを猫に食べさせると腰が抜ける』という諺は本物です!あげるなら、ほんの少しにしておきましょう。ただし生であげてはいけません!
■ねこまんま
ねこまんまという食べ物は2通りあります。ご飯に鰹節をかけたねこまんまと、ご飯に味噌汁をかけたねこまんま、名前はどちらも猫のご飯という意味ですが、2つともNGです。
猫に必要な栄養素は炭水化物ではなく動物性のタンパク質。どちらのねこまんまも塩分の取りすぎにつながります。
いかがですか。猫のNGな魚介類は「青身の魚」も入ります。アジ、イワシ、サバなどは不飽和脂肪酸が豊富なため、猫が食べるとビタミンE欠乏症の原因になります。
誤解されがちな猫の好物。猫の健康を考えるのなら、ぜひ参考にしてくださいね。