2017年7月25日、新聞やメディアで話題になった
「ネコに噛まれて女性死亡」
というニュース。びっくりされた方も多いでしょう。このマダニウィルスは、正式名は重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という病気です。
これは2011年に中国の研究者らによって発表されたブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新しいウイルスによるダニ媒介性感染症で、2013年1月に国内で海外渡航歴のない方がSFTSに罹患していたことが初めて報告されました。
致死率21%、特効薬なしと言われるSFTS。2017年現在まで、日本では266人が発症、57人が死亡しています。
全て西日本で発症しているので、関東圏ではまだ死亡例はありません。とっても怖い病気に感じますが、触ったり空気感染ではうつりません。そして健康なネコ、完全室内飼いのネコならまず問題はありません。また、感染しても健康な人間なら発症しなかったり、微熱程度で重症化しないこともあります。
メディアだけを見て不安になるより、SFTSについて、愛猫のために正しい知識を身につけましょう。
■動物に触るときの注意点
このマダニウィルスが動物から人にうつることは稀です。ただし、弱っている野良猫などの体液、血液、唾液に触ると感染する可能性があります。
完全室内飼いのの猫ならまず問題はないでしょう。ただし日頃から口移しなどの触れ合いを過度にしたりするのは控えた方がいいかも知れません。また、マダニを100%除去する薬もありますから、定期的にダニ退治を徹底することが大切です。
■マダニに噛まれるとどうなるの?
この重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という病気は潜伏期間があります。6日~2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が多くの症例で認められます。
その他頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状などが確認されています。
■SFTSを防ぐ主な対策とは
肌に張り付いたマダニを自分で取ると一部が皮膚に残って化膿したり、体液が体に入ることがあります。皮膚科などを受診して除去してもらうと良いでしょう。SFTSを防ぐ主な対策として、
・弱った野良猫にむやみに触らない
・野山に行くときは肌の露出を控える
・虫除け剤を使う
ことが有効です。
ネコに噛まれて女性死亡、と聞くと、不安になる方も多いでしょう。正しい知識を詳しく知りたい方は、環境省のHPをチェックして見て下さい。
このマダニウィルス、健康な猫から感染することは稀です。高齢者は重症化しやすいといいますが、免疫力の高い健康な人間は噛まれても死にいたることはまずないでしょう。
私も1度、野良猫に噛まれて感染したことがありますが、微熱程度で抗生剤で完治しました。むやみに怖がらず、正しい知識を身につけて下さいね。