昔々の話ですが、祖母に「猫の皮は三味線に使われるんだよ。」と教えられ、その日の晩に怖い夢を見た記憶があります。猫の皮膚はとても薄く、動物の中でも伸縮性に富んでいるのだとか。
そんな猫の皮に生えている被毛は、薄い皮膚を紫外線から守り、防水や体温を調節する働きがあります。
現代の猫の品種はおよそ50種類。その中で、猫の被毛は長毛の猫や、短毛の猫、カールやストレートなど多種多様ですが基本的に「短毛」が基本です。
長毛な猫は実は「突然変異」。偶然生まれた変異の猫を人工的に増やして作った猫種だそうです。
猫は被毛の種類によって性格や気質が変わるといいます。今回は猫の被毛について4つのタイプをご紹介しましょう。
■昔ながらの基本は短毛な猫
もともと猫は昔から「短毛」でした。そのため人工的に増えた「長毛」の猫に比べて性格はワイルドで活発。やんちゃで明るい性格の猫が多いといいます。
また、短毛な猫は、いろいろな猫種ががかけ合わさっているため、遺伝子的にも複雑で様々な要素が含まれているそうです。
そのため人工的に作られた猫よりも、短毛な猫の方が病気に強く、丈夫な猫が多いようです。
■突然変異で生まれた長毛な猫
猫の祖先は砂漠で暮らしていたリビアヤマネコ。短毛で直毛な猫ですよね。そこから偶然生まれた突然変異の長毛な猫が現れ、その長毛を生かすべく寒い地方では長毛の猫が増えて行ったそうです。
人工的に生み出されたせいなのか、理由は定かではありませんが、一般的に長毛の猫は大人しくてのんびりした性格なのだとか。
ペルシャ猫のようにゆったり動く優美な姿は猫ならではの愛らしさですよね。しかし長毛の猫は暑さに弱いのが弱点。
こまめなブラッシングも必要ですし、毛玉ができやすいのできちんとケアをしないと皮膚病などの疾患を発症しやすくなるといいます。
■アメリカで生まれた「巻き毛」の猫
1980年代、アメリカで突然変異として生まれた巻き毛の子猫が「ラパーマ」です。この「巻き毛」の猫は他にも「セルカークレックス」や「デボンレックス」がいます。この3種類の猫が突然変異の巻き毛の猫として品種が確立されています。
■インパクトがありすぎる「無毛」の猫
無毛な猫といえば「スフィンクス」。この猫は1878年にカナダで生まれた突然変異の猫ですが、自力で体温調節や紫外線対策が難しい猫だと言われています。もしこの猫を飼いたいなら、スフィンクス専用の飼育方法を事前に調べておくと安心です。
いかがですか。猫の被毛の話。実は被毛の違いは「遺伝子」によって違うとか。猫の被毛の基本は「短毛」なので、1つでも短毛の遺伝子を持っていれば短毛が生まれます。2つとも長毛の遺伝子を持っている猫のみ長毛な猫として生まれるのだそう。
また「長毛の隠れ遺伝子」を持つ個体もいて、この遺伝子が作用すると短毛の猫同士の子供から長毛の猫が生まれることもあるそうです。猫の被毛はなかなか複雑で面白いですね。