『うちの猫、ビニール袋を猫草代わり食べて毛玉を出すんです!』『ウールのセーターを猫がムシャムシャ食べてたんですけど…』など、猫の【異食】について相談されることは少なくありません。
たまに笑いながら『ビニール食べるのが好きなんですよー』なんて、いう方も…。
猫が変なものを食べて慌てて病院に駆け込む人もいますが、『うんちと一緒に出るしいいや』『どうせ吐くし…』なんて軽く考えている人もいて、【異食】に対しての認識は人によりけりです。
しかし当たり前ですが【異食】はいいことではありません。
軽く考えていいことでもないでしょう。
もし食べた異物が出きっていなければ腸閉塞を引き起こし、猫の命を脅かす危険すらあるんです。
危ない【異食】をやめてもらうにはどうすればよいのでしょうか。
まだはっきりとした医学的な『原因』はわかっていない異食ですが『これが原因ではないか』といわれている原因はあります。
色々な説がある異食の原因をご紹介すると共に対処法もおつたえします。
◆猫種・遺伝によるもの
統計的にみらひとシャム猫やバーミーズなどの東洋が発祥の猫は異食症を発症しやすいと言われています。
しかも東洋系の血統の猫たちはなぜか布やウールなどの繊維質のものを好んで食べるのだそう。
繊維質のものを好んで食べるのは、【ウールサッキング】という名前までついているよくある症状の1つです。
もちろん、色々な仮説はあるものの猫種や遺伝でウールサッキングが起きるのか、なぜ繊維質のものばかりを食べるのか明確にはわかっていません。
◆病気や寄生虫
まれにですが、内蔵疾患やお腹に寄生虫がいて異食をしていることがあります。
お腹に虫がいて出したくて、気持ち悪くて異物を食べて吐き出そうとしているのかもしれません。
今まで異食をしていなかったのに急に異食が始まったのであれば一度病気を疑ってみてもいいかもしれません。
異物を飲み込んでいないか、検査をしてもらうついでに猫の健康診断もしてもらうといいでしょう。
◆遊びの延長で…
ビニールや紐を食べる猫に遊びのありがちなのですが、ビニール袋や紐で遊んでいる最中にビニールや紐の噛み心地が気に入ってしまい、そのまま異食へと繋がるケースもあります。
何気なく遊びで使っていたのに歯応えや噛んだときに鳴る音が妙に気に入ってしまい、口にいれ、そのまま食べることを厭わなくなっさまうのでしょう。
猫自身が異物を噛むことを『気に入っている』ので異食を辞めさせるのは一番難しいかもしれません。
とにかく猫が噛みたがるもの、食べたがるものはすべて隠してしまい猫に感覚を忘れてもらうしかやめさせる方法はないでしょう。
◆ストレスから
異食症を起こす猫は異食症以外にも何かしらの問題行動を起こしていることも少なくありません。
例えば飼い主さんに対して急に攻撃的になったり、逆にベッタリと甘えたになったり、隠れて出てこなくなったり…。
情緒が安定せずに色々な問題行動を起こすなかで『異食』をしていることが珍しくないようです。
もし猫が他の問題行動も起こしているのであれば、猫は何か強いストレスを感じて問題行動や異食をしている可能性があります。
猫が少し精神的に落ち着くにつれ、問題行動や異食が落ち着くことがあります。
ストレスの原因がわかっていて取り除けるものであれば取り除いてあげましょう。
◆ご飯が足りない
かなりシンプルな理由ですが、お腹がすいてご飯じゃないものを食べるということもあるようです。
ただ、猫は賢いので何日もご飯をもらえていないなど極限の状況でなければ、ご飯の代わりに異物を食べることは考えづらいようにも思います。
お腹が減っているだけでなく、必要な栄養素が足りず異食に走ることもあると考えられています。
最近のフードはきちんと考えられて作られているものが多いですが、たまに全然栄養素が足りないフードもあるようです。 そんなときに足りない栄養をその辺にある手軽なものから採ろうと異食をすることも…。
ご飯の量やあげているご飯の成分を見直してみるといいかもしれませんね。
◆親からの愛情不足
母猫から早い時期に離されたねこはウールサッキングをしやすいというデータもあります。
猫は布を【ふみふみ】して親猫を思い出すと言われていますが、母猫から早くに離れた猫は【ふみふみ】がかなり熱烈になってしまうことがあるそう。
ふみふみがどんどんとガブガブに変わっていきそのまま【異食】へと移行することも少なくないようです。
基本的には愛情が足りないことが原因で起こっていると言われているので、常に愛情表現をしてあげることでかなり症状は緩和しますよ。
いかがでしたか?
はっきりとはわかっていない、とは言われていますが『原因』だと思われることは本当にたくさんあります。
では、異食症の猫に治療法はあるのでしょうか?
具体的な対処法や治療法、もし猫が異物を食べてしまったらどうすればいいかなどを後編ではご紹介します。