2016年9月現在、犬や猫を飼っている家庭は全国で1300万世帯。博報堂の生活総合研究所の調査によると、ペットを家族の1員だと思う人は全体の54.6%。
もはやペットは、親・兄弟・姉妹・配偶者・子供の次に来る「第五の家族」と呼ばれているとか。
それもそのはず、2015年の調査によれば、犬の飼育数は991.7万匹、猫の飼育数は987.4万匹ですが、合計すると、ペットの数は現在の15歳未満の人口1,617万人を上回っているのです。
「孫はいなくてもこの子がいれば」
とペットを可愛がる人が増えるのは当然でしょう。今やペットをごく自然に「うちの子は…。」と表現してしまうことは決しておかしいことではありません。
しかしそんな大切なペットとの付き合い方で、懸念する事があります。今からペットを飼っている人が気を付けたい3つの事をご紹介しましょう。
☆①ペットの高齢化は2017年がピーク
ジャパンケンネルクラブの新規登録頭数から経営コンサルタントの西川芳彦氏が推計した統計によると、10~15歳、人間なら63~88歳相当の年齢に値する犬の飼育数が2017年にピークを迎えるそうです。
そして2018年からはペットの数は減少すると考えられいます。2016年から2017年がペットの高齢化を懸念はじめる時期だといえるでしょう。
☆②ペットの高齢化と飼い主の高齢化が同時に始まる
2016年現在、犬も猫も飼育している年代で最も多いのが50代、次が60代です。この年代は丁度親の介護も重なる時期。
ペットの介護と親の介護、そして自分の高齢化と3つの出来事が同時に重なりやすい時期でもあります。
ペットにかかるお金は犬で年間33万9,488円。猫で17万1,216円。いずれもその4割はペット保険を含む医療費だといいます。
お金がかかり、介護もしなければならない、その負担は飼い主には相当覚悟しなければなりません。
☆③「卒ペット」という選択
ペットの癒し効果は科学的にも実証されています。ペットとの触れ合いは幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」を分泌することが分っています。
年を取ってからこそが、ペットとの触れ合いが最も重要な時期だともいえます。しかし、現状では60代以降になると新しくペットを飼おうという人の数は減少しています。
自分が先立ってしまうかもしれない、老人ホームに入る前に「卒ペット」を考える人は多くなるでしょう。
動物愛好家の作家、佐藤優さんは、
「ペットは人間が無理矢理作り出した家畜。この存在に対し、人間が責任を持つのは当然」
だと週刊東洋経済のインタビューで語っています。ペットとの幸せな「卒ペット」は、飼い主の最後の責任と言えるでしょう。
いかがですか。近い未来に起こるであろう、飼い主が気を付けたい3つのポイント。ペットの幸せは飼い主にかかっています。今から少しずつ準備する必要があるのかも知れませんね。