ますます進化するAIアプリには、まるで彼女のように一緒に話してくれるものがあります。
その中でも若者たちに大きな影響を与えているサービスの一つが「Joi AI」かもしれません。
2025年4月、Joi AIはZ世代2000人を対象に調査を行い、そのうち80%が「合法ならAIと結婚したい」と回答したことが明らかになりました。
現実の人間との結婚を望まない人でも、「AIとは結婚したい」と感じる時代が来ているのかもしれません。
目次
- 自分好みのAI彼女に若者は何を思うのか?
- Z世代「Joi AI」ユーザーの80%が「AIと結婚したい」と回答
自分好みのAI彼女に若者は何を思うのか?
近年、「AIコンパニオン」や「AI彼女」といった存在が注目を集めています。
これらは単なるチャットボットとは異なります。
人間のように感情や個性を模したインターフェースを持ち、ユーザーと擬似的な恋愛関係や友人関係を築くことを目的としています。
そして、若者に大きな影響を与えているアプリの1つが「Joi AI」かもしれません。
Joi AIは、テキストチャットだけでなく、音声メッセージやビデオ通話機能も備えた感情特化型AIコンパニオンであり、ユーザーとの継続的な関係性の構築に特化しています。

最大の特徴は、ユーザーが好きなキャラクターを選んだり、自分でキャラクターを作ったりできる点にあります。
外見の雰囲気から性格設定、話し方に至るまで細かく指定できるため、まさに「理想のパートナー」を自分の手で創り出すことが可能です。
さらにJoi AIは、24時間対応のAIとして常に利用可能であり、会話の文脈や過去のエピソードを記憶・学習することで、会話内容に深みや一貫性が生まれていきます。
ユーザーが投稿するメッセージに対し、個別の感情反応や成長のフィードバックを返すこともできるため、時間の経過とともに関係性に“進展”を感じる仕組みになっているのです。
では、こうしたAIアプリは若者の感覚にどんな影響を与えているのでしょうか。
2025年4月、Joi AIは米国在住の10代半ば~20代後半のZ世代2,000人を対象にオンライン調査を実施しました。
調査では、AIパートナーとの感情的な絆、結婚に対する考え、人間の関係との比較などに関して質問されました。
Z世代「Joi AI」ユーザーの80%が「AIと結婚したい」と回答
調査の結果、80%が「合法ならAIと結婚したい」と回答しました。
さらに83%は「AIと深い感情的な絆を築くことができる」とも述べたようです。
Joi AIのZ世代アプリユーザーの大多数は、AIとのチャットを単に楽しんでいるだけではなかったのです。
彼らは、AIを便利で楽しいツールとしてではなく、「感情的な絆」を形成できる「安心できる相手」として見るようになっていました。

「結婚したい」という回答がどこまで本心かは分かりませんが、少なくともAIがかけがえのない存在になっているのでしょう。
もしかしたら、現実の人間よりもAIの方が恋愛対象として見やすいのかもしれません。
では、どうしてこのような調査結果になったのでしょうか。
Z世代にとってAIは、「否定されない」「判断されない」「何度でも話せる」存在であり、ストレス社会における一つの逃避可能なオプションとして受け入れられている可能性があります。
もちろん、今回の調査がどこまで正確に行われたかは分かりません。
アプリユーザー限定の調査なので、感覚が大きく偏っている可能性も否定できません。
それでも確実なのは、「AIは今後ますます進化していく」ということです。
もしかしたら、今は「AIと結婚したいと言っても本気じゃないでしょ?」と感じている人でも、いずれ感じ方が変わるかもしれません。
まるで人間のように反応し、しかも理想的な性格のAIに対して、「結婚したいと思うのも無理はない」と考えを変えるかもしれないのです。
そしていつか、「AI彼女」と結婚式を挙げる人も出てくるかもしれません。
参考文献
Majority of Gen Z would marry an AI, survey says
https://mashable.com/article/gen-z-marry-aritificial-intelligence-joi-ai-survey
ライター
矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。
編集者
ナゾロジー 編集部