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フラボノイドを豊富に含む食品で「寿命が伸びる」と判明


最新の研究により、フラボノイドを多様に摂取することが健康寿命を伸ばす可能性があることが明らかになりました。フラボノイドは、抗酸化作用や抗炎症作用があり、心臓病、糖尿病、がん、認知症などの発症リスクを低下させる効果が期待されています。英国の研究では、12万人以上の40歳以上の成人を10年間追跡調査した結果、多様なフラボノイドを摂取していた人たちは、そうでない人に比べて死亡率や病気発症率が低いことがわかりました。効果的な摂取には、紅茶、ベリー、りんご、ブドウ、ダークチョコレートなどをバランスよく食生活に取り入れることが重要です。特に各種のフラボノイドが相乗効果を生み出し、それにより病気に対する防御能力を高めることが指摘されています。

フラボノイドは、植物由来のポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持つことが知られています。

そしてこのほど、英クィーンズ大学ベルファスト(QUB)らの最新研究で、フラボノイドを豊富に含む食品をよく摂取すると、さまざまな病気の発症リスクが低下し、寿命が伸びることが確認されました。

では、フラボノイドを含む食品にはどのようなものがあるのでしょうか?

研究の詳細は2025年6月2日付で科学雑誌『Nature Food』に掲載されています。

目次

  • フラボノイドが豊富な食品とは?
  • 多様なフラボノイド食品を食べることが大事

フラボノイドが豊富な食品とは?

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Credit: canva

今回の研究は、英国のUKバイオバンクに登録された12万4805人の40歳以上の成人を対象に、平均10年間にわたって健康状態と食生活を追跡したものです。

調査の焦点となったのは「フラボノイド」という天然の化合物。

これは植物性食品に多く含まれるポリフェノールの一種であり、以下のような食品に豊富に含まれています。

・紅茶

・ベリー類(ブルーベリー、ストロベリーなど)

・果物類(りんご、ブドウ、オレンジ、レモンなど)

・ダークチョコレート

・赤ワイン

タマネギ、ピーマン、大豆、ナッツ類

フラボノイドには抗酸化作用や抗炎症作用があり、これまでも心臓病や糖尿病、がん、認知症などとの関係が指摘されてきました。

しかし本研究の新しさは「どれくらいの種類のフラボノイドを日々摂っているか」という“多様性”が、健康寿命に強く影響しているという点にあります。

研究では、被験者のフラボノイド摂取を、量と種類の両面から評価しました。

多様なフラボノイド食品を食べることが大事

データ分析の結果、もっとも多様な種類のフラボノイドを摂取していた人は、そうでない人に比べて死亡率が14%、2型糖尿病の発症率が20%、心血管疾患が10%、がんや呼吸器疾患も8%低かったことがわかりました。

つまり、量ももちろん大切ですが、「いかに多様なフラボノイド食品をバランスよく摂るか」が、健康長寿の鍵を握っているのです。

「紅茶だけをたくさん飲んでも効果は限定的です」と語るのは、本研究の筆頭著者であるベンジャミン・パーメンター博士。

確かに、紅茶は調査対象となった英国人にとって主要なフラボノイド源であり、全体の摂取量の67%を占めていました。

しかしそれだけに頼った食生活では、フラボノイドの種類が偏り、期待される健康効果が最大限に得られないことが示されました。

実際に、最も多様なフラボノイド摂取をしていた人たちは、紅茶だけでなく、ベリー、りんご、ブドウ、柑橘類、ダークチョコレートなどをバランスよく取り入れていました。

これにより、異なるタイプのフラボノイド――たとえばアントシアニン(ベリー類に多い)やフラバノン(オレンジなど柑橘に多い)など――が補い合い、相乗的に健康効果を高めていたのです。

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Credit: canva

また、フラボノイドには「血管の柔軟性を保つ」「細胞の老化を防ぐ」「がん細胞の増殖を抑える」といった多様な作用が知られており、それぞれの種類が異なる働きを担っています。

つまり、多様なフラボノイドを組み合わせて摂ることで、さまざまな病気に対して“多角的な防御”が可能になるというわけです。

フラボノイド食品はどれも手軽に手に入るものばかりなので、日々の食卓に取り入れてみるといいかもしれません。

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参考文献

Tea, berries, dark chocolate and apples could lead to a longer life span, flavonoid study finds
https://medicalxpress.com/news/2025-06-tea-berries-dark-chocolate-apples.html

元論文

High diversity of dietary flavonoid intake is associated with a lower risk of all-cause mortality and major chronic diseases
https://doi.org/10.1038/s43016-025-01176-1

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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