starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

「心の不調」を予防する”最適解”が判明!誰でもできる簡単な方法だった【15の行動の中で1番効く】


現代社会ではストレスが多く、心の健康を守るための予防が重要です。オーストラリアのカーティン大学が行った調査によると、心の健康を維持する上で最も効果的なのは「誰かと会話をすること」です。この行動が他の活動と比べて最も高い影響を与え、日常生活において実践しやすいことが分かりました。他にも、自然の中での時間や運動、スピリチュアル活動、家族との交流が心の健康に寄与することが示されています。特別なことをせず、簡単な行動で心の健康を守ることができるとしています。

現代はストレス社会と言われています。

仕事、人間関係、情報過多など、私たちの心は日々多くの負荷にさらされています。

「メンタルを崩して生活が大きく変わってしまった」という経験を持つ人も少なくありません。

そんな時代だからこそ、心の健康を守るための「予防」がとても大切になります。

そんな中、オーストラリアのカーティン大学(Curtin University)の研究チームが、日常生活に取り入れられる行動とメンタルヘルスの関係を分析しました。

603人の成人を対象に行った大規模調査の結果、心の健康に最も効果があったのは、誰もが取り入れられる“身近な方法”でした。

研究の詳細は、2025年4月28日付の「SSM –Mental Health」誌に掲載されました。

目次

  • 心のトラブルを未然に防ぐ習慣とは?
  • 心の健康に最も役立つのは「誰かと会話をすること」だった

心のトラブルを未然に防ぐ習慣とは?

メンタルヘルスの問題は世界中で深刻化しています。

しかし従来の対策は、症状が重くなってからの治療に偏りがちでした。

研究チームは「そもそも問題を未然に防ぐことが重要なのでは?」と考えました。

そこで着目したのが「Act Belong Commit®(ABC運動)」という西オーストラリア州で2008年から展開されているメンタルヘルス啓発キャンペーンです。

画像
心の健康を保つのに、どんな行動が役立つ? / Credit:Canva

このキャンペーンは「行動する」「つながる」「打ち込む」という3つの柱で、誰もが日常の中で簡単に心の健康を保つ行動ができるよう呼びかけています。

しかし、これまでABC運動で進められているような日常の行動が、具体的にどのように人々のメンタルヘルスに影響してきたかは科学的には明確ではありませんでした。

そこで研究チームは、ABC運動に参加した成人603名(平均年齢49.4歳、男女比ほぼ同等)に電話インタビュー調査を行い、「15種類の日常行動」の頻度と心の健康度(Warwick Edinburgh Mental Well-being Scale:WEMWBSスコア)との関連を徹底的に分析しました。

調査対象となった15種類の日常行動とは以下の通りです。

  1. 家族と会う
  2. 自然の中で過ごす
  3. 運動(身体活動)
  4. 友人や同僚と交流する
  5. 地域イベントへの参加
  6. サークルやクラブ活動への参加
  7. 大規模イベントへの参加
  8. 難しい課題に挑戦する
  9. 宗教的影響(宗教活動の影響)
  10. 社会活動団体への参加
  11. ボランティア活動
  12. スピリチュアル活動(瞑想・祈りなど)
  13. 集中・思考活動(読書やパズルなど)
  14. 他の人(自宅以外)と会話する(オンラインでのチャットを含む)
  15. 他人への支援や手助け

では、どんな結果になったでしょうか。

心の健康に最も役立つのは「誰かと会話をすること」だった

調査の結果、ABC運動参加者全体の92.9%が「心理的ストレスなし」と回答し、WEMWBSスコアの平均は52.6点と比較的高めでした。

そして特に15の行動のうち9つがメンタルヘルスの改善と強く関連していることが分かりました。

中でも最も効果が高かったのは「他の人と会話する」ことでした。

この行動を日常的に行っていた人は、ほとんど話さなかった人に比べてWEMWBSスコアが10.0ポイントも高かったのです。

これは他の行動と比べても突出した効果です。

画像
心の健康に役立つ一番の方法は「他の人とおしゃべりする」だった / Credit:Canva

次いで「自然の中で過ごす」(+5.1ポイント)、「友人・同僚との定期的な交流」(+4.8ポイント)、「身体活動」(+4.3ポイント)、「スピリチュアル活動」(+3.9ポイント)、「読書やパズルなどの集中活動」(+3.8ポイント)、「家族との交流」(+3.7ポイント)も高い効果を示しました。

この結果は、心の健康において「人とのつながり」がどれだけ重要かを示しています。

研究チームは「人は本能的に他者とのつながりを必要としており、会話は心理的安全や安心感を提供する」と分析しています。

また外に出る、体を動かすといった行動も脳内の神経伝達物質(ドーパミンやセロトニン)を活性化させる効果が知られており、これが気分改善につながったと考えられます。

この研究は私たちの日常生活にも多くの示唆を与えてくれます。

大切なのは「特別なことをしなくても良い」という点です。

誰かに話しかける、近所の公園を散歩する、家族や友人と連絡を取るなど、すぐにできる行動が心の健康を守る“鍵”になるのです。

ストレスや不安を感じた時こそ、ぜひこの研究結果を思い出してみてください。

チャットでも構いません。”誰かと喋る”ようにするのです。

全ての画像を見る

参考文献

Best ways to boost mental well-being are free and easy to do, study finds
https://newatlas.com/health-wellbeing/mental-well-being-everyday-activities/

Everyday actions and behaviours linked to better mental well-being: study
https://www.curtin.edu.au/news/media-release/everyday-actions-and-behaviours-linked-to-better-mental-well-being-study/

元論文

The association between participation in mental health protective behaviours and mental well-being: cross sectional survey among Western Australian adults
https://doi.org/10.1016/j.ssmmh.2025.100441

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2025
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.