映画『アイアンマン』で、トニー・スターク氏は空中で手を動かすだけでホログラムを操作していました。
また、『マイノリティ・リポート』では、主人公がジェスチャーだけで情報を自在に操る場面が印象的でした。
「こんな未来が来たら面白いのに」と思った人も多いでしょう。
そんなSF映画のような体験が、ついに現実になろうとしています。
香港のスタートアップCenWatch社が開発した「CenWatch」は、手首に装着するだけで空中でのジェスチャー操作を可能にします。
目次
- SF映画の技術が現実に！操作デバイスの進化
- 手首から生まれる魔法！CenWatchがジェスチャー操作を可能に！
SF映画の技術が現実に！操作デバイスの進化
これまでにも、手の動きだけでデバイスを操作する技術は研究されてきました。
例えば、Leap Motionは手の位置をカメラで読み取ることでジェスチャー操作を可能にし、Apple WatchのAssistiveTouchは手首の動きでデバイスを制御できます。
しかし、これらの技術には限界がありました。
Leap Motionは手をセンサーの前で動かさなければならず、Apple Watchの操作はあくまで単純なアクションに限られています。
また、カーネギーメロン大学（CMU）が2024年に開発したEgoTouchも似たようなコンセプトを持つデバイスです。
EgoTouchは、手のひらをカメラで撮影し、AIによる画像解析を行うことで、スマートフォンやタブレットの操作を可能にします。
この技術は、手のひらそのものを仮想タッチスクリーンにすることができるという新たな可能性を示しています。
そんな中、香港のスタートアップCenWatch社は、腕時計のように手首に装着するだけで、より直感的で精度の高いジェスチャー操作を実現しようとしています。
手首から生まれる魔法！CenWatchがジェスチャー操作を可能に！
CenWatchの革新的な技術の鍵は、手首に装着したデバイス内にあるLiDARセンサーとIMU（慣性計測ユニット）です。
LiDARセンサーは赤外線レーザーを使用し、手のひらや指の位置を1mm単位の精度で検出します。
IMUは、手首と胴体の動きをリアルタイムで解析し、より自然な操作を可能にします。
さらに、CenWatchはBluetoothでスマートフォンやPCと接続し、タップ、スワイプ、スクロール、仮想キーボードの入力など、多彩なジェスチャー操作に対応しています。
この技術により、CenWatchを装着すると空中で指を動かすだけでスマホやPCを操作できるようになります。
また、VRやARデバイスと連携し、より直感的な没入体験を実現できるでしょう。
仮想キーボードを使って、空中で文字入力することも可能です。
しかも本体重量は92gと軽量で、最大10時間連続動作が可能なため、日常生活でもストレスなく使えるはずです。
映画の世界でしか見られなかった「ジェスチャー操作」が、ついに現実になろうとしています。
将来的には、スマホやPCの操作方法が根本的に変わるだけでなく、VRやAR分野においても新たな可能性が切り開かれるかもしれません。
現在、CenWatch社は、クラウドファンディングサービス「Kickstarter」で支援募集中であり、299ドル（約4万5000円）の支援で、1つ入手できます。
今後、この技術がどのように発展し、私たちの生活に浸透していくのか、その未来に大いに期待したいものです。
参考文献
Laser-shooting watch lets you control devices via midair hand gestures
https://newatlas.com/wearables/cenwatch-lidar-midair-hand-gestures/
CenWatch, the Telekinesis Band for All Screens
https://www.kickstarter.com/projects/429975115/cenwatch-the-telekinesis-band-for-all-screens?
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。
編集者
ナゾロジー 編集部
