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ピクサー映画のあのランプが実現!ユーザーの指示通りに「動く照明」を開発


Appleの研究チームが、ピクサー映画のルクソーJr.に似たAI搭載のロボットランプ「ELEGNT」を開発しました。このランプは単に光を発するだけでなく、ユーザーの指示に応じてペットのように反応します。例えば、手招きすると近づき、押し返すと遠ざかるなど、示したジェスチャーに応じます。また、天気予報を尋ねれば窓を“見る”ような動きから答えを伝えるなど、人間らしい動作を見せます。実験では、20名の参加者がランプの動きに親しみを感じ、魅力的と評価しました。この研究は家庭用ロボット市場への進出を視野に入れたもので、より個性的な家電製品の可能性を示しています。

ピクサー映画の冒頭で、ランプがぴょんぴょん飛び跳ねながら「PIXAR」のロゴの上に乗っかるシーンを見たことがあるでしょう。


あのランプは1986年に短編映画として誕生した「ルクソーJr.」というキャラクターです。


そしてルクソーJr.はついにアニメの世界を飛び越えて、現実のものとなるかもしれません。


米Apple Computerの研究チームは最近、ルクソーJr.のように柔軟に動くランプ「ELEGNT」を開発したと発表。


ELEGNTは単に首を振るだけでなく、ユーザーの指示を聞いて照明を自在に動かすことができるのです。


研究の詳細は2025年1月21日付でプレプリントサーバー『arXiv』に公開されています。




目次



  • ランプに愛着が湧く?ユーザーの指示を聞くAI照明
  • 家電製品と会話できる日は近い

ランプに愛着が湧く?ユーザーの指示を聞くAI照明


多くの人にとって、「ランプ」といえばスイッチを入れれば光るだけの単純な家電製品でしょう。


しかし今回、Appleのエンジニアチームが開発したAI搭載型のロボットランプは、まるでペットや人間のような振る舞いをすることで、私たちの生活に新しい可能性をもたらします。


このロボットは、例えば手招きのジェスチャーをすると近づいてきたり、逆に押し返す動作をすると遠ざかったりすることができます。


さらに天気予報を尋ねると、まず窓の外を「見る」ような動作をしてから答えるという仕草も見せます。


画像
Credit: arXiv (2025)

こうした動作は単なる機能的なロボットと比較すると、はるかに親しみやすく、愛着を抱かせる要素を持っています。


チームはロボットを家庭環境に導入する際に、単なる機械ではなく、個性を持たせることが重要であると指摘しています。


従来の家庭用ロボットは、冷たい計算機のような振る舞いをすることが多いですが、今回のロボットランプは「まるでペットのような愛らしさ」を持つことで、家電の概念を変える可能性があるのです。


では、動く卓上ランプ「ELEGNT」の実際の動作を見てみましょう。


家電製品と会話できる日は近い


チームはロボットが表現豊かに動く場合と、単に機能的に動く場合で、人間の受ける印象がどのように異なるかを調べました。


実験では、約20名の参加者にロボットがタスクをこなす映像を見せ、それぞれのロボットに対する印象を評価してもらいました。


その違いは顕著なものでした。


表現力のある動きをするロボットは、機械的に機能するだけのランプに比べて、より親しみやすく、魅力的に感じられることが示されたのです。


画像
Credit: Apple engineers create expressive Pixar-like table lamp with AI capabilities(youtube, 2025)

例えば、写真撮影のために特定の物体を照らすタスクでは、単なる機能的なロボットは「ただ静止するだけ」でしたが、表現豊かなロボットはランプシェードを傾け、まるでユーザーを見つめるように動作することで、より自然で直感的なインタラクションを実現しました。


また天気予報を尋ねた際には、単なるロボットはすぐに答えを返すのに対し、表現豊かなロボットは一度窓の外を「見る」ような仕草をしてから答えることで、ユーザーに「このロボットは本当に考えている」と感じさせる効果を生み出しました。


Appleはこれまで、スマートフォンやコンピューター、アプリ開発を主軸としてきました。


しかし近年のAI技術の発展とともに、家庭用ロボット市場への進出も視野に入れていると報じられています。


今回のロボットランプの研究は、その第一歩とも言えるでしょう。


今後、この技術が進化すれば、家電製品に「個性」が加わることが一般的になるかもしれません。


例えば、冷蔵庫が食材を管理しながら「今日は野菜を多めに摂ったほうがいいですよ」と話しかけたり、掃除ロボットが「今日はちょっと疲れたからゆっくり動くね」と冗談を言う未来も考えられます。


今回の研究が示したのは、ロボットが単なる機械ではなく、人と共存する「相棒」のような存在になりうるということです。


映画の中のランプが現実世界でも私たちの生活を照らし、時には会話を楽しむ日が来るかもしれませんね。


こちらは実験の様子。(音量にご注意ください)



全ての画像を見る

参考文献

Apple engineers create expressive Pixar-like table lamp with AI capabilities
https://techxplore.com/news/2025-02-apple-pixar-table-lamp-ai.html

Apple’s Expressive Robot Lamp Acts Like a Real-Life Pixar Mascot
https://www.cnet.com/tech/apples-expressive-robot-lamp-acts-like-a-real-life-pixar-mascot/

元論文

ELEGNT: Expressive and Functional Movement Design for Non-anthropomorphic Robot
https://doi.org/10.48550/arXiv.2501.12493

ライター

千野 真吾: 生物学出身のWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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