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インターネット依存症は「運動」で軽減すると判明!どんな運動が効くのか?


中国・広西大学の研究により、運動がインターネット依存症を軽減する効果があることが示されました。特にチームスポーツなどの予測不能な環境での運動や、複数の運動を組み合わせたプログラムが最も効果的です。運動はインターネット依存の症状軽減だけでなく、不安感やストレス、孤独感の減少、全体的なメンタルヘルスの向上にも役立ちます。研究対象は大学生760名で、週に2〜5回、1回50〜120分の運動を4〜18週間行った結果、依存の軽減が確認されました。

毎日スマホやパソコンを触っていると「気づいたら3時間も経っていた!」という経験がおありでしょう。

特にSNSや動画サイト、オンラインゲームは、ついつい時間を忘れて没頭しがちです。

現代においてインターネットはもはや生活に欠かせない存在となっていますが、その一方で「インターネット依存症」も深刻化しています。

依存が進むと、学業や仕事に支障をきたしたり、不安感や孤独感が増したりすることが分かっています。

では、このインターネット依存症を軽減する方法はあるのでしょうか?

中国・広西大学の研究チームは、この問題に対処するために「運動(エクササイズ)」に注目。

その結果、運動にはインターネット依存を軽減する効果があることが明らかになりました。

さらに不安感や孤独感、ストレスの低減、全体的なメンタルヘルスの向上にも役立つことが示されました。

研究の詳細は2024年9月19日付で学術誌『Addictive Behaviors』に掲載されています。

目次

  • ネット漬けの生活がもたらす影響
  • どんな運動が効果的?

ネット漬けの生活がもたらす影響

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Credit: canva

スマートフォンやPCの普及により、インターネットは私たちの生活の一部になりました。

仕事、勉強、娯楽、ショッピングなど、あらゆる活動がオンラインで完結する時代です。

しかし、その利便性の裏には「インターネット依存症」という深刻な問題があります。

これはネットを使う時間をコントロールできず、生活に悪影響を及ぼす状態を指します。

例えば、SNSに夢中になりすぎて寝不足になる、ゲームをやりすぎて勉強がおろそかになる、オンラインショッピングで衝動買いを繰り返すといった行動が見られます。

先行研究によると、インターネット依存症の人はドーパミン報酬系と呼ばれる脳の神経回路が過剰に刺激される傾向があり、これはギャンブル依存や薬物依存と類似したメカニズムであることが分かっています(Pharmacology Biochemistry and Behavior, 2015)。

また、依存が進むと、以下のような症状が現れることがあります。

  • 不安感やストレスの増加
  • 孤独感の強まり
  • 睡眠障害
  • 現実世界でのコミュニケーションの減少

このように、インターネット依存は単なる「使いすぎ」の問題ではなく、心身に悪影響を及ぼす深刻な状態なのです。

では、インターネット依存症を緩和するにはどのような方法がいいのでしょうか?

研究チームは誰もがコストなく手軽にできる「運動」に着目しました。

どんな運動が効果的?

研究で実施された運動は、以下の3つのカテゴリに分類されました。

  1. オープン・モーター・スキル(開放運動技能)
    • 予測不能な環境で行う運動(例:バスケットボール、サッカー)
  2. クローズド・モーター・スキル(閉鎖運動技能)
    • 繰り返しの動作を行う運動(例:ランニング、水泳、ウェイトリフティング)
  3. 両者の組み合わせ

被験者は760名の大学生の男女であり、運動の期間は4〜18週間週2〜5回1回あたり50〜120分行われました。

その結果、運動を行ったグループは、運動をしなかったグループに比べて、

  • インターネット依存の症状が大幅に軽減
  • 不安感、ストレス、孤独感が減少
  • 全体的なメンタルヘルスが向上
  • 疲労感や抑うつ症状も緩和

などの効果が確認できたのです。

特に、オープン・モーター・スキル(バスケットボールやサッカーなど)と、 両者の組み合わせが最も効果的であることが示されました。

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Credit: canva

今回の研究により、運動がインターネット依存症の軽減に有効であることが示されました。

特にチームスポーツのような「予測不能な環境で行う運動」や、 複数の運動を組み合わせたプログラムが効果的であることが分かりました。

スマホやPCに夢中になりすぎて「ちょっと依存気味かも?」と感じたら、 運動を習慣にしてみてはいかがでしょうか。

もしかすると、あなたの生活が大きく変わるかもしれません。

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参考文献

Exercise eases internet addiction in Chinese college students
https://www.psypost.org/exercise-eases-internet-addiction-in-chinese-college-students/

元論文

Effects of exercise interventions on Internet addiction among college students: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials
https://doi.org/10.1016/j.addbeh.2024.108159

ライター

千野 真吾: 生物学出身のWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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